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27話 アルル城での密会

ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。



サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。



しかし、イシュタラの国の入国で女神の門の試練に失敗、近くにある人魚の里で修行をする事になった。



一方、剛本はヤム暗殺を決意する。



そんな剛本の元に小町を感染源にイ特内でナノマシーンウイルスの感染が広まっているという知らせが入った。



※登場人物の紹介を後書きにつけています。

薬屋にて



ヤム「失礼しますよ。」



アスタルト「ヤムさん。いらっしゃいませ。」



アスタルト「ご加減いかがですか?」



ヤム「正直あまりかんばしくありませんね。」



ヤム「我々魔神族は捕食を繰り返す事でチカラをつけましたが中身はツギハギの欠陥品です。」



アスタルト「またそんな。。」



ヤム「ここの薬屋が無ければとうの昔にティアマトのチカラが暴走して死んでいましたよ。」



アスタルト「お役に立てて嬉しく思います。」



ヤム「魔神達もみな感謝しております。」



アスタルト「もうこれ以上捕食は繰り返さない方が宜しいかと思いますが。。」



ヤム「そうもいかなくてね。。」



ヤム「今度こそイシュタル様の残されたこの国とお子達を守らねばならない。」



ヤム「この身が滅びる前に未来への禍根を断ち切らねばなりません。」



ヤム「イシュタル様を失った今、我等は死に場所を求めているのやも知れませんね。」



アスタルト「そんな風に仰らないで下さい。。」



ヤム「すまない。ここへ来ると本音が出てしまってね。」



ヤム「汚れ役も最後は綺麗に飾りたいのですよ。」



アスタルト「。。。」



アスタルト「ヤムさん。お話があります。」







数日後



アルルの城の応接室



赤い絨毯じゅうたんの敷かれた100畳程の部屋の中央に白い重厚な長机があり天井には豪華なシャンデリアがある。



そこには、アルルの呼びかけで集まった5人の議員達と剛本がいた。



内訳は



ウル   ウルの街の守護者。バアルの教育係をしていた。

エリドゥ エリドゥの街の守護者。バアルの戦闘訓練をしていた。人魚の里の長

ラガシュ ラガシュの街の守護者。亜人族の長

ウンマ  ウンマの街の守護者。獣人族の長



そしてアルルと剛本である。



バアル、アナト、シダーの森の守護者フワワを除けば応じなかったのは二人のみとなる。



アルル「議論は尽きました。」



アルル「剛本君。」



剛本は頷く。



剛本「皆さんの覚悟、承りました。」



剛本「私も覚悟を決めました。」



剛本「それから、皆さんの肉体的負担と苦痛を軽減する方法があります。」



剛本「その方法を取る為に移譲は、人魚の里でしたいと思いますが宜しいですか?」



エリドゥ「負担を軽減ですか?そんな事が出来ると言うのですか?」



剛本「ええ。」



アルル「それが本当なら願ってもない。」



エリドゥ「いいでしょう。それでは人魚の里にいらしてください。」



エリドゥ「海なら夜の時間帯が目立たなくて良いでしょう。」



アルル「それでは今夜12時に人魚の里のエリドゥの居城にて落ち合いましょう。」



剛本「エリドゥ、そこに他守ショウを連れてきておいて下さい。」



エリドゥ「分かりました。」





◇  ◇  ◇  ◇  ◇



午後9時頃、人魚の里近く。



「以上で移譲いじょうの説明を終わります。。。」 



ショウ「は?」



ショウ「あの。。。。もしかしてダジャレですか。。?」



恥ずかしそうにうつむくメリュジーヌ。



海の中なのにとてつもなく寒い空気が流れていた。


■登場人物の紹介

◇他守ショウ  VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSS。緑色のオーラを持つ。

銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。



◇アナト  ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。赤いオーラを持つ。



◇バアル  アナトの兄。ナノマシーン適合者ランクはSS。オレンジ色のオーラを持つ。 



◇ミネルバ   ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。



◇エアバニー  81区警備局イシュタラ対策部特殊捜索1課(通称イ特)課長。役職は警視正。81区の英雄。ナノマシーン適合者ランクはS



剛本剛ごうもとつよし     イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。ナノマシーン適合者ランクはA



藤原小町ふじわらこまち    イ特特殊攻撃部隊『D』ナノマシーン適合者ランクはA



◇エンキ博士   かつてイシュタルを覚醒させたナノマシーン開発者。200年以上の時を超えてコールドスリープより目覚める。サークルアンデッドを使って大量の人体実験を繰り返した。



◇エンリル   エンキの子。エンキ同様どこかでコールドスリープにより眠っている。『時期』が来ればエンキは復活させる予定だったのだがかつて罪を犯したエンリルを隠す為にエンキとは別の場所で眠っている。



◇イシュタル   アナトとバアルの母であり、全てのイシュタラに尊敬、崇拝されるイシュタラ達の女神。イシュタラの国を作り、放射能汚染から低ランクのイシュタラと魚たちを守るために命を落とした。



◇人魚達

ローレライ   アナトについた人魚

メロウ     ショウについた人魚

メリュジーヌ  ミネルバについた人魚

リー      バアルについた人魚

イアーラ    剛本についた人魚



◇ローレライ  美しい歌声の金髪に碧眼の人魚。ショウに電撃を教える。



◇メロウ  小さな魔法の帽子をかぶっているショウのメタモルフォーゼの訓練を指導する事になった人魚。

笛吹いて人を魅了する事もある。



◇メリュジーヌ  大人しい控えめな人魚。ショウの移譲の訓練を担当。ダジャレが好き。

  



◇オンジ   アナトが名付け親となったサークルアンデッドの地下施設で捕らえられていた培養細胞から生まれた赤ん坊。ナノマシーンウイルスの耐性を持つ。



◇エルヴィン  生きているのか死んでいるのかわからない不思議な猫。



◇ポン太    シダーの森の住人。エルヴィンを生きていると認識している。見た目は可愛らしい小狐。



◇フワワ    イシュタルが創り出したシダーの森の守護者。獅子の頭にドラゴンの口胸から滝のように水の溢れ出る魔神。厳密にはイシュタラではなく、仮想生命のミネルバに近い存在。但しミネルバとは違いゲーム設定の縛りがないのでイシュタル亡き後も存在している。



◇ヤム     神殿議会長。外海の魔神と呼ばれる回遊族のイシュタラ出身。人間殲滅作戦を考案。一応バアル達を立ててはいるが実質支配している。



◇アスタルト  アナトの幼馴染。体が弱く街で薬屋営み実家で暮している。この国一番の情報通でもある。



◇アルル    アルルの街の守護者。イシュタラ軍を率いて魔神軍と共にセラフィールド戦を戦った。10議員の一人でもある。



◇ウル   ウルの街の守護者。10議員の一人。バアルの教育係をしていた。



◇エリドゥ  エリドゥの街の守護者。10議員の一人。バアルの戦闘訓練をしていた。人魚の里の長



◇ラガシュ    ラガシュの街の守護者。10議員の一人。亜人族の長



◇ウンマ    ウンマの街の守護者。10議員の一人。獣人族の長

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