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4話 天才ラフム



■背景

2913年、マミイが消滅してから2年の歳月が流れていた。



ここは1区ゾーン5、旧アメリカのワシントンから東へ50キロ。メリーランド州ボルモチア跡のカプセル。



ここで新たな物語は始まろうとしている。



■登場人物

イシュタル

17歳

ポールローレンス・ダンバー高校11学年(高2)

合唱部とチアリーディング部を兼務

8年前の1区西海岸独立戦争で家族を亡くし戦争孤児としてウルク孤児院に引き取られた。



ラフム

年齢不肖

音楽教師

神がかった音楽指導能力を持つ。

人気ロックバンド『Q-WIN』のシンガー

イシュタルの合唱部のバンドディレクター



桃井

年齢不肖

ウルク孤児院の院長

旧世界のロックシンガー、フレディ・マーキュリーを崇拝

ピンクが好き



ナンナ

12歳

戦争孤児としてイシュタルと一緒にウルク孤児院に引き取られた。



リリイ

年齢不肖

3歳まで犬に育てられた。

ウルク孤児院にて保護されている。



ナズィ

17歳

イシュタルの同級生

チアリーディング部のチームメイト

ボーイッシュな金髪ポニーテールの女の子



■その他

ポールローレンス・ダンバー高校

イシュタル達の通うハイスクール



ウルク孤児院

桃井からは想像がつかないがプロテスタント系の教会の流れをくむ孤児院。

何という生地の面積の小ささだろう。



その男の衣服は、いや、衣装と呼ぶべきか?



この男が人気ロックバンド『Q-WINキュウィーン』のシンガーでなければいかにこの学校の教師といえど即座に逮捕されていてもおかしくない程の服装だ。



まず、衣服と呼べるのはピチピチの白い短パンのみである。



そして、胸元のおしゃれとしてスカーフを首に巻いている。



手首にはリストバンド。



そして一応、白い革靴を履いている。



以上である。



上は何も羽織ってはいない。



しかし、彼にはまるで絨毯じゅうたんの様にそのぶ厚い胸板に敷き詰められた体毛があった。



故に何も問題はないのである。



つまり、何も露出していないのだ。



へそ出しルックですらない。



しかし、このインパクトは勤勉な学生達にはあまりにもポイズンだ。



これが小動物ならモフモフしているところだがこれはそんなヤワな猫っ毛ではない。



毛、一本一本がしっかりと視認できる程にワイルドだ。



イシュタルも最初に彼を合唱部のバンドディレクターとして紹介された時は倒れそうになったものだ。



しかし、慣れるもので今はそれよりもラフムの髪型とその口元に蓄えられた立派なヒゲがイシュタルのよく知っている人間と瓜二つな事の方が気がかりだった。



そしてこのピンと伸びた背筋と立ち振る舞い。



どれもこれも見たことがあった。



イシュタル:あぁ。。嫌な予感しかしない。。



そんなイシュタルを他所に授業は進んでいく。



吹奏楽はここ1区では一般選択科目だ。



部活動ではないので外向けのコンサート等はないがチアリーディング部のバックバンドや卒業式等で演奏する事がある。



この日は長らく続いていた基礎練習、パート練習からの初の全員で一曲通しての合奏練習だ。



ラフムは基礎を大切にする男なのだ。



ラフムが年間の課題曲である『シング・シング・シング』の譜面をどこからともなく取り出すと生徒たちは慌ただしく指揮の準備に入る。



背筋を垂直にピン伸ばし、両手は真下、深く一歩踏み出す様な形で頭は上向く謎のポーズ。



全員の準備が整うまで何も言わすピクリともしない。



これが不思議と返って皆を急がせてしまう。



そして教室が静まり返った時、ラフムは静かに指揮棒を手に取り水鳥の様に優雅にその両手を振りかざす。



そして演奏が始まった。



全員がラフムの指揮の元、まるで夢の中の様に自らの演奏に引き込まれる。



一人で吹いているとしばしば音を外してしまう者も何故かラフムが指揮をするとベストプレイが出来てしまう。



そんな感動に酔いしれる間もなくあっと言う間に時間が過ぎ去る。



そして気が付けば全員が一つのミスもなく演奏が終わるのだ。



その瞬間クラスはまるで全国大会で演奏したかの様な感動に包まれた。



中には涙する者さえいた。



イシュタル:いやいや、これただの授業ですからー



とイシュタルも思わず心の中で突っ込んでしまう。



合唱部で慣れているイシュタルはこの感動に慣れてしまっているのだ。



初めてラフムの指揮で合唱した時はイシュタルだって感動してラフムの短パンすら神々しく見えたものだ。



それにしてもこのラフムと言う男の神がかった音楽指導には誰もが感嘆としてしまう。



指導といか導きというかまるで魔法にでもかかった気分になる。



服装がアレでも許されるだけの事はあるのだ。



ラフム「グレイト!!君たちはチャンピオンだ!」



ラフム「そう!僕たちがチャンピオンだ!!」



ラフム「感じただろう?理解しようとしたら楽しめないんだ!」



ラフム「僕は君たちが伝説になるって知っているよ?」



そして静かに目を閉じる。



ラフム「ネクストソング。。。」



ラフム「宝島!!」



そして、次の曲が始まる。



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