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5話 法と露天風呂と門

ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。



サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。



■登場人物の紹介

◇他守ショウ  VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSS。緑色のオーラを持つ。



◇アナト  ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。赤いオーラを持つ。



◇バアル  アナトの兄。ナノマシーン適合者ランクはSS。オレンジ色のオーラを持つ。 


◇ミネルバ   ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。



剛本剛ごうもとつよし     イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。ナノマシーン適合者ランクはA


『他者を殺してはいけない』

『他者の物を取ってはいけない』

『他者を騙してはいけない』



バアル「イシュタラの国の法はこれだけだ。」



ショウ「え?法ってそれだけ?」



バアル「これなら子供でも解るだろう?」



ショウ「なんかこう、もっと厳しくて長いのを想像してました。」



バアルは頷くと



バアル「我々は食事を取る必要がない。よって奪い合いをする必要がない。紛争をする必要もない。」



バアル「我々は病気にならないし歳も取らない。よって社会福祉も必要がない。」



ショウ「じゃぁ毎日何をして暮らしているんですか?」



バアル「芸術にいそしんだり勉学に励んだり競技をしたり、自分を高める事や趣味を楽しんで暮らしている。」



ショウ「仕事は?」



バアル「神殿の仕事以外は基本自由だ。趣味で作ったものを必要な物と交換するバーターがある。」



バアル「公共事業や兵役等の国の仕事はチカラの強いものが志願してやる。皆、自分の得意な事で国に貢献している。」



ショウ「じゃあお金は必要がない?」



バアル「イシュタラの国に貨幣は存在しない。よって貧富の差もない。」



ショウ「仕事がないんじゃ水道とか電気とかお風呂もないんですか?」



バアル「ない。それにここには夜もない。風呂は天然の露天風呂があるので自由に使ってくれたまえ。」



ミネルバ「露天風呂って。。ちゃんと男女わかれてますの?」



バアル「天然なので別れてはいない。恥ずかしければ水着を着ればいい。」



ミネルバ「えええ!?」



ミネルバは顔を真っ赤にしてショウの方を見て



ミネルバ「わ、わたくしは水着を着ますからね!」



と念を押した。



ショウはそれよりもあのオムツの様な姿を皆に晒さないといけないかも知れないと言う事に気が付いて脂汗をかいていた。



ショウ「うわぁぁ。。どうしよう。。?」



しかし、水中なので誰もそんな汗には気が付かない。



しかし、アナトはなんとなく察した。



アナト「どうした他守?オムツが恥ずかしいのか?」



ショウ「わっ!ちょっと!アナト!何言っるの!!」



人魚達の前でオムツの事を言われて慌てるショウを見て意地悪そうに少し笑うアナト。



ショウ:そう言えばアナトはどうなんだろう?



ショウ:み、水着だよな?



ショウ:たぶん。。



ショウ:それよりオムツ。。。どうしよう。。?



そしてそのすぐ後にショウ達に最初の試練が訪れた。



バアル「風呂はさておき先ずは入国だ。」



バアル「この門は意思を持っている。もし、このイシュタラの国に『好まざる者』と判断された場合はこの門をくぐって中に入ることは出来ない。」



剛本「じゃあ、俺は無理だな。イシュタラを信じた訳じゃない。」



バアル「それも解っている。だが、先ずはこの試練を受けてもらう。」



剛本「何故だ?結果が判っててやる意味があるのか?」



バアル「試練を受ければ解る。」



剛本「。。!?」



ショウ「あの、質問があります。」



バアル「何だい?」



ショウ「ミネルバはどうなるんでしょうか?」



バアル「彼女は君が通れば多分大丈夫だ。」



ショウ「解りました。まぁ、邪魔な時はしまっててもいいんで。」



ミネルバ「ちょっとtamori!人をモノみたいにおっしゃらないで下さる!?」



ショウ「だってお前。。ホントに何もするなよ?今から召喚禁止だ。キ・ン・シ!」



ふくれるミネルバ。



ひと呼吸おいてバアルは切り出した。



バアル「では剛本君。君から入りたまえ。」



剛本「。。。分かった。」



剛本の前に大きな門が立ちはだかる。



その内側の真っ黒な空間に剛本は一瞬ぞっとして鳥肌が立つのを覚えた。



決して自分を受け入れはしないであろうその門の威圧感に押し潰されそうになりながら剛本は覚悟を決めるとバアルをひと目見て静かに入っていった。


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