4話 発覚
ある病院薬剤師の男が勤め先であるジョンズ・ホプキンス病院で一日院長キャンペーンをしていたチーズちゃんというキャラの代役をする事となった。
ちょっと待て。
そもそもこれは一体何の集まりなんだ?
周りには見たこともない謎の着ぐるみ達が沢山いる。
そして次の瞬間、私は驚愕の体験をする事となる。
辺りが急にエメラルドグリーンに光ったかと思うと全員突然どこかの建物の室内にいたのだ。
何かに乗って移動したとか地面が動いたとかではない。
何のGも感じずに突然別の場所へ来たのだ。
私の脳はパニック状態になった。
夢でも見ているのだろうか?
周りにはさっきとは比べ物にならない程の数の着ぐるみ達や人達が大勢いる。
その大勢はイシュタルという女の子を中心に集まっている様だった。
見た顔だ。
あの子は難病科で何度か見たことがある。
それに失踪してメディアで話題になった子だ。
しかし、今朝から伝染病がどうのってニュースにもなっていた様な。。。
難病科の連中の話ではアレは伝染などしないはずだが一体どうなっているのだろう?
などど考えていると周りのみんなが着ぐるみを脱ぎ始めた。
そしてまた私は倒れそうになる。
現れたのは異形だった。
ファンタジーの世界に出てくるようなモンスター達が目の前に現れたのだ。
私は恐怖で震え上がった。
とにかく目立たない様にしなければ。
そして隙を見て逃げるしかない。
ここが何処なのかサッパリ分からないがあの一瞬でそう遠くへは行っていないだろう。
う、何だ?みんな平伏しているぞ?
私だけ立ち尽くしていては不味い。
このままでは目立ってしまう!
よし、私も。。。
あ!
しまった!転んでしまった!
クソ!起き上がれない!
チーズちゃんの顔が重すぎる!
これは完全に設計ミスだ!
手が短すぎるし膝が地面につかない。。。
何て着ぐるみなんだ。。。
ダメだ。。。
どうやっても起き上がれない。。。
しかしこれを脱いだら部外者だってバレるだろう。。。
あー。。。もう。。。疲れた。。。
私は疲れてぐったりしてしまった。
その時だった。
お尻に刺すような痛みが走った。
「痛っ!!!」
突然の事に何が起きたのか全く分からなかった。
「何!?何!?何か刺さった!?」
思わず声を上げてしまった。
と、とりあえず起きなければ!
。。。
ダメだ。。。やっぱり起き上がれない。。。
諦めかけたその時、またお尻に何かが刺さる様な痛みが走る。
しかもそれは執拗に何回も続いた。
「痛い!!痛い!!痛いです!!やめて!!」
私が叫ぶと次は女の子の声がした。
「ちょっと!ストップ!ダメよ!それ普通の人よ!」
すると周りがガヤガヤして気がつくと気ぐるみを脱がされた。
周りを見渡すと周囲の視線が私に向けられていた。
ナズィ「あなたは誰?どうして紛れ込んでいたの?」
シーンとするなか男は緊張した様子で答える。
「。。。私は、ジョンズ・ホプキンス病院の薬剤師でクレピオスと申します。」
ナズィはそれを聞いてため息を漏らした。
ナズィ「ハァ。。。薬剤師さんがどうしてそんな格好を?」
クレピオス「は、はい。。。一日院長というキャンペーンで来ていたチーズちゃんの中の人が急病で。。。私が代役をしていました。」
ナズィ「そうですか。。。」
アルル「これは不味いですね。。。」
ウンマ「何が不味いわん?」
クレピオスは『わん』と言う語尾を聞いてハッとする。
クレピオス「あ、あなたがピンクの恐竜の?」
ウンマ「え?そうだわん。」
クレピオス「私はあなたにむりやりここまで連れて来られ来られたんです。」
ウンマ「え?。。。」
ウンマはしばらく考えてハッとした。
ウンマ「あぁ!!」
ウンマ「アハハ。。。ごめん!間違えちゃったにゃん。」
何かを思い出した様子に周りは呆れた。
アルル「間違えちゃったにゃんではないぞウンマ。。。」
エリドゥ「私達の事を知った以上、こいつを帰す訳にはいかないわ。」
クレピオス「え。。。?」
クレピオス:ヤ、ヤバい。。。こ、殺される???




