76話 再会、そして
T-SHOCK本社ビルに再びやって来たイシュタル達は実験室へやって来た。
そこでエンリルが現れる。
長い長い時を経てのエルヴィンとの再会であった。
エンリル「エルヴィン?エルヴィンだよね?」
エンリルは少し震えている様にも見えた。
スッとエルヴィンはエンリルの前に飛び出す。
そしてじっとエンリルを見つめるとその目は懐かしさと温かさに溢れていた。
エンリル「今までどこにいたの?心配してたんだよ!?」
エルヴィン「色々。。。あったんだよ。。。」
エンリル「さ、おいで!新しいうちへ帰ろう!母さんもきっと喜ぶよ!」
エルヴィン「。。。。」
エルヴィン「それは。。。できないよ。」
エンリル「どうして?僕に会いに来てくれたんじゃないの?」
エルヴィンは静かに首をふる。
エルヴィン「ゴメン。。オイラ、行かなきゃ」
エンリル「な、何言ってるの?エルヴィン?」
エルヴィン「エンキがしている事はいけない事なんだ。オイラそれを止めないといけない。」
エンリル「待ってよエルヴィン、母さんが?何かの間違いだよ?」
エルヴィンはやはり首を横に振る。
エルヴィン「もう大勢の罪のない人達が死んでしまってる。。。後戻りできない所まできてしまってるんだ。。。」
エンリルは納得がいなかい風だ。
エンリル「待ってよ!あの優しい母さんが人を死なせて平気な訳ないじゃないか?」
エルヴィン「この水槽の人達を見ても君は何も思わないのかい?」
エンリル「ここの人達は病気だって聞いてるよ?治療の為にここにいるんだ。」
エルヴィンは深くため息をつく。
エルヴィン「こんなナノマシーンとティアマトの気配だらけの病気なんかある訳ないよ。君は今のエンキが解っちゃいないんだ。」
エルヴィン「エンリル、一つ聞いていい?」
エンリル「何?」
エルヴィン「ハウスキーパーマミイはどこへ行ったの?」
エンリル「マミイさん?あのハスキーパーマの?」
エルヴィンはハスキーパーマって何だ?と思ったが敢えてそこは触れずに頭を縦に振った。
エンリル「マミイさんなら紺色がかったオーラの人形に殺されたって母さんが言ってたよ。。。」
エルヴィン「紺色がかったオーラ?」
エルヴィン「人形って。。。まさかアイツが?」
エンリル「知ってるの?くるみ割り人形みたいなの。」
エルヴィン:アイツだ!間違いない!
エルヴィン「オイラも2回襲われたよ。」
エンリル「え!?怪我は?大丈夫?アイツ滅茶苦茶強いんでしょ?」
エルヴィンは少しほっとした様に
エルヴィン「エンリル、少し安心したよ。君はやっぱりエンリルだ。」
そう言われてエンリルも少し笑顔を取り戻す。
エンリル「何言ってるの?当たり前じゃないか?」
エルヴィン「。。。」
エルヴィン「エンリル、母さんを正気に戻すんだ。でないとこの世界は滅んでしまう。」
エンリル「エルヴィン、訳わかんない事ばっかり言わないでよ。そんな訳ないじゃないか?」
エルヴィンはまた悲しそうな目になりながらエンリルに言う。
エルヴィン「何があったのか解らないけどエンキはもうオイラ達の知ってるエンキじゃなくなってる。。。」
エンリル「それは誤解だよ!」
イシュタル「誤解じゃないわ。」
エンリル「君は。。?」
エルヴィン「この子はイシュタル。エンキに無理やり拘束されて。。。今、君の子供をお腹に宿している。。。全部エンキに勝手にされたんだ。」
エンリル「は??そんな訳ないじゃないか!?僕、初対面だよ?」
エルヴィン「それにここにいる人達を見てごらん?彼らも全員エンキ身体をいじくり回されてこうなったんだ。」
エンリル「う、嘘だ!」
エンリルはショックを受けて周りを見渡す。
周りにひしめく異形の生き物たちは皆、目に涙を浮かべて寄り添い頷いている。
イシュタル「私は将来の夢も私の人生もあのエンキという人に無茶苦茶にされたわ。」
イシュタル「私はあのエンキという人を絶対に許さない。」
イシュタルの目には怒りと涙が溢れていた。
その目に嘘はないとエンリルは直感的に感じると何もかもが分からなくなっていった。
エンリル「そ、そんな。。。そんなはずは。。。」
エルヴィン「エンリル、ここでサヨナラだ。オイラこの人達を安全なところへ逃さないといけないんだ。」
そう言うとエルヴィンは白く輝き始める。
エンリル「待って!行かないで!エルヴィン!僕と母さんを見捨てるの?」
慌てて近寄ろうとするが走っても走っても近寄るどころかどんどんエルヴィン達の影は遠ざかっていった。
エンリル「待って!待ってよ!エルヴィン!!」




