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48話 オバケ

ラフムにプロポーズされたナズィは恥ずかしさのあまりその場を逃げ出してしまった。



その途中で何かを自転車ではねてしまう。

謎の声「見えるの?」


恐怖で声の出ないナズィ。


謎の声「ねぇ、見えるの?」


何もない場所からの声は段々と近づいてくる。


ナズィ「い、嫌。。。」


後ずさりするナズィ。


謎の声「今、ぶつかったよね?ひょっとして見えてるの?」


声は下から這うようにすぐ近くまでくる。


ナズィ「嫌ーーーー!!!」


ついにナズィは大声を出してしまうと周りの通行人達が一斉にナズィに注目する。


しかしどう見てもナズィは一人だ。


そんな中、一人のおばさんがナズィに声をかける。


おはさん「大丈夫?体調でもわるいの?」


ナズィは汗びっしょりになりながら驚いた顔でおばさんを見る。


特になんの変哲もない小太りな普通のおばさんだ。


ナズィ「い、いえ。。。ちょっと変な声が聞こえたもので。。。」


おばさん不思議そうにナズィを見つめる。


謎の声「変な声とはなんだよ!」


ナズィ「キャア!!!」


おばさん「ひぇぇぇ!!!」


ナズィが思わず叫ぶとその声に驚いておばさんが尻もちをつく。


ナズィ「い、今の聞こえましたよね!?」


おばさん「え?え?あなたの大声?」


ナズィ「え?そうじゃなくて、子供みたいな声が!」


おばさんは訳がわからないといった表情だ。


おばさん「ど、どうしたの?子供の声?」


おばさんは、全く分からないといった雰囲気。


ナズィ:このおばさんにはさっきの声が聞えてない。。!?


ナズィ「。。。いえ、すみません。ちょっと電話の音量が暴走しちゃって。。」


そう言うとナズィはおばさんの手を引いて立ち上がらせる。


おばさん「あらあら、電話中だったの。」


おはざん「よいしょっと。。。驚いたわぁ。。」


おばさん「ふう。。あなたも難聴にならない様に気を付けてね。」


ナズィ「は、はい。ありがとうございます。」


おばさん「じゃあね。あまり大声を出してはダメよ!」


ナズィ「すみませんでした!」


ナズィ「。。。。」


ナズィ:静かになった。。。?


謎の声「ねえ。。」


ビクリとするナズィ。


謎の声「ねえっては!」


しかし、ナズィはそのまま無言で自転車に乗ると全力疾走で公園まで逃げだした。


そして塔に登ると服の下につけていた十字架のネックレスを頭の上に握りしめながらうずくまって震えて祈った。


ナズィ「私は道であると語られた主イエスよ!今、私たちに行くべき道を示してください!!」


そんな事はおかまいなしに今度は真っ青になったナズィの耳元で声がする。


謎の声「ひき逃げとはひどいじゃないか。呪ってやろうか?」


ナズィの背筋がゾクッ!とする。


ナズィ「ぎゃぁぁぁぁぉぁぁぁぁ!!!」


ガタガタと震えて歯をガチガチさせながらナズィは必死に叫ぶ。


ナズィ「ごめんなさい!ごめんなさい!お願いです!許してください!」


ナズィは完全にパニック状態になってそのまま気を失ってしまった。


気が強そうに見えて心霊現象にはめっぽう弱かったのだ。


謎の声「気絶?。。。おいおいマジで?。。。こんな事で大丈夫なのかな。。?」

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