表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
221/298

9話 紅蓮の毛

消えたラフムを案じるナズィはエルヴィンにラフムが軍に囚われているのではないかと相談した。


すると、状況を聞いたエルヴィンは軍ではなくT-SHOCKが怪しいと言う。


そしてある事を思い出した。


ナズィの髪が無くなった時にあった動く縮れ毛。


そしてエルヴィンと出会ったときについていたもじゃもじゃした縮れ毛。

ナズィ「どこでって貰ってきたって。。。そんな事言われても。。。」


ナズィは思い出す。


腕に縮れ毛がついていたあの前にあったことと言えば。。。


そう、ラフムからのプロポーズだ。


するとナズィの頬が赤らむ。


ナズィ:ラフム先生。。。


エルヴィン「ナズィ、顔がキモいよ。。。?」


ナズィ「うるさいアナタ失礼よー」


ナズィはデレっとしたまま言い返すが何ともしまりがない口調だ。


エルヴィン「それより何か思い出した?」


ナズィ「うーん。。。そういえばあの時、モフモフしたラスボスがジョリジョリして腕がチクチクした様な。。。」


エルヴィン「何をいってるの??」


縮れ毛、コーガ、ナノマシーン、チクチク、ラフムの胸毛、学校、素晴らしいスウィング、ヨーコ、エルヴィン、プロポーズ、腕に胸毛が、坊主頭、T-SHOCK、胸毛がチクチク、ラフム。。。


グルグルと記憶がまわる。。。


そして


ナズィ「あ!」


エルヴィン「あ?」


ナズィ「あああああああああ!!!!」


ナズィは突然周りが驚く程の大声を上げた。


エルヴィン「な、なんだよ??」


そしてフラフラとよろめきながらブツブツ言い出した。


ナズィ「胸毛や。。。あれ胸毛やで。。。腕に刺さっとったんや。。。」


エルヴィン「ど、どうしたの?なにその喋り方?」


この時、ナズィは思い出していた。


プロポーズを受けた時にラフムの胸毛がチクチクしてそれがその後腕に引っ付いて来た事を。


さらにラフムが喉元周辺に特化したナノマシーン適合者である事も。


ナズィ:エルヴィンに指摘されて振り払った腕についた縮れ毛は塊になって不自然に空を飛んでいった。


ナズィ:飛び去った先は。。。そう!学校の方向!!!


ナズィ:しかもエルヴィンは縮れ毛からナノマシーンの波動を感じるって言ってた。。。


ナズィ:それってまさか!?


ナズィ:ラフム先生は胸毛を動かせるってこと!?


ナズィ:じゃあ、あの私を丸坊主にした縮れ毛もラフム先生の!?


ナズィ:とうして?なんの為に!?


そこまで考えが至った時、ナズィは呆然とした。


あの時、T-SHOCKのトイレで見た自分の哀れな坊主頭姿が浮かぶ。


昔の中国の子供の様な辮髪べんぱつを思わせる前髪だけを残した容赦のないツルツル頭。


それをやったのがラフムの動く胸毛だという事実に気がつくとナズィの心のなかで何かが音を立てて壊れた。


そして淡いプロポーズの思い出が破れたガラスの様に粉々に崩れ去った。


ナズィ「ワイはアホや。。。プロゴルファーアホや。。。なさけなくて涙ちょちょぎれんでホンマ。。。」


エルヴィン「は?ちょっと、ナズィ?さっきから何いってんの?」


ナズィ「エルヴィンはん、騒がせてもうてすんまへんなぁ。。。」


エルヴィン「エルヴィン。。はん!?」


考えれば考えるほどにふつふつと怒りが込み上げてさっきまでとは違う意味で顔が真っ赤になってくる。


ナズィ「あーもう、理由なんかどうでもいいわー。あんの野郎、今度あったら只じゃおかないわー」


エルヴィン「ナズィさーん!帰ってきてくださーい!」


ナズィは、やりようの無い怒りが湧いてくるのを必死で抑えていた。


それでも荒ぶる気持ちを抑えるのにはしばらくかかった。


そしてようやく気持ちが落ち着くと息切れする呼吸を整える為に一度無理矢理大きく深呼吸した。


ナズィ「スー。。。ハァー。。。」


ふと目の前を見ればエルヴィンはキョトンとしてナズィを見ている。


それでやっとナズィは今更ながら慌てて平静を装った。


ナズィ「コホン。。。な、何でもないわ。」


エルヴィン「そんなにラフムを探しに行きたいの?」


尋常じゃないナズィの様子を見てさすがに心配になっきたエルヴィンにナズィは予想外の一言を放つ。


ナズィ「いいえ。あのクソ野郎の事なんて知らないわ。」


エルヴィン「へ?」


そしてナズィは突然氷の様な冷たい笑顔を見せて去っていった。


残されたエルヴィンは訳が分からなかった。


エルヴィン「えええぇ。。???」


イシュタル同様、ナズィには振り回されるエルヴィンだった。



一方、ウルク孤児院の皆を助けに軍の収容施設に向かったイシュタルとヤムは。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ