表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/298

22話 紺碧に光る目

軍の収容施設を破壊して生き残った人達を助け出したイシュル。


しかしその後彼女は突然苦しみ始めた。

イシュタルは突然苦しそうな表情を見せるとお腹を押さえてゆっくりとうずくまった。


少し震えている様だ。


テミス「イシュタル?ちょっとどうしたの?」


ヤムは慌てて駆け寄る。


ヤム「まさか。。。」


イシュタル「うう。。こ、こんな時に。。。」


テミス「ちょっと大丈夫?お腹が痛いの?」


ヤム「待って、先生!イシュタル様はお腹に赤ちゃんがいるんだ!」


テミス「え!?そんな、まさか?イシュタルはまだ。。。」


桃井:。。。。な!


桃井「なぁんじゃとおおおおおおお!!!????」


桃井「イシュタァァァルルル!!!一体どういう事なぁんだああいいい!!?」


さっき迄メソメソしていた彼は突然「漢」になって怒り狂い始めた。


イシュタル「あぁもう静かにして。」


イシュタルは本当に面倒くさそうに手を桃井にかざすと半透明の球体が桃井を包みこんだ。


そして桃井の声は全く聞こえなくなった。


その球体の中で桃井は怒り狂いながら何かパクパク言っているが全く何を言っているのか分からない。


中から桃井が球体を殴ってもビクともしない。


ヤム:イシュタル様。。。お父様の扱い酷いなぁ。。。


ヤム:暴れてるなぁ。。パクパク言ってるけど何もわかんないや。。。


それはさておき、ヤムのその言葉は桃井だけでなくその場にいた他のチアリーディング部や合唱部の子達にも大きな衝撃を与えた。



ここで少しおさらいをする。


合唱部の四人組


メリテ、アステリア、クルー、エーコーの四人だ。


メリテは護送中にヤムの事に気が付く程周りをよく観察する子で一人で考え事をするのが好きな大人しい性格だがアイドルが好きな一面もある。

金髪で青い目をしている。


それに対してクルーは明るく行動的で透き通るような声がとても印象的な赤毛の女の子。

合唱部に入ろうと言い出したのも彼女だ。


そしてアステリア、彼女はメリテと共にヤムに助けられた。アステリアとメリテの二人は他の二人よりナノマシーンの適合率が格段に高い。

そんなアステリアは優しい性格で四人の中で癒やしの存在だ。


最後にエーコー、彼女は東洋系で健康的な褐色の肌の元気な女の子だが気が小さく怖がりだ。

ナノマシーンの適合率は四人の中で最弱で能力は殆ど無いと言ってもいい。


この四人も軍の施設の崩壊というあまりの出来事に呆然としていたがイシュタルの妊娠を知ると心配そうに集まってきた。


特に心の優しいアステリアはいち早くイシュタルに駆け寄った。


そしてそっとイシュタルの肩に触れる。


アステリア「イシュタル、大丈夫?」


顔を上げたイシュタルの表情は辛そうだ。


しかしここで不思議なことが起こった。


アステリアとイシュタルの目が合うとイシュタルのオーラに反応したかの様にアステリアの目が紺碧色に輝き始めたのだ。


ティアマトのオーラ自体の光ではない彼女特有の能力によるものだ。


メリテはアステリアの異変にすぐ早く気がついた。


メリテ「アステリア。。。あなた目が光ってる。。。?」


アステリア「え?」


アステリア「な、何これ?」


その時、アステリアが見ていた景色はこれまで生きてきた世界では無かった。


生きとし生けるものの全ての命がキラキラと輝き、その中を無数の「気」の様なオーラの流れがハッキリと見えたのだ。


その目で見れば見た生命の状態や問題がひと目で分かった。


声をかけられて思わず見たメリテは躍動的できれいな「気」の流れをしている。


しかし、心労がかなり溜まっている様子で肩と胸元に陰りが見えた。


アステリア「メリテ。。。あなたは凄く。。。元気なのね。」


メリテ「へ?。。。なにそれ。。。?」


メリテ「うん。元気?」


アステリア「でも、ストレスが酷いわ。無事に帰れたらゆっくり寝るといいわ。病院でカウンセリングも受けて。」


メリテ「え。。。?うん。。。分かったけど。。。何で急に?何か見えてるの?」


アステリア「うん。見えるみたい。」


そして今度はその光る紺碧の目でイシュタルのお腹を見ると双子の赤ん坊がいるのが見えた。


アステリアはそれを見てドキリとした。


イシュタルのお腹の中でその子達は逆子でしかも首にへその緒が絡みついているのが分かったのだ。


アステリア「これは。。。このままじゃ。。。」


アステリアは胸がギュっと痛むのを感じながらそれをイシュタルに伝えることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ