表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃核の海 〜ログアウトしたらゲームの魔族キャラのままでした〜  作者: 織雪ジッタ
こんな姿じゃ生きていけない
32/298

32話 アナト、名付け親になる

ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。

ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。


その後、施設を破壊してしまうショウ。


全てを消し去ったその穴の中で、イ特特殊攻撃部隊『D』は穴の中でアナト達と遭遇する。

ロープを伝って上から降りてきたのはエアバニーと特殊攻撃部隊『D』の合わせて5人だ。



ショウは指名手配を受けているのですぐに身構えた。



そして底に着いた彼らの中で一人、エアバニーがすぐアナトに気付いた。



エアバニー「げ!やっぱりアナト!」



アナト「随分な言い様だなエアバニー。しかし他守を指名手配とはやってくれたな。」



エアバニーはヤレヤレといった感じでため息をつき



エアバニー「はぁー。。まあ、そう言ってくれるなよ。そうでもしないと83区系の奴らのロビー活動が酷すぎてサークルアンデッドの施設には入れないだろ?政府も裁判所も今や81区はロビイストだらけだ。」



アナト「まぁな。。この区は異常だ。」



エアバニー「今回は報道機関も連れてきたしサークルアンデッドの内情を世間に流せると思ったんだが。。木っ端微塵だな。。」



アナト「奴らが実験体にしていた者たちは他守は殺さなかった。」



エアバニー「そいつが他守ショウかい?」



エアバニー「大人しく渡してくれ。。ないよな?」



アナト「無理だな。」



エアバニー「はぁ。。だよねぇ。。」



エアバニー「他守君、おじさんと来る気は。。無さそうだね。。」



ショウは完全に警戒感を顕にしている。



エアバニー「あー!待った!指名手配はホラ!取り消すから!」



ショウ:??



そこに不思議そうに顔を見合わせた隊員達はエアバニーに詰め寄る。



剛本「隊長、今回の捜査対象の被疑者。。なぜ拘束しないのですか?それにあれらはイシュタラではないのですか?」



エアバニー「それは必要ない。」



剛本「はぁ?」



エアバニー「あの頭にエンブレム浮かべてる奴や後ろの転がってる連中はサークルアンデッドの人体実験の被害者だよ。」



剛本「どう言う事ですか?」



エアバニー「お前は志願してナノマシーンの適合者になったが彼らは違う。サークルアンデッドに知らない間にナノマシーンを植え付けられて無理矢理ここで実験台にされていたんだ。」



剛本「無理矢理。。」



アナト「おっと、言い忘れていたがそれ以上近づくなよ。私達はサークルアンデッドの開発した体内のナノマシーンを媒体とする病原体に侵されている。」



エアバニー「なんだよ?それ?」



アナト「かかると自然治癒はまずしないそうだ。」



エアバニー「じゃぁお前らは何で平気なんだよ?」



アナト「答えは簡単だ。私達はその病原体に勝ちうる新しい能力を得たと言うことだ。」



アナト「まぁ、お陰で死ぬところだったがな。。」



エアバニー「アナトが?まさか。。?」



それからエアバニーの視線はアナトの胸元へいく。



エアバニー「で、さっきから気になってたんだが。。その抱いている赤ん坊はなんだ?」



エアバニー「。。まさか、お前の。。?」





アナト「勘違いするな!馬鹿かお前は!?」



アナト「この子はここの実験体だった一人だ。この子に病原体に対するチカラを移譲されて私は助かったのだ。」



エアバニー「ふーん。。で、随分弱ってるみたいだけど。。大丈夫なのか?」



その名前のない赤ん坊はアナトにナノマシーンウイルスに打ち勝つ能力を移譲した事でかなり弱っていた。



アナト「そうだった。。他守、そのミネルバと言う者にこの子を回復させて貰えないだろうか?」



ショウ「ああ、いいけど今なら俺も回復魔法ぐらい使えるぜ。」



ショウ「それよりアナト。。エアバニーとエラく親しげだな。。?」



アナト「まあな。腐れ縁だ。さ、早く頼む。」



ショウ「分かった!」



そう言うとショウはまた魔法詠唱のポーズに入りる。



ショウの足元に緑色の魔法陣が現れると「キュアオール!」と叫んだ。



するとそこの周りにいた人々の体力や怪我が見る見る回復した。



赤ん坊の顔色もすっかり良くなって呼吸が安定する。。



小町「凄い。。」



小町はあっけに取られて思わず身を乗り出す程に驚いていた。



アナト「礼を言う。」



ショウ「その子の名前は?」



アナト「名はないそうだ。」



小町「そんな。。可哀相。。」



ショウ「じゃあさ、アナトが付けてやれよ。」



アナト「!!私が?」



ショウはうなずく。



アナト「そ、そんな急に言われても。。」



アナト「。。。そうだな。。」



アナト「こいつは私の命の恩人だ。。」



アナト「よし、決めた!オンジにしよう!」



ショウ:待てーーい!



ショウ:何そのじいさんみたいな名前!!



アナト「お前は今からオンジだ!」



赤ん坊「オンジ。気に入った。ありがとうアナト!」



ショウ:いいのかーー!?



ショウ「つーか喋れるのか!?その赤ん坊!?」



オンジ「ボク、今日から、オンジ!よろしく!」



こうして名前のない赤ん坊の名前は『オンジ』に決定した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ