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廃核の海 〜ログアウトしたらゲームの魔族キャラのままでした〜  作者: 織雪ジッタ
こんな姿じゃ生きていけない
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21話 ティアマトの力2



ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。

ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。

施設側と交戦後地下10階へ向かうも慢心から罠にかかり能力を半減された二人を次々と刺客ロボットが襲う。



アナトは水槽から出てきたウイルスを克服した赤ン坊にウイルス克服の能力を譲渡してもらい復活。



そんな中、カンビの本体に背中を貫かれたショウの中の何かが覚醒し明るい緑色のオーラを放った。

監視室



金森「この光は。。エンキ博士の論文にあったティアマトの力かもしれん。君はエンキ博士の論文を読んだことはあるかね?」



西田「いえ、エンキ博士についてはサークルアンデッドの最高機密と伺っております。わたくしでは情報にアクセス出来ません。」



金森「あの論文は本当に美しい。あれを見て涙を流さない研究者はきっといないだろう。君も見れば恐らく今までの世界観が180度変わる。そういった代物だ。」



西田「エンキ博士はそれ程の人物なのですか?」



金森「私からすればあの方はもはや神だよ。」



西田「。。神?」



金森「そうだ。かつて人は自然に対し、そして死に対して畏怖し、各々が自分達の生活と文化にあわせた神を創造した。それを立て祀る事で同じように畏怖する哀れな民を従えた。」



金森「ただ畏れを癒やし従える為に生み出された神は、程なく文化間でお互いの正当性を保てなくなり争いを呼んだ。」



金森「そうすれば次に、他者の神を信じる者による理不尽に対する真理を問う者が現れる。そうして、争いを繰り返しながら世界はほんの人にぎりの宗教に淘汰された。」



金森「しかし、それはそうして生まれた如何なる宗教の類であってもほぼ例外なく後世の継承者によって歪められ、当初の純粋な悟り人の想いを踏みにじり、利益の為に暴力を生む。」

  


金森「だがあったのだ。たった一人の悟り人が見た真理に繋がる道が。」



金森「人がその心理に近づいた時、神罰が下った。以来地球は氷に閉ざされて試練の時を迎えた。」



金森「長い長い寒さとの戦いの中で、かつての技術は忘れ去られた。いや、封印したのかも知れない。しかし我々はこの場所で数百年間眠っていた博士と出会ってしまった。」



西田「眠っていた?」



西田の反応を気に留めることもなく金森はモニターを見つめて言う。



金森「他守ショウ。もっと見せてくれ。君のおかげて博士の理論の検証がようやく出来るのだ。」



そして不敵な笑顔を見せていた。



映し出される他守の映像。



その緑のオーラをまとうショウから、一円玉程の透明な球体が2つ生み出されて上空へ上がっていくのが見えている。



右の男「球体は水素の様ですが。。」



金森「物質と反物質を生成しているのか?」



金森「質量が同じなら水素爆弾の75倍程のエネルギーか。。」



西田「なっ!博士、ここも危険なのでは?早く避難した方が。。」



金森「この計画を始めた時点で既に我々は覚悟は出来ている。」



金森「考えてもみたまえ。今回の件でエンキ博士に送ったデータで我々の研究は10年は進む。」



金森「今この瞬間もあの方は見ておられる。」



西田はここで初めて自分の運命を察した。



ふさぎ込んで震える西田。



金森「君には悪いことをしたね。」



そう言い終わるかどうかの所で全ての光は緑から真っ白になり



音もなく全てが消えた。





◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 



殆ど無意識であろう。



ショウはとにかく力を求めた。



その結果、究極のエネルギーを得るための道を自然に導き出した。



その緑色のオーラは水素と反水素を生み出して外気と干渉しない球体に押し込めた。



両者は陽子と電子のプラスマイナスが逆転したもので触れれば物質からエネルギーに100%変換される。



さらにその球体を作ると同時に味方をオーラで包む。



そしてショウはその球体に手をかざしぎゅっとその拳を握るとその球は静かに合わさった。



そして大爆発が起こった。



カンビや機械人形はおろか施設そのものを全てを吹き飛ばし、地上からそのままカプセルのドーム状の天井を貫いて遥か空の彼方、宇宙抜けてまで風穴を開けた。



その衝撃は大地はうねらせて地震をまき起こした。



光と地震が収まると全ては無と帰していた。



施設の建物があった場所は大穴となり、カプセルの天井に空いた大きな穴の中の真っ黒な空には無数の星が輝いていた。



そこに高速で近づくオレンジ色の光が見えた。



瓦礫の中、ショウのオーラに守られていた検体達の群れの中アナトはそれに気付いた。



アナト「兄様!」


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