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9話 健康診断

■前回までのあらすじ

レストラン『T-SHOCK』のアルバイトをする事になったイシュタル。



しかし、アルバイトを始めるにはまず病院で健康診断を受けないといけないらしく、急遽ナズィと病院に行くことになった。



■登場人物

イシュタル

17歳、女性

ポールローレンス・ダンバー高校11学年(高2)

合唱部とチアリーディング部を兼務

8年前の1区西海岸独立戦争で家族を亡くし戦争孤児としてウルク孤児院に引き取られた。



ラフム

年齢不肖、男性

音楽教師

神がかった音楽指導能力を持つ。

人気ロックバンド『Q-WIN』のシンガー

イシュタルの合唱部のバンドディレクター



桃井

年齢不肖、男性

ウルク孤児院の院長

旧世界のロックシンガー、フレディ・マーキュリーを崇拝

ピンクが好き



ナンナ

12歳、女性

戦争孤児としてイシュタルと一緒にウルク孤児院に引き取られた。



リリイ

年齢不肖、女性

3歳まで犬に育てられた。

ウルク孤児院にて保護されている。



ナズィ

17歳、女性

イシュタルの同級生

チアリーディング部のチームメイト

ボーイッシュな金髪ポニーテールの女の子



ナンシェ

24歳、女性

『T-SHOCK』アッシュランドアベニュー店の店長

真面目で少し近寄り難い雰囲気のある



■その他

ポールローレンス・ダンバー高校

イシュタル達の通うハイスクール



ウルク孤児院

桃井からは想像がつかないがプロテスタント系の教会の流れをくむ孤児院。


店から指定された病院は店からほど近い。



店のすぐ裏手のひとつ南の通りにその大きな病院はあった。



ジョンズ・ホプキンス病院



そう、ここもかつてこの場所にあった病院跡に都市計画として建てられた旧世界を模した病院である。



この病院の医療技術は世界トップクラスであり、資金や器具の多くは『T-SHOCK』から供与されたものであると言うのはもっぱらの噂た。



非常に大きな病院でその近代的でかつレンガ調の外観は格式の高さを感じさせる。



イシュタル達の学校からもウルク孤児院からも近いが風邪をひいた時に普段から行くような所ではない。



イシュタルも敷地内に入るのはこれが初めてだった。



イシュタル「広いねー。私、中に入るの初めて。」



ナズィ「ほんと迷子になるレベルだよねー」



ナズィ「まあ、チビっ子はお姉さんについて来なさーい!」



イシュタル「ハイハイ。。」



ふざけるナズィに呆れるイシュタルだったが内心は一人でなくて正直良かったと思った。



ナズィは怖いもの知らずで何でも一人でどんどん進んでいく。



失敗とか全然恐れていない。



こう言うアウェイな場所に来た時にはそういった『図太い』人が側にいると根拠のない安心感が生まれるものだ。



イシュタル「ナズィ、健康診断って何するの?」



ナズィ「血液、アレルギー、感染症、鼻の粘膜、視力と。。何だっけ?なんか色々よ!うん。」



イシュタル「感染症なんかどうやってしらべるの?」



ナズィ「あぁシールみたいなのを自分で指定された箇所にペタペタするだけよ。」



イシュタル「ふーん。。」



ナズィ「半年に一回は行かないといけないんだよねー。。」



ナズィ「あ、でも面倒だけど行けば手当が出るんだよ!」



手当と聞いてピクリとするイシュタル。



イシュタル「そ、そうなんだ。いくらぐらい。。出るのかな?」



ナズィ「気になる?」



イシュタル「何?もったいつけてる?」



ナズィ「フフフフフ。。知りたい?」



あからさまにもったいつけるナズィ。



イシュタル「えー?何それ?」



ナズィ「実はね、なんか人によってもらえる額が違うみたいだらよく分からないんだけど私はナント!」



イシュタル「なんと?」



するとナズィの耳元でヒソヒソと



ナズィ「。。。。」



イシュタル:!!!!



イシュタル「えーーーー!?」



イシュタルは驚いて思わず声を上げてしまった。



ナズィ「声が大きいよ。。」



イシュタル「ホントに?」



ナズィ「マジよ!」



そんな二人の元気な声が明るくもないドーム状の空に響いていた。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇



そして健康診断を終えて次の日曜日、イシュタルは初出勤の日を迎えた。



ウルク孤児院の古びた洗面所のくすんだ鏡に映る自分を見ながらその黒髪をポニーテールに結ぶと



イシュタル「よし!」



と言って洗面所を後にする。



それからそのままキッチンを通り玄関へ。



朝食を食べているナンナは



「イシュタルどこ行くの?」



と聞くがイシュタルは笑顔で



「ちょっとねー」



「行ってきまーす!」



と笑顔で出ていった。



桃井は『一応保護者』なのでバイトだと知ってはいたが何やら複雑そうに見ているだけだった。



そうしてイシュタルは途中、ナズィと合流して『T-SHOCK』に向かった。



一方イシュタルが向っている頃、『T-SHOCK』では。。



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