表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/298

51話 空飛ぶヘアー

ナズィの心の中に現れたエルヴィンはそのチカラをナズィに貸すと言った。


それからナズィの心の中からエルヴィンの声がする様になった。

エルヴィン:ところで君、女子なのに凄い腕毛だね!


ナズィ「は!?」


思わず大きな声を出してしまった。


ここは町中である。


当然、いきなり大声を出したナズィに注目が集まるとまたしても恥ずかしい思い。


ナズィ:ちょっ、ちょっといきなり何を言い出すのよ!


エルヴィン:だって自分の腕見てよ!


ナズィ:何わけ分かんないこと。。


ナズィ「て!!!!」


見れば腕にもじゃもじゃした太い毛がいっぱいついていた。


ナズィ:なっなにこれ!?


顔の血の気が引く。


慌てて腕の毛を払うとその毛は逃げるように風に乗って飛んでいってしまった。


ナズィ:な、なにあれ?


エルヴィン:微弱だけどナノマシーンの波動を感じるね。


ナズィ:ずっとついてたの?


エルヴィン:ついてたよ。


ナズィはもじゃもじゃとした腕毛を生やしながら自転車をこぐ自分の姿を想像すると酷く落ち込んだ。


どおりでさっきからチクチクする筈である。


ナズィ:全然知らなかった。。。一体どこで?


エルヴィン:さあね。その内分かるんじゃない?


ナズィ:結構テキトーね。。


エルヴィン:まぁ、そんな大した物じゃないよ。あれは。


エルヴィン:それよりイシュタルの所に行かなきゃ。


ナズィ:し、知ってるの?居場所を!?


エルヴィン:そうだね。。多分探せると思う。


ナズィの表情がぱっと明るくなる。


ナズィ:ホントに!?


エルヴィン:でも、急いだ方がいい。今から行くかい?


ナズィ:でも。。。行動する時はラフム先生と一緒にって約束したし。。。


エルヴィン:じゃぁ連れて行くかい?


ナズィ:いやっでも、今はちょっと気まずいしっ。。


エルヴィン:どっちなのさ?


ナズィ:自転車で行けるとこ?


エルヴィン:ゾーン1だよ?車で一時間ぐらいかな?


ナズィ:ムリ。。。一回家に自転車置いてきたい。


エルヴィン:ああ。それなら。。。


エルヴィンがそう言うと、自転車は忽然と消えた。


ナズィは驚いて声も出ない。


エルヴィン:君の家に送っておいたよ。


ナズィ:な?何?何今の。。。?


エルヴィン:テレポーテーションだよ。


ナズィ:ま、マジっすか。。。どんどん現実離れしていってるんですけど。。


エルヴィン:ま、オイラは特別だからね!


ナズィ:これでイシュタルのいる所までピューッと行けるって事?


エルヴィン:向うに気付かれたくないんで先ずは電車で行こうよ!


エルヴィン:近くで大きなチカラを使うとバレちゃうかも知れないし。


ナズィ:そっか。。確かに!


エルヴィン:じゃ、決まりだね!早速イシュタルを助けに行こう!


ナズィ:オーケー、分かったわ。



こうしてナズィはゾーン1へと電車で向かう事になった。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇


一方、ラフムは


警察官から開放されたラフムは学校の屋上にいた。


そして空をじっと眺めていた。


その視線の先に何やらモヤのような物が飛んでくる。


小虫の群れ?


そんな風にも見えるそのモヤは次第にラフムの方へ近づいて来る。


そしてラフムの胸元へ吸い寄せられる様に集まって彼の胸毛の中に消えていった。


ラフムは優しく語りかける。


ラフム「おかえり。お前達。」


そう、それはナズィの腕にはりついていた『毛』だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ