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廃核の海 〜ログアウトしたらゲームの魔族キャラのままでした〜  作者: 織雪ジッタ
こんな姿じゃ生きていけない
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20話 ティアマトの力1

ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。

ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。

施設側と交戦後地下10階へ向かうも慢心から罠にかかり能力を半減された二人を次々と刺客ロボットが襲う。

アナトがナノマシーンウイルスに侵される中、パーティー補充用のNPC『マスク』の召喚士ミネルバ姫を呼び出す事に成功。



新たな刺客、カンビに操られて次の部屋へイフリートが激闘の末カンビを倒したと思われた瞬間、地面に隠れていたカンビの本体は突然ミネルバの目の前でショウの背中を貫いた。


監視室



左の男「何だあれは。。?博士!水槽を中から破壊した検体がいます!」



金森「どう言う事かね?全ての水槽の検体にはナノマシーンウイルスを投与していた。あれの抗体など存在しない筈だ。」



金森「まさか、ナノマシーンウイルスの抗体を持った検体がいたと言うのか。。?」



西田は脱出した赤ン坊の姿を見て内心ホッとしていた。



それは金森が『肉の塊』と称したまさにその検体だったからだ。



左の男「博士!女の方が復活した模様です!」



金森「な、なんだと?何が起こっていると言うのだ。。?」



左の男「あっ!!こっこいつ!!」



金森「今度は何かね!?」



左の男「た、大変です!女の方が水槽を次々と破壊しています!」



金森「何!? 機械人形を全機出動させてすぐにやめさせろ!検体を回収してあの女を捕縛するんだ!」



左の男「はっ!」



◇  ◇  ◇  ◇  ◇



一方、地面から突き出たサソリの尻尾みたいなものに背中を撃ち抜かれたショウ。



それはカンビの本体の尻尾だった。



本体は地面に隠して、無数の虫達を操って『カンビ』を演じていたのだ。



そして、突き刺された傷口を更に駆けつけた一体の機械人形が、無数の足爪で攻撃している。



ミネルバは咄嗟(とっさ)にゴーレムを召喚したが、残りの3体の機械人形の攻撃をただ耐えるので精一杯だった。



突き刺さったカンビの尻尾はショウの体の中でさらに根を張るように伸び、全身を中から突き破っていった。



ショウ:痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!!!



ショウ:ぐぁぁぁぁ!!なんでこんな事に!?なんでこんな事に!?



そして突然、事切れるようにカクンと上を向き、目がうつろになってゆく。



ショウ「痛い。。。」



ショウ:俺は悪く無い!。。悪く無い。。



ショウ:悪く。。ないんだ。。



意識が飛びそうになりながら、夢なのか現実かすらもわからなくなると、もはや体の感覚すらも分からなくなってきた。



ショウ:ここで死ぬのか。。?



ショウ:い、意識が。。



ショウ:こんな。。訳のわからないふざけた奴らに殺されるのか。。?



ただかすかに見えるでん助人形の面がユラユラと揺れていた。



機械人形「オレにー」



ショウ:たまるか。。



機械人形「デン!とまかせて」



ショウ:たまるか。。



機械人形「オケー!」



ショウ「こんな所で。。。死んでたまるかー!!!」



死を意識した瞬間、ショウの体からさっきのアナトがやった様なオーラが現れた。



『覚醒』が始まったのだ。



アナトの燃えるような赤いオーラとは違い、美しい緑色のそのオーラがショウの全身を覆うと、体の中に食い込んだカンビの尻尾は溶けてなくなり、機械人形の攻撃はそのオーラを全く貫通出来なくなった。



カンビ「!!!わての尻尾が!!!尻尾が消えてもうたがな!!!」



機械人形「なんだ?刺さらねえぞ?チクショウ!」



機械人形はその不気味な『面』を傾けて、不思議そうにショウの顔を覗き込む。



機械人形「ナンだ?このミドリ?」



機械人形「オレにデン!とまかせとけ!!!」



そう言うと機械人形はさらにショウをさらに激しく攻撃し始めた。



しかしその攻撃は全くショウに届かない。



カンビ「な、何でんの?この光は?」



ショウ:何だ? 夢。。? 



ショウ:違うな。。 何だろ? 体が軽い。。



ショウは感情がなくなったかの様な表情で、うつむいていた顔をゆっくりと上げる。



そして機械人形の方を見つめた。



隣の部屋では復活したアナトが次々と現れる機械人形と交戦中だった。



そこにショウ達がいる部屋の方から緑色に輝く光が溢れ出ていることに気がつく。



アナト:緑の光。。あれはまさか。。



アナト「まずい。。他守。。それはダメだ。。」



その光を見たアナトは、慌てて赤いオーラを再び出すと、赤ン坊を抱いてオーラで包み守りの構えをとった。



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