制御…失敗?
毎朝、日が出る少し手前くらいの時間で私たちは起きて行動を開始します。
家族総出で一匹確実に仕留めて食事の確保をするのです。まぁ、要は狩りの練習ですよ。いっぱいモンスターさんがいる中で、狙った奴だけをどうやって連れてくるかっていう感じです。
北のエサ場へと走り出します。
…でも、今日はちょっと違う雰囲気です。皆がみんな私をちらちらと気にして見ています。
もしかして、昨日聞いた魔力の圧力…でしょうか?大変です!
ナビさん、魔力制御の説明カモンっです!
【解:自分の周りに漂う跡を感じ、箱に敷き詰め蓋をすれば完了です。】
………ううん。意外とざっくりしてますね。
いえ、やらない訳にはいきません。
とりあえず、感じてみないことにはなんとも言えんのですから。
私は走るのを止めその場に留まります。
意図を察してくれたのか、ディアさんたちフェンリルは止まることなく、エサ場へと向かってくれるようです。
完全にお手伝い出来そうにありませんが、こちらの方がヤバそうなので早々に集中します。
皆の走る音、風が吹き、木々が揺れ草たちを騒がせます。
えぇ、いい風ですねぇ~………。
あっ、違いました何かが周りにいるのを感じないといけないのでした。
………ええ。はい。全く、わかりません。
どうしましょう?
……ぶわわっ。っと強い風が吹き、私の目の前でつむじ風が起こります。その場を凝視していますと、木の精霊さんが現れました。
どうしたのでしょうか?忘れ物……?
あぁ、忘れ物で思い出しました。
もらった木の実頂いたのに食べてませんね!………えっ、その事ではないのでしょうか?なんのご用でしょう?
〈愛されし子よ、彼らと共に行かぬのか?〉
あぁ、私が止まった理由が気になったのですね。すみません。
「魔力を抑えないと皆が辛そうだったから、解決策がないかなぁーっと………」
木の精霊さんにも聞いてみましょう。他にも方法があるかもしれません。
「方法知りませんか…?」
ちらっ。と木の精霊さんに視線を送ります。
何とぞナビさんより分かりやすくお願いします!
〈そのような事か、やっと意識出来るようになったのだな。〉
えらいえらい。っと私の頭をなでなでします。
驚きました。すり寄ってくれる家族のもふもふも好きになってましたが。
手で頭を撫でられる、この気持ち良さ!また別格です。ええ、なんとも久しぶりです。
思わず笑顔になります。緩みきっていないでしょうか?少し心配です。
〈…………っ?!〉
木の精霊は何かに驚かれたようです?
〈…撫でられるのが好きなのか?〉
「ディアさんたちは撫でてくれないので、(やられたら圧死しかねません)何だか嬉しいです。好きなのかもしれません。」
私は素直な感想をのべます。
まだ頭の上に乗っているのに撫でるのを止めてしまった手に、ちょっと期待しながら視線を送ります。
気づいてくれた木の精霊さんはなでなでしてくれます。
ふふっ。嬉しいですねぇ!
あっ、今は緩んでる自信あります。催促に成功したので!
〈制御の件はいいのか?〉
あっ!そうでした。
「お願いします……。」
残念ですが、そっちの方が先でした。しょんぼり……。
〈ははっ。成功したらまた撫でてやろう。頑張るように。〉
おっ!がんばります!!ひゃっほー!
期待にまた笑顔を振り撒きます。
木の精霊も笑顔で制御の説明を開始してくれます。
〈…愛されし子なら大丈夫だとは思うが、我の魔力を視れるようになれば制御は簡単にできよう。〉
……おぉ、何だかそれなら視れるかもしれないです。
人間さんが魔力を集めてる所とかわかりましたもん!視れてました!
集まる前の漂っている方を見つけなくてはいけないという意味なのでしょうか?漂わせる方法………っ?!
まさかっ!!
木の精霊さんの周りに物凄い量の魔力が溢れ出て来て今は視て取れるくらいです。
やはり漂わせる方法って圧力……体外への放出の事だったのですね。
それでも、調整して放出しているのだとわかります。木の精霊さんはこんなものが本気な訳ありません。
ルカくんに怒っているときもっと凄かったですから。
……ゆっくりとですが木の精霊さんはそれを体の内側にある何かにそれを仕舞っていきます。そして、入れるのを止めいつもの木の精霊さんに戻ったと感じることが出来ました。
多少外に纏わせるままにしておくことで自身を認識させている。
ふむ!視れた今ならわかります!
これなら、私にも出来そうです!
たぶん!!!
〈どうだ?出来そうか?〉
「はい!時間かかりそうですが。出来ると思います!」
木の精霊さん視点を自分に置き換えます。
私は森に霧がずっとかかってるのだと思っていたのですが、自身の魔力だったのだと今ならわかります。
これのせいで走るスピードも落としていました。今なら全力で競争出来そうですね!
箱…ええ、容器が大事です。形は何でも良さそうですがイメージしやすいのでやはり正方形の箱が1番でしょう。
そこへ霧を押し込めていきます。
不思議と箱はぐんぐんと吸い込んで行きます。容量無限なのではないでしょうか。
…うぅん?……何でしょう?これ以上は体が動かしにくい気がします。
私は容器に仕舞うのを止めます。
止めただけでは魔力はすぐに出てきてしまいました。
蓋が必要とはこの事なのですね!
密閉するように蓋をしっかりします。
………どうでしょ?!完全に放出を止められました!合格ですよね?
私はドヤ顔で木の精霊さんを見ます!……ですが。
ブンッッ!!!
私を掠めるように木の精霊さんから拳を振り下ろされました。
どう見ても臨戦態勢です?!
「………木の…精霊さん?!」
ど、どうしたらいいのでしょうか?!!!




