15話 息を潜めて
ただならぬ不快感を辿った先にはマイクロ波による集団処刑の執行が行われていた。
目の前で起こっている惨状に思わず激昂して攻撃をしてしまったヤム。
そこに異常を感知した軍の部隊が迫る。
ガチャリとドアが開く。
しかし開いた扉には人影がない。
その扉の外側の両脇に兵士は隠れていた。
片側の兵士が中にボールのような物を投げ込むと次の瞬間部屋の中が眩く光った。
閃光弾だ。
兵士達は目をつぶり心のなかで3カウントを刻むと息ぴったりでドアの両端から機関銃を構えて中の様子を確認した。
兵士「抵抗するな!!」
しかし勇んで中を見たもののそこには誰の姿もなかった。
兵士達に緊張感が走る。
兵士:隠れているのか?
兵士の一人が巨大な装置を見てハッとする。
右側扉が開いている。
すかさず開いている入り口に素早く張り付いてゆっくりと中の様子を伺うがやはり誰もいない。
兵士「誰もいません!何もありません!」
入り口にいる隊長風の男は不審そうに眉をひそめる。
隊長風の男「もう一つの処理装置も確認しろ!」
兵士の一人がもう一方の重そうな扉を開く。
中には黒焦げになった複数人の遺体があるのみだ。
兵士はその数を数える。
兵士「こちらは問題ありません!予定通り処理されているようです!」
隊長風の男「一体何があったんだ?」
部屋はガランとして二人の兵士と白衣の男の死体があるだけだ。
装置はショートして動かなくなっている。
そこまでならまだ事故の可能性もあったが収容者達がまるごといなくなっているのだ。
逃走したのか?
エレベーターへ行くにも階段に行くにも一本道で通るなら必ずすれ違わなければならない。
しかし、誰もすれ違ってなどいない。
室内の棚もチェックしたが何もなかった。
隊長風の男「お前達は死体を片付けろ!それ以外は他の部屋をひとつずつ確認にしにいくぞ!ナノマシーンの暴走かもしれない、気を抜くな!見つけ次第撃て!」
隊長風の男:念の為にアレを装填しておくか。。。
隊長風の男は自分の銃の弾を詰め替えると部屋をもう一度見渡してそれから去って行った、
そして二人の兵士を置いて足音は去っていった。
部屋には死体を片付ける兵士達の物音が響いている。
ヤムはその様子を部屋の壁に擬態して見ていた。
ヤムの擬態したその壁の内側には助けられた人達が未だ拘束具を外す間もなく押し込まれている。
ヤム:もう少し辛抱してくれよ。。
そう思うヤムだったがそのヤムの方に先に異変が起こる。
なんと突然意図せずに擬態が解け始めたのだ。
ヤム:ま、まずい!急にチカラが弱く。。
壁の外にはまだ兵士が残っている。
こんな所で擬態が解ければすぐに見つかってしまう。
必死で擬態を維持しようと踏ん張るがどうした事なのかナノマシーンの活動がどんどん弱くなっていくのが分かった。
ヤム:な、何だこれは!?このままじゃやばいぞっ!




