表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/89

11話 ドラゴン討伐依頼

 


「ちょっと、依頼の許可が出ないってどういうことよ!」


「ですから最初に説明した通りです。依頼にはランクがありまして受ける依頼に対して冒険者のランクがあまりに離れてますと、受ける事ができないのです」


 受付カウンターでレイフェルト姉が騒いでいる。リファネル姉さんはその横で大人しくしている。


 そういえば冒険者登録の時にそんな事言ってたような……一度に沢山の説明をされたから正直全部は覚えれなかった。


「あなただって知ってるでしょ? 私達が白いゴブリンを倒した事! ドラゴンだってそう変わらないわ」


「すいません、ギルドの決まりなので」


 ゴブリンとドラゴンでは強さに相当の差があると思うのだけど……


 諦め悪く受付のお姉さんに食い下がるレイフェルト姉だが、結果は変わらない。

 勇者パーティがいつ来るかもわからない状態なので、依頼を受けたくない僕は、心の中で受付のお姉さんを応援してたのだが。


「構わん。受けさせてやれ」


 奥の部屋からギルドマスターのセゴルさんが出てきた。

 く、流れが変わりそうな気配がする。


「ですがよろしいのですか? ラゼルさんのパーティはメンバー全員がDランクですが」


「それについてはこの前の話通り、レイフェルトの嬢ちゃんをAランクにすりゃ問題ないだろ。どうする ? Aランクにならないと依頼は受けさせてやれねーぞ?」


 レイフェルト姉は一度Aランクになるのを断っている。

 僕も一緒じゃないと嫌とかいってね。

 ランクまで一緒じゃなくてもいいと思うんだけどなぁ。


「ハァ、仕方ないわね。その代わり条件があるわ。もしも私達のパーティがドラゴンを討伐して依頼を成功させたら、他の二人もAランクにしてちょうだい」


「ドラゴンを討伐できたなら、それくらい構わないぞ。討伐できればの話だがな。言っとくが少しでもヤバイと思ったら直ぐに逃げろよ。嬢ちゃんが強いってのはわかるが、それでもドラゴンより強いとは思えない」


「ふふ、あなた嘗められてますよ。あんな蜥蜴よりも弱く見えるだなんて。あー愉快ですわ」


 先程まで静かだったリファネル姉さんの笑い声が響く。

 姉さん、お願いだからレイフェルト姉を煽らないで……面倒臭くなるから。


「ん?あんたは……」

「先程冒険者登録したリファネルさんです」


 受付のお姉さんが答える。

 暫くリファネル姉さんを見るセゴルさん。

 レイフェルト姉の時と同じように強さを見抜こうとしているんだろうか?


「成る程な、こりゃまたとんでもなく強そうな嬢ちゃんがきたもんだ」


 リファネル姉さんの強さも認めたようだ。

 実は剣聖です、なんて言ったら驚くかな。


「聞き捨てならないわね……私がドラゴンより弱いですって? いいでしょう、今すぐに討伐してきてあなたの目が節穴だったと証明してみせるわ」


 ドラゴンより弱いといわれて、少しイライラしだすレイフェルト姉。

 いくらなんでも今すぐには無理だよ。

 色々準備だってあるし馬車だって予約しなきゃいけないだろうし。


「まぁまぁ落ち着いてよレイフェルト姉。まずはドラゴンの居場所や依頼の詳しい話を聞こう、ね?」


「ラゼルが言うなら仕方ないわね」


 そう言いながら僕にくっついてくる。よかった、イライラは何とか落ち着いたみたいだ。

 でもあまりベタベタしないで欲しいな、リファネル姉さんの目が怖いよ。








 依頼の詳細を聞いた後、僕達はギルドをでた。


 本来ドラゴンの討伐というのはまず、ドラゴンを見つけない事には話にならないのだが、今回はドラゴンの棲みついている洞窟がわかってるらしい。

 もうなん十組ものパーティがこの依頼に挑んでいるのだが全て失敗に終わってる。

 事態を重く見た国王は国の騎士団を派遣したのだが、それも失敗に終わった。


 成る程、それであの馬鹿げた報酬って訳か。

 話を聞けば聞くほど、無事に帰ってこれる気がしない。


「さあ準備はいい?行くわよ」


「私はいつでも大丈夫です」


 は? 今ギルドを聞いて出てきた所だよ? 準備も何もないよね?


「いやいや、二人とも落ち着いてよ。話聞いてた? 洞窟の場所はここからだと馬車でも丸1日かかるって言ってたでしょ? それに色々準備も必要だしさ」


 少しせっかち過ぎじゃないかな二人とも。


「フム、馬車で1日ですか。それなら走った方が速そうですね」


「そうね、問題は……」


 二人してこちらに視線を向けてくる。

 走った方が速いって? 冗談だよね? ね?


「「ジャンケン、ポン!!」」


 何を賭けた勝負かはわからないけど、二人はその場でジャンケンを始めてしまった。


「私の勝ちですね。あなたはさっきラゼルにベタベタとくっついていたんだからいいではありませんか」


「仕方ないわね、負けは負けよ」


 結局何の勝負だったんだろ?


「さぁラゼル、お姉ちゃんの背中に乗ってください。」


「へぁ?」


 思わず変な声が出ちゃったじゃないか。


「えーと、何で?」


 意味がわからない。


「ですから目的地まで走って向かうので、ラゼルの足では少々厳しいでしょうから私がおぶって行くことになりました」


 きっとこの姉二人に何を言っても聞いて貰えないだろう。

 僕は諦めてリファネル姉さんの背中に乗ったのだった。




 まさかジャンケンの景品が僕のおんぶ権だったとは……






もうすぐ目標のブックマーク100に届きそうです。


ブックマークしてくれた方々ありがとうございます。これからも頑張って更新するので宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ