43話 気になる
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詳細が決まったら、活動報告で呟きます♪
これからも宜しくお願いします。
※ラナ視点です
「あぁぁ~、私は何て事を言ってしまったんでしょうか……あれでは好きって言ってるようなものではありませんか……」
私は自室のベッドへと顔を伏せ、一人で叫んでいた。
先程の事を思い出すと、顔から火がでそうです。
顔が赤くなったのが、バレてないといいのですが……
それにしても、何故私はあんな事を言ってしまったのか。
恥ずかしいです。
初めて会った時、盗賊から助けて貰ったときの第一印象は、男の人にこう言うのも何ですが、可愛らしい、優しそうな人という感じでした。
パーティーの最中には、お姉様との言い合いから私を庇ってくれた。
あの時からもしかしたら、気になってたのかもしれません。
そして、昨夜の魔族の襲撃の際、自らの命をかけてまで私を助けてくれた。
本人はそんなつもりなかったのかもしれないですが、私は嬉しかった。
余りの出来事に、その時は怒ってしまいましたが。
だって私のせいでラゼル様が死んでしまったのだとしたら、きっと私は立ち直れなかったと思うから。
極めつけは、ラゼル様の過去を聞いた時です。
あれだけ辛い目に合ってるにも関わらず、そんな面を微塵も見せない。
そんな姿が、生き方が、私にはどうしようもなく眩しく写ってしまった。
多分、いえ、間違いなく私はラゼル様の事が気になっている。
だって、ラゼル様を思うと、胸がドキドキと高鳴り、顔も火照ってしまい、堪らなくなるのです。
それであんな事を言ってしまったんでしょうね。
それに、リファネルさんとレイフェルトさん。
盗賊から助けてもらった時から、只者ではないと思ってましたが、まさかラルク王国出身とは。
しかも『剣聖』と呼ばれている人だとは、思いもしませんでした。
どうりで強い訳です。
ドラゴンを討伐できたのも納得です。
お姉様達ですら勝てなかった、魔族の幹部を撃退したことには驚きましたが。
あの白髪の綺麗な女の子も、ラゼル様と親しい方なのでしょうか?
とんでもない質量の魔術を、連発していたのをみるに普通じゃないのはわかりますが……
魔族の一件は、結局勇者パーティが撃退したことになりました。
ラゼル様達もそれを望んでいました。
余り注目されても、この国で住みにくくなると仰ってましたが、ドラゴンの時点で十分注目されてると思います……
せめて、お父様にだけは事実を告げたいです、そうすれば何かしらの褒美があるかもしれませんし。
そうすれば、もっと豪華な家も手に入るかも。
ファルメイア様に相談してみましょうか。
ラゼル様は、家を買ったらあの女性達に囲まれて暮らすのでしょうか。
姉弟とは言ってましたが、余りに仲が良すぎな気もしますが。
ラゼル様は何とも思ってないのかもしれませんが、レイフェルトさんとリファネルさんの雰囲気からは、私に近しいものを感じました……
考え過ぎですね、姉弟ですもの。
私は何を考えているんでしょうね、気になる人の身内にまで嫉妬心を抱きそうになってました。
それはさておき、次ラゼル様にお会いした時、顔が赤くならないか心配です…………