30話 覚醒
ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。
サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。
ヤム暗殺を決意した剛本は自身の能力を高めるべく議員達からのチカラの移譲を受ける為に人魚の里の守護者エリドゥの城に集まる。
しかし移譲したその時そこにヤムが現れた。
■登場人物の紹介
◇他守ショウ VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSS。緑色のオーラを持つ。
銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。
◇アナト ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。赤いオーラを持つ。
◇バアル アナトの兄。ナノマシーン適合者ランクはSS。オレンジ色のオーラを持つ。
◇ミネルバ ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。
◇エアバニー 81区警備局イシュタラ対策部特殊捜索1課(通称イ特)課長。役職は警視正。81区の英雄。ナノマシーン適合者ランクはS
◇剛本剛 イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。ナノマシーン適合者ランクはA
◇藤原小町 イ特特殊攻撃部隊『D』ナノマシーン適合者ランクはA
◇エンキ博士 かつてイシュタルを覚醒させたナノマシーン開発者。200年以上の時を超えてコールドスリープより目覚める。サークルアンデッドを使って大量の人体実験を繰り返した。
◇イシュタル アナトとバアルの母であり、全てのイシュタラに尊敬、崇拝されるイシュタラ達の女神。イシュタラの国を作り、放射能汚染から低ランクのイシュタラと魚たちを守るために命を落とした。
◇ポン太 シダーの森の住人。エルヴィンを生きていると認識している。見た目は可愛らしい小狐。
◇ヤム 神殿議会長。外海の魔神と呼ばれる回遊族のイシュタラ出身。人間殲滅作戦を考案。一応バアル達を立ててはいるが実質支配している。
◇アスタルト アナトの幼馴染。体が弱く街で薬屋営み実家で暮している。この国一番の情報通でもある。
◇アルル アルルの街の守護者。イシュタラ軍を率いて魔神軍と共にセラフィールド戦を戦った。10議員の一人でもある。
◇ウル ウルの街の守護者。10議員の一人。バアルの教育係をしていた。
◇エリドゥ エリドゥの街の守護者。10議員の一人。バアルの戦闘訓練をしていた。人魚の里の長
◇ラガシュ ラガシュの街の守護者。10議員の一人。亜人族の長
◇ウンマ ウンマの街の守護者。10議員の一人。獣人族の長
城に入って来た人影は三人。
ヤムを先頭にバアルそしてアナトだ。
アルル「ゼイゼイ。。バ、バアル様。。何故ここが?。。」
ヤム「私がお呼びしたのです。」
アルル「。。。うぐぐぐぐ。。」
ヤム「全く愚かな企てをしたものです。」
バアル「。。。一応、回復する前に拘束させてもらう。」
議員達は声も出なかった。
バアルは剛本を含む全員の手足を自らのオレンジ色のティアマトのオーラから作り出したリングで拘束した。
バアル「他守ショウ君、先ずは議員達の回復をお願いしていいかい?」
ショウ「?イ特の彼が一番苦しんでるんですけど。。いいんですか?」
バアル「彼は、もう少しこのままでいる必要がある。」
ショウ「どうしてですか?」
バアル「彼は死を覚悟してこの試練に望んだ。」
バアル「君にも覚えがあると思うがティアマトのチカラに目覚めるにはそれ相応のレベルの者が自ら死線を超える必要がある。」
ショウ「え?争いを止めに来たのにそれは手伝うんですか?」
バアル「剛本君の行動と君の存在のおかげてヤムとの交渉は条件付きで成立したんだよ。」
バアル「さ、話は後だ。早く回復を。」
ショウ「分かりました。」
ショウはそう言うと魔法詠唱のポーズに入る。
足元に緑色の魔法陣が現れてゴオオオオっという効果音がなる。
ショウ「キュア3!」
そう唱えるとアルルは光に包まれてあっという間に移譲のダメージから回復した。
アルル「おおおお!なんだこれは?こ、これは凄い!」
アルル「ありがとう。他の四人も早く回復してやってくれ。」
ショウ「分かりました。ミネルバ、手伝ってくれ。」
ミネルバ「よろしくてよ。」
そう言うとショウとミネルバは他の四人も同じ様に一人ずつ回復して回った。
エリドゥ「こ、これは。。!」
ウル「た、助かった。。」
ラガシュ「。。。」
ウンマ「ぬう。。。ワンだふる」
ウンマの言葉にピクッと反応するミネルバ。
そして尚ものたうち回る剛本を見てショウはバアルに
ショウ「ちょっとあれ見てられないんですけど。。」
バアル「。。。」
ヤム「仕方ありませんね。」
そう言うとヤムはアナトと同じ赤いオーラを放ち突然剛本の胸元をその拳で貫いた。
ショウ「!!!な、何やってんすか!!」
バアル「他守君、落ち着きたまえ。大丈夫だ。」
剛本は薄れゆく意識の中で自分の胸が貫かれるのを見ていた。
細胞ひとつひとつが悲鳴を上げている。
神経細胞も全てがはち切れんばかりに反応している。
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
泣き叫ぶ様にそう何回も心の中で叫んだ。
しかし、ほんの一瞬エアバニーの「小町がナノマシーンウイルスに感染した。」と言う言葉を思い出した。
その瞬間、剛本の飛びかかった意識が戻った。
バアル「来た。」
剛本の体から赤いオーラが輝き始める。。
剛本は天に向かって何を叫ぶと同時に衝撃波を発した。
呼応する様にバアル、アナト、ヤムそしてショウもそれぞれのオーラを発動する。
そして剛本のオーラを包み込んだ。
ヤム「産声ですね。」
バアル「他守君、もう大丈夫だ。彼を回復してやってくれ。」
ショウは頷くと魔法詠唱のポーズをとり、キュア3を剛本にかけた。
すると見る見る剛本の苦痛に歪んだ顔が安らいでその場で倒れ込んだ。
剛本「ハアハアハア。。。」
剛本「拘束されている?」
そこでようやくバアルやヤムがいる事に気が付くと
剛本「な、何だこれは!?」
剛本は慌ててもがくがバアルのかけた拘束は覚醒した剛本のチカラを以てしても外れない。
ヤム「初めましてイ特の適合者。私がヤムだ。」
剛本「何!?それじゃあ。。」
ヤム「君の計画は半分失敗したと言う事です。」
剛本「半分?」
剛本「どう言う事だ?」




