表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/298

69話 三浦とエンキ

目覚めたイシュタルはティアマトのオーラを取り戻す。


するとナズィの髪は元に戻り、エルヴィンが具現化した。

T-SHOCK本社


薄暗い部屋には大きな空中ディスプレイが投影されている。


対面で5人ずつ座れる大きなテーブルに見立ち過ぎずに程よくデザインされた小さめのチェアーセットが決して窮屈に見えない管理の行き届いた会議室。


エンキは専務の三浦ら幹部とそこで会議をしていた。


被害を明らかにして今後の対策を決めるためだ。


エンキ「随分ひどい事になったわね。」


三浦「はい、SH-Nの水槽が破壊されました。胎児も残念ながら死亡が確認されました。今回の騒動で一番の痛手です。」


深くため息をつくエンキ。


エンキ「SH-Oの方は?」


三浦「SH-Oは無事です。私の方で速やかに別施設に輸送しました。」


エンキ「そう、不幸中の幸いね。」


三浦「しかしSH-Oはまだ不安定です。成長もSH-Nより遅く、慎重に経過を見る必要があります。」


エンキ「わかったわ。宜しくお願いします。」


三浦「はい。」


エンキ「イシュタルの行方はどう?わかりそう?」


三浦「すいません。そちらはまだつかめていません。あのラフムと言う男の知らないと言う言葉も恐らく嘘ではないでしょう。」


エンキ「あの娘に表に出られては不味いわ。どうにかならないかしら?」


三浦「関連があるかどうかは判りませんがエンキ様が以前におられた旧55区の施設付近で強いティアマトの反応が検知されております。同時にそのカプセル外壁が全倒壊した模様です。」


エンキ「それはイシュタルの筈が無いわ。あそこの事を知っているのはこの世であなたと私達親子だけよ。」


三浦「それはそうですが。。。他に心当たりはありませんか?」


エンキ:エルヴィンの筈はないし。。。まさかマミイを壊したあの人形がまた。。。?


エンキ:。。。まさかね。


三浦「どうかしましたか?」


エンキ「いえ、何でもないわ。」


三浦「旧55区の施設へはヘリで調査員を派遣しました。間もなく到着する筈です。関連があるかは分かりませんがイシュタルが連れ去られる際に検知された強いチカラと時系列的にも一致します。」


三浦「調べてみる価値はあると思います。」


エンキ「そうね。」


するとその時、空中ディスプレイからアラートが入る。


三浦「丁度到着した様です。」


ディスプレイにウインドウが現れて調査員が映し出される。


調査員「只今、旧55区の指定された座標付近上空です!」


三浦「何か変わった様子はないか?」


調査員「はいっ、この付近からイシュタルのものと思われる強いティアマトのオーラを検出しました。近くで覚醒しているものと思われます!」


エンキ「当たりね。よくやったわ。」


三浦「やはり瞬間移動したのか。。。」


三浦「しかも、覚醒しているとなると厄介ですね。今となっては投薬も難しいでしょう。」


三浦「派遣した調査員達では荷が重いか。。。」


エンキ「そうね。でもそれなら人海戦術でいけばいいわ。」


三浦「個々は弱くても数で押し切ってしまえば。。。ですか?」


エンキ「そうよ。」


三浦「了解しました。」


三浦「調査班、そのまま見つからないように監視を続けろ。捕縛部隊を派遣する。」


調査員「は!了解しました!」


調査員がそう言うとウインドウは閉じて通信が終わった。


エンキ「今回は私も行くわ。」


三浦「わかりました、では私も参りましょう。」


エンキ「待って、あなたに死なれては困るわ。」


三浦「それは社長も同じです。大丈夫です。フル装備でお供しますよ。」


エンキ「危なくなったらすぐにさがりなさい。これは命令よ。」


三浦「お気遣い身に余る光栄です。」


三浦は深く頭を下げた。


そして再び頭を起こすと自信に満ちた目でエンキを見つめる。


三浦「また瞬間移動で消えられては厄介です。突入は一気にいきましょう。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ