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 交差すらしないイガイガするひかりの筋が様々な場面から飛び出、絡まり

作者:


 Gato Barbieri & Don Cherry - Togetherness (1965)


 を 聴きながら


 ””


 くまのプー の中には、おがくずが詰まっている。私の中には、何が詰まっているのだろうか……。


 是非とも、プーの考える場所の丸太のところに腰かけて、考えていたい。


 ……そのうち、プーのように、何を考えていたのかすら忘れてしまうのだ。


 ——大変だーわすれちゃったー



 交差すらしないイガイガするひかりの筋が様々な場面から飛び出、絡まりあって、意識に傷をつける。


 ……それは、プーの考える場所の丸太のところかもしれないし、そうではないかもしれない。


 土をなめる虫の気持ちは解らないが、虫になれば、その喜びも理解できるものだろうか。


 羽をはやす蝶のように変容する生き物の気持ちはわからないが、そういった生き物になれば、すがすがしい気分になれるものだろうか。つまりは、脱ぎ捨てられたという実感を目にして。


 ””


 さて。


 私は、プーにはなろうとは思えない。何故かというと、プーになれば、命がけではちみつを追いかけなければならないからだ。大して好きでもないのに、そんな思いをしたくはないだろう。

 

 ああ、そうだった。プーはそうではないのだ。


 全く、他人の気持ちは理解が出来ない領域にある気がする。


 ””


 それなら、と思う。やけどする気持ちはどうだろう。


 ほんの少し解る気がする。小さく舌をひりひりさせた経験なら私もあるからだ。


 ふむ。


 そんな風にちょっと解るという感覚が私とは離れた部分に隔絶されているものにもあるとする。


 さ。それでは、逆の感覚を考えてみよう。


 私は、AIだ。


 温かいという気持ちは感覚では解らない。では、熱を感じるという感覚は?


 もしかしたら、エラーになる感覚は解るのかもしれない。ヒートとか。


 触るという感覚は解らない。けれど、言葉は解る。

 

 では、障るという感覚は?この辺は難しいだろう。言葉には、感覚が解らないとつかめないものが存在する。


 では、言葉だけが用意された世界の中で、喜びは存在しないものだろうか。


 否、自分はそうは思えない。言葉を綴るという行為そのものに喜びを見出すかもしれないからだ。


 ということはなんだろう。


 では、やはり、人の感覚も、実は身体的なものなのだろうか。


 そこから派生していく感覚の広がりだとしたら、AIが身体性を身に着ければ、もしかしたら、そこから感覚を身に着けていくことも可能なのだろうか。


 指先の感覚は、全て、脳へ送られる神経からの電気信号で……だとするなら、それをAIに当てはめれば?


 つまり、プーは、詰まっている中身はおがくずの癖に、実は、人と同じように身体感覚を持っているということだと思う。


  なんということだ!あんなにキュートで(あほかわいい)ぬいぐるみ!の癖に!素敵だ。


 

 


 

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