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52話 アンソニー

ナズィの腕についていた『毛』は空を飛んでラフムの胸元へ帰ってきた。


そう、それはラフムのボディヘアーだったのだ。


そしてラフムは彼らと語らう。


ラフムは一人、学校の屋上にいた。


ナズィの元から胸元へ帰ってきたボディヘアー達と語らっていたのだ。


ラフム「うんうん。。そうか。。見つかってしまったんだね。」


ラフムは瞳を閉じている。


ラフム「ナズィが倒れた?Why?」


サワサワ。。。


ラフム「。。。」


ラフム「子供の声。。。?それは奇妙だね。。。」


ラフム「それで今ナズィは?」


サワサワと何か音がしている。


ラフム「。。。そうか。。。そこで見つかってしまったのかい。」


ラフム「。。。おや?」


ラフム「アンソニーがいない様だよ?」


またサワサワと音がする。


ラフム「はぐれたのかい?それはいけない。。。とにかくそのお前達がナズィと離れた場所に行ってみよう。」


こうしてラフムはナズィがエルヴィンに腕の毛を指摘された場所に向かった。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇


ボディヘアー達とナズィが離れた場所



そこには既にナズィの姿はない。


ラフムは到着するとすぐに調査を開始した。


ラフム「索敵!!」


ラフムが決めのポーズを取りながらそう大声で叫ぶと胸から大量のボディヘアーが飛び立ち周囲一面に散った。


しかし、この技をする時は普段は毛で覆われているラフムの胸の肌が露出してしまうのだ!


急いでライダースジャケットの前のジップを胸元まで上げるとラフムはまた謎の決めポーズを取る。


そして目を閉じてじっと散っていったボディヘアー達からの報告を待った。


ちなみに、大声を含む一連の行動で既にラフムは周囲の人々から注目の的だ。


ラフムの研ぎ澄まされた耳に色んな音が聞こえる。


ヒソヒソ。。


サワソワ。。


ヒソヒソ。。


サワサワ。。


ウイイイイン(車の音)


チリンチリン(自転車のベル)


チリンチリンチリンチリン(複数の自転車のベル)


色んな音が飛び込んで来る。


チリンチリンチリンチリンチリンチリン(さらに複数の自転車のベル)


ラフムはその音にインスピレーションを感じると目を見開き叫ぶ。


「カモン!!」


するとどうだ、なんと周りにいた人達が一斉に声を合せ、ラフムと掛け合いを始めたのだ。


ラフムは足でリズムを取る。


すると周りの人達も足を鳴らす。


ズン!ズンズン!ズン!ズンズン!


ラフム「You say rolls I say royce !」


ラフム「ワン ツー スリー フォー!」


周りの人達『ロールス!!』


ラフム「ロイス!!」


周りの人達『ロールス!!』


ラフム「ロイス!!」


周りの人達『ロールス!!』


ラフム「ロイス!!」


周りの人達『ロールス!!』


ラフム「オケー!」


ラフム「僕は自転車に乗りたい!!乗りたいんだ!!自転車レースが今そこに来ているんだ!!」


ラフムがそう叫ぶと周りにいた人達は一斉に熱狂して歓声があがり口々に


「おい、自転車だ!」


「自転車を用意するぞ!」


と自転車に乗っている人までもか一斉にラフムに似合った自転車を求めてどこかへ去っていった。


そして誰もいなくなるとラフムはみんなを呼び戻す。


ラフム「さあ、静かになったよ。お前達、今なうちに戻っておいで!」


そう言って胸のチャックを開き両手を上げて胸元を露わにすると、一斉に飛散した体毛ボディヘアーが戻ってきてラフムの体に吸い寄せられる様に引っ付いた。


ラフムはギュッと自分を抱きしめると


「おかえり。寂しかったよ。。」


と囁くのであった。


そして


サワサワサワ。。。


ラフム「何!?アンソニーが?」

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