29話 過ち
ナノマシーンリミッターの研究室の端末に見つけたエルヴィンの隠しファイル。
そこにはられたパスワードのヒントは『エルヴィンの名前の由来』だった。
エルヴィンの名付け親はエンリルだった事からエンキは息子エンリルを起こした。
しかし、エンリルはエルヴィンの名前の由来を覚えていなかった。
エンキ「エンリル、あなた本当に覚えていないの?」
改めてエンリルに問うエンキの目は焦りに満ちていた。
エンリル「んー?何かの本に出てきたんだっけ?」
考え込むエンリル
エンリル「んーー。。。?」
エンリル「んん??」
エンリル「んーー。。。」
エンリルの挙動にいちいち一喜一憂するエンキ。
エンリル「やっぱり分かんないよ。」
エンキ「。。。。!」
エンキ「ハァ。。。やっぱり?」
エンキ「でも変ね、エンリルでも分からないのにエルヴィンは知っていたのかしら?」
エンリル「エルヴィンが知ってるわけないよ。誰にもそんな話した事ないし。。」
それを聞いてハッとするエンキ。
エンキ:エルヴィン自身が知らない?
エンキ:まさかそんな。。?
エンキ「私はとでもない誤解をしていたかも知れないわ。。」
エンリル「母さん?」
エンキ「ちょっと調べものがあるから、エンリルはゆっくりしていてね。」
エンキはそう言うと一人でリビングを出ていった。
研究室
エンキは例の隠しファイルを立ち上げる。
パスワードを聞かれたエンキは思いつく限りの言葉を入れる。
知らない
不明
エンリル
特別
エルヴィン
etc.
何度も一時ロックになりながら入力してみたがやはり正解にはたどりつかなかった。
エンキ「ハァ。。。やっばりダメね。。。」
それならあてもなくエンキは何か手掛かりはないかと端末の中のファイルの一覧を適当に見ていると一枚の写真に目が止まった。
それはアヌとウトナがまだ一緒にナノマシーンの研究をしていた頃の二人の写真だった。
懐かしそうにその写真を眺めていたエンキはそのうちある事に気がついた。
エンキ:。。。まさか『オイラの』って言う言葉に惑わされてたけど名前の由来って。。。
エンキ:ウトナの?
エンキ「まさか。。。」
エンキ:そう考えると辻褄が合う。。。
エンキ:この隠しファイルのロックは私達に対してのものだわ。。
エンキの頬を汗が流れる。
エンキ:エルヴィン。。いえ、ウトナは一体私達に何を隠しているって言うの?
その時だった。
突然マミイが研究室に入ってきて急を告げた。
マミイ「エンキ様、緊急事態です。」
エンキ「どうしたの?」
エンキの心に不安がよぎる。
それはこの後、的中することになる。
マミイ「エンリル様が赤いティアマトのオーラを発し始めました!」
エンキ「まさか。。。そんな。。。」
思わず立ち上がるとガターンと言う音と共に椅子を倒してしまう。
うろたえるエンキにマミイは冷静に対応を促す。
マミイ「迅速な対応が必要です。」
エンキは手に汗を握る。
エンキ:やってしまった!エンリルを起こしたのは間違いだった!!
エンキ:どうすればいいの。。。?!
エンキは目の前が真っ暗になる思いがしていた。




