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47話 恋の予感

ラフムにプロポーズされたナズィは恥ずかしさのあまりその場を逃げ出してしまった。


そして


恥ずかしさのあまり思わずその場を駆け出してしまったナズィは気付けば駐輪場へ来ていた。


まだ顔が熱い。


ラフムの言葉がぐるぐると頭の中に響き渡る。


「結婚しよう。」

   「結婚しよう。」

      「結婚しよう。」


「大切に思っている。」

   「大切に思っている。」

      「大切に思っている。」


ナズィ:この気持は。。。何?


ナズィ:これは。。。恋!?


ナズィ:そうなのかな。。。


いや、違うナズィ。


それは『恋』ではなく、『声による魅了』だ。


『声』に『恋』しているだけなのだ。


そう言ってあげたい所だか一人でどんどんそれが『恋』だと確信していくナズィだった。


そしてラフムを思い出す。


たくましい口髭を蓄えたオールバックのおっさんの顔がキラキラしている。


ナズィはぼーっとしていたが桃井に返してもらった自分の自転車を見つけるとまたがって自転車をこぎ出した。


裏手の校門を出るとすぐにエルヴィンの開けた大穴が見える。埋める事も出来ずに今も生生しく当時の衝撃を思い出させる。


ナズィ:エルヴィンが戦った跡。。。か。。。


見れば見るほどそんな訳ないと思わされる程の深さだ。


進入禁止のテープが貼ってある為にすぐ近くまではいけないがそれでも足のすくむような深さだ。


まるで隕石でも落ちたかのような。


それでいて真四角に切り取られた大地はまるで鋭利な刃物でくり抜いたのごとくだ。


道は前後に封鎖されて通り抜ける事はできない為に回り道をしなくてはならない。


ナズィ:まさか。。。ね。


そして、封鎖されていない方の道をいくとラフムのいた正門の前を通らないように大きな交差点を南に渡る。


そこにもまた別の図書館があるがそこを左に行くとその図書館の前を通りながら学校の正門が大きな道を隔てて遠くに見える。


そこでまたナズィはドキリとした。


まだ、ラフムがいたのである。


何か警察と話しているみたいだ。


ナズィはまた赤面して目を合わさないようにそさくさとその前を走り過ぎた。


すると、自然とあの塔のある公園の方へ向かっていた。


そして、しばくすると。。


ドン!!と言う衝撃がタイヤから伝わってきた。


ナズィ:わ!?ヤバ!!何かひいた!?


驚いて振り返ると一匹の猫が。。。


倒れていた。。。


気がした。


ナズィ「あれ?今、確かに。。。」


キョロキョロしても何もいない。


ナズィ「気のせい?」


するとどこからか子供のような声が


謎の声「痛いなぁ。。ヒドイじゃないか!」


ナズィは驚いてもう一度あたりを見渡すがやはり誰もいない。


ナズィ「だ、だれかいるの!?」


謎の声「見えないの?眼の前にいるよ。」


ナズィはぞっとした。


目の前には誰もいない。


ナズィ「オ。。。オバケ。。。?」

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