34話 ジレンマ
ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。
ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。
その後、施設を破壊してしまうショウ。
ショウが反物質を融合させて開けた大穴の底。
アナトはついに自分達がイシュタラである事を告げる。
剛本「やはりアイツ達はイシュタラです!隊長!攻撃命令を!」
エアバニー「待て、落ち着け!」
剛本「何故隊長は人類の敵であるイシュタラを庇うのですか!?」
エアバニー「署に戻ってから全部説明してやる。今は落ち着け!」
剛本は納得のいかない様子だ。
当然である。
イシュタラのお陰で今や半数のカプセルが破壊され、人類は滅亡の危機に晒されている。
その張本人であり、しかもかなりの高位のイシュタラが今目の前にいるのである。
剛本自身も英雄エアバニーに憧れて死を覚悟して危険なナノマシーン適合試験を受けてイ特特殊攻撃隊に志願したのだ。
剛本「隊長!」
エアバニー「それにな、ありゃ無理だ。下手に手を出したら瞬殺されんぞ。」
剛本の脳裏に世界で起きているイシュタラによる惨状がよぎる。
連日報道される被害区の人々。
剛本「クソッ!」
エアバニーの言葉にも気持ちが抑えきれず剛本は飛び出した。
剛本「私には納得できません!」
そう言いながら剛本はその豪剣でバアルに斬りかかる。
しかし、その剣はバアルの顔に当たっても傷がひとつつける事は出来なかった。
それどころかその剣はバアルに触れた途端に粉々に砕け散った。
バアル「少々失礼だね。君は。」
バアルはそう言うと全身から超音波を発した。
途端に剛本は三半規管をやられて膝まづいてしまった。
剛本「く、くそ。。こんな事で!」
バアル「君は少し自分の力を過大評価しているようだ。」
バアル「わきまえなさい。」
次にバアルは殺意と恐怖心を与える気を剛本に発した。
身の毛もよだつような感覚に襲われて剛本は全身恐怖で汗がびっしょりになった。
他の隊員達も直撃ではなかったものの恐怖で足が震えるのを抑えられなかった。
バアル「よく考えたまえ。私は君の心臓を一瞬で何処かへ消し去ることも可能なのだよ。」
そしてバアルは剛本に近づいて言う。
バアル「無思慮な行動は慎みたまえ。」
エアバニー「す、すまない。。教育しておくからこの馬鹿を許してやって欲しい。。」
エアバニーはそう言って剛本の頭を押さえつけた。
エアバニー「剛本、やめろ。死ぬ気か?」
剛本「私は!死んでもイシュタラには屈しません!」
エアバニー「お前は何もわかってねえ!」
エアバニー「今は静かにしてろ!」
エアバニーは剛本の首元を殴り気絶させた。
ヒゲ夫「隊長!それはあんまりじゃないですか!?」
小町「ちゃんと説明して下さい!」
こびる「今のはちょっと。。おかしいと思います。」
エアバニー「ふー。。お前ら。。」
エアバニー「我々の任務は確かに第一に81区からのイシュタラの駆逐、そして第二にその生態調査だ。」
エアバニー「だがその前に81区の存亡と区民の生命を守る事、それが保たれなければそれは何も意味はなさない!」
エアバニー「我々の本当の敵は別にいる。」
小町「本当の敵。。?」
エアバニー「そうだ!敵の敵は味方になる事もある。」
小町「つまりイシュタラを駆逐する為の俺たちにイシュタラと手を組めと。。?」
エアバニー「イシュタラの専門家であることには変わりはない。」
小町「そんな事で納得できる訳がありません!」
エアバニー「そうか。。でもな、俺達も既にイシュタラと同じなんだよ。」
『D』隊員達「??」
エアバニー「俺達ナノマシーン適合者は言うならば全員イシュタラだ。」




