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19話 罰

ナンナとリリイが既に殺されていた事を聞いたイシュタルは発狂した。


そしてイシュタルから大量のティアマトのオーラが溢れ出した。

その美しい緑色の閃光は遠く離れた1区ゾーン1の空をも明るくなる照らす程だった。


その光を見た者はなぜか一瞬、暖かい気持ちに包まれたという。


しかし、イシュタルのいる軍施設では形相がまるで違った。


高エネルギーに満ちたその光は半径5キロメートル程の建造物を量子レベルにまで砕いた。


そこにあった空間と物質そのものがティアマトのチカラに溶けるように無に帰した。


いや、高次元のエネルギーに変換されたと言っても良かった。


イシュタルの心の傷が流した1オングストロームにも満たない小さな一滴のティアマトの涙が宇宙の誕生で物質化したエネルギーを再びティアマトの海へと逃がしたのだ。


残ったのは巨大なクレーターとその底に見えるドロドロに溶けた溶岩からの赤い光。


そしてその中心で緑色に輝きながら浮かぶイシュタルのオーラに包まれた球体だけだった。


その球体の中には多数の人の姿があった。


施設にいたすべての人がその中でフワフワと浮いていた。


隊長風の男「な、何が起こったと言うのだ。。。?この光は何だ?」


明るい緑色の光のモヤの中で上も下も分からずにジタバタするがどうすることも出来ない。


周りには他の隊員と思われる影がいくつか見えるが声も聞こえない。


そんな中でその男がフワフワ浮いているとどこからともなく女の子の声が聞こえて来た。


イシュタルの声だ。


『人の心を持たないあなた達を人間と呼べますか?』


その声は怒りの声や悲しみの声などが幾重にも重なり合った様な不思議な声だった。


「ヒィィ!な、何だ!?」


『あなた方はナノマシーンの存在も難病のデマも知っていた。』


「や、やめろ!やめてくれ!」


『どうして罪のない人の命をそんなに簡単に奪えるのですか?』


「ヒィィィ!!違う!!違うんだ!!我々は上の命令通りに動いているだけなんだ!!」


『そんな事が理由になると思いますか?私は。。。私はこんなに人が憎いと思ったことがありません。』


「ま、待ってくれ!!仕方がなかったんだ!!許してくれ!!」


『そうやって命乞いをした人をあなたは一度でも助けましたか?』


イシュタルがそう言うとその男の足はボロボロと沢山のカエルになって崩れ始める。


「ヒィ!!あ、足が!!何だこれは!?お、お前は悪魔なのか!?」


『人の心を捨てたあなた達こそ本当の悪魔よ。罰を受けなさい。』


「待ってくれ!いや、待って下さい!!」


『話は終わりよ。』


「そ、そんな!まっ。。。」


次の瞬間、全ての兵士達は無数のカエルになって1区のカプセル内に転送された。


そして転送された先でカエル達は記憶も心もバラバラになって恐怖の中で逃げ惑った。


もはや何に恐怖しているのかさえも分からないにもかかわらず泣き叫び逃げ惑った。


そのカエル達は後に食用として狩り尽くされ、一部は養殖される事となる。



一方、兵士達のいなくなった球体の中でイシュタルはジレンマの中にいた。


これでは人を殺したのと同じだと自分を責めていたのだ。


そして何よりももうナンナとリリイはいない。


その事実を受け入れられずにいた。


そんなイシュタルを見てどう声をかけていいのか分からずにヤムの心も傷んだ。


ヤム:。。。イシュタル様。


そこに近くに浮かんでいたテミスが驚きを隠せない様子でイシュタルに問いかけた。


テミス「イシュタル、これは本当にあなたがやったの?こんな事ができるなんて。。。」


イシュタルは黙ってうなずくと涙を拭ってテミスの方を見た。


すると今まで周りが見えない程にぼやけていた視界が一気に晴れる。


そこには助け出された沢山の人の姿があった。


しかし、クレーターの底まで数キロの高さがあり下には噴火口のように溶岩が見えている。


人々はそれを見てパニック状態になってしまった。

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