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54話 Mrs.ジャム

落ちている金髪をたどって自転車に乗って駅前まで来たラフムとそれを追う集団。


金髪はそれから駅の中へとつづいていた。


ラフムが駅前で立ち止まると付いてきた人々は駅前のロータリーでヒートアップしていった。

辺りにオルゴールの音が響きわたる。


群衆と警察が一触即発になりそうな騒然とした雰囲気の中、駅からは18時を知らせるオルゴールの音が鳴り響いてきた。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


その頃、アンソニーはナズィの頭に引っ付いていた。


サクッ。。。スルスル。。。ポイッ!


サクッ。。。スルスル。。。ポイッ!


サクッ。。。スルスル。。。ポイッ!


アンソニーは道しるべを作るためナズィの髪の毛を数本ずつ、そっと切っては道に捨てていた。


切っては髪を束ねているシュシュから切った髪を抜いて捨てるを繰り返した。


サクッ。。。スルスル。。。ポイッ!


サクッ。。。スルスル。。。ポイッ!


アンソニー:みんなきっと来てくれる!僕はみんなをラフムを信じてる!


アンソニーはせっせとナズィの髪を切った。


しかし、次の瞬間、ナズィが髪を束ねるために着けていたシュシュがポトンと地面に落ちた。


この時、既にナズィの後ろ髪は完全に剃り上がっていた。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


ペンステーション前ロータリー


そこはラフムが立ち止まってしまった駅前広場。


駅からはオルゴールの音が鳴り響く。


このオルゴールはこの街が再建されてから名物として知られている。


しかし何の手違いがあったのか、どういう経緯で決まったのか、そのメロディはかつて81区が日本という国だった頃に特別フェイマスだった幼児向けアニメ、アソパソマソに登場するジャムおばさんと助手のパタさんが歌う『生きてるナンを作ろう』と言う歌のメロディだった。


曲の出どころもさることながら、当然その歌詞を知るものはこの街には存在しなかった。


このラフム以外は。


そしてオルゴールの音色が曲の中盤に迫ろうとする時、ラフムはついに歌い始める。


ラフム「おいしいナンを作ろう♪命のナンを〜♪」


すると、突然ラフムの顔がジャムおばさんをイメージした顔になった。


ラフムは軽いステップで伴奏に合わせて前に出て、ピンと背筋を伸ばして足でリズムを取ると人々は歓声をあげて注目した。


ラフム「ゴリラは毛だらけでパンツもはかない♪」


赤ちゃんをあやす様な優しい声と顔だ。


ラフム「近所は裸でバイトも裸♪」


ちなみに、歌詞はちょっと間違っている。


ラフム「ひもじい事は我慢できない♪」


ラフム「食べずにいれば死んでしまう♪」


ラフム「死ん〜でし〜ま〜う〜♪」


ラフム「カモン!!」


全員『死ん〜でし〜ま〜う〜♪』


ラブム「OH! YEAR!!!」


歌い終わると歓声がわっと上がり周囲の音をかき消してしまう程だった。


あたりは騒然となり警官たちももはや何も出来なかった。


いや、むしろ警官たちもラフムに声援を送っていた。


しかし、ラフムが話し始めると途端に嘘のようにシーンと静まりかえる。


ラフム「みんな!ありがとう!」


ラフム「。。。」


ラフム「名残惜しいけど今日はここまてまた。」


そう言うと落胆する空気が流れるが次の一言で変わる。


ラフム「僕の大切な人達の命がかかっているんだ。」


シーンとして、しばらく沈黙が続く。


そこに、そっと3毛が帰ってきた。

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