1-3《試験と試練》
高校生活が始まって1週間が経った。
今日も双葉高校駅伝部は専用タータンの上で走っている。
タッタッタッタッ
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宮「…『国宝』の話聞かせろよ。」
村「ただでさえ天才たちが違う強豪校に進学しました。」
村「先ず間違えなくその中のどこかが頂点に立ちます。」
宮「決めた!そいつら全員ぶったおして日本一になってやる。」
村「1人では無理です。」
村「…僕は導くもの陰の実力者です。主役キミの際立たせる者として僕も君を日本一にします。」
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宮
宮(ウズウズしてじっとしてらんねー。公式戦じゃなくても何でもいいから早く戦りてー!!)
《翌日 早朝 学校にて》
宮野は早速3年の中島の元に向かった。
中「試合?お前まだ出れないよ。」
宮「……は!?」
まさかの言葉に動揺を隠せなくその反応にも困る。
宮「なんでなん…でっ…すか…先輩?!俺の何が…。」
中「あーじゃなくて (ていうかお前敬語苦手?)」
中「1年生まだ仮入部期間だろ?正式部員じゃねーもん。」
《昼休み / 3⁻A / 12:00》
オレンジジュースを飲みながらスマホ画面を見つめる三鷹。
三鷹の席は教室の後ろドア側だ。
三(今年は特にやばいな…。)
三(世羅、倉重 弦司…。)
宮「キャプテンー!!本入部届をくれ!!」
突然の大声に思わず飲んでいたオレンジジュースを噴き出す。
三「なんだ今日は、かけるもか?」
宮「も?」
三「光もさっき同じことを言いに来たよ。」
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村「…本入部届をください。」
三「ブゥゥゥゥ(いつの間に…)」
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引き出しに手を入れ紙を出す三鷹。
そして
三「まあこちらからすれば即戦力だ。ぜひ入部してくれ。」
入部届を受け取った宮野はもう用済みと言ったばかりに踵を返す。
宮「これで試合に出れんだな!」
三「あーちょい待ち。」
宮「?」
三「受け付けるのは今週の水曜だ。」
廊下を歩く宮野、ふとスマホを見てみる。
世羅高校45回目の都大路出場!!
宮(せら?こんなところが強いのか…。)
村「強いですよ。」
宮「……!!」
宮「テメーはフツーに出ろ!!!!」
宮(マジ信じらんねー、こんなに影が薄いのに走るときはアンナなんて。。。)
宮「ん…。」
自分の世界から戻った瞬間目の前には誰もいなかった。
宮「まあとりあえず…。」
宮(次会ったときぶっ殺す。)
《水曜》
三「よくぞ来てくれたー!!」
1『……。』
宮「アホナノカ。」
村「決闘?」
他1年二人の意見を聞いてやってきた。
宮「とっとと受け取れよ。」
三「その前に…。」
三「全国を目指すものとして、がちで走ること!もし覚悟がないなら同好会があるからそっちに行ってもらう。」
宮「そんなこと…っ」
三「お前たちが速いのは知っている。だけど走るってのはそんなものじゃない。」
三「どんだけ真面目にやっても「いつか」だの「できれば」だのじゃいつまでも弱小のままだ。」
三「そして何より強くなれない。」
三「そのために具体的かつ高い目標それを必ず達成しようとする意志がほしい。」
三「で、だ!!ここはステージ裏、今からステージで学年クラス名前今年の目標を言ってもらう!」
山(聞いてねえ)
栗(いや勧誘の時言っていた)
片
宮「楽勝だぜ!!」
そう言って思いっきりステージに出る幕をくぐる。
宮「……。」
そこには全校生徒がいた。
三「そ言えばそうだったな今日は全校集会だった。」
1〖絶対わざとだ〗
宮「…。」
宮「1-B!30番!宮野かける!『国宝』を倒して日本一になる!!」
全『!!?』
「びっくりしたー、」
「何あれ?」
「よくやるな。」
中(今年もか、予想はしてたけどヤヴァイな。)
田(俺らも去年やったけか。)
体育館が騒がしくなる。
しかし誰も注意しに行くものはいない。
教員は1人も来ていない。
その理由は。
三(弁償代いくらかかるだろうか…。下水だからなあ。明日から用果たせるのか。)
宮野がいい終わり帰ってきた。
三「さあ次は誰が行く?」
『シーン』
三(あれ~光もダメか。)
村「すみません、僕声張るの苦手なんでスピーカーでもいいですか?」
一瞬でこちらまで来た気がしていつものように少しビビる一同。
三「お、おう。」
村「すっ」
先「コラー!!!!!今年もか!?」
三「はやくねえーか!」
その後全員説教を食らった。
《センタッキー/18:30》
いつものように山のようにハンバーガーを買いいつものように同じ席に座る、そしていつものように…。
宮(ちょっと大声出しただけじゃねーかよ。)
村「未遂だったのに僕も怒られました。」
宮「ぶっ(またかよ…)」
宮(店替えよーかな。)
村「あと困ったことになりました。」
宮「ほんとだよ、、ああ!?何??」
村「いきなり約束を果たせそうにないです。」
宮「は?」
村「だって言えなかったじゃないですか。入部できなかったらどうしましょう。」
宮「それはねーだろ。」
宮「…それよりもう一つ、気になっていたんだけど。そもそもお前がここに来た理由は何なんだ?」
村「…。」
宮「お前帝国学園だってな。噂で聞いた、そんな奴が名の知れない学校に来た?」
三「しかも『陰の国宝』がな。」
宮・村「!!」
村「いつの間に。」
三(お前が言うか。)
三「たまたまだよ。」
三「勝つことがすべて。」
村「!!」
三「知ってるだろ?光。」
村「帝国の指導者が言っていた言葉です。」
宮「ってことは。」
三「帝國学園201期生つまりお前の2つ上の先輩_」
指をピンっと上に指して真顔で言う。
三「その中に俺もいる。」
村「どう言う…。」
三「俺が中学2年の時、帝國学園陸上長距離部をやめたのはそんな有名な話じゃないからな。」
村「何故ですか。」
三「俺が邪魔だったんだろう。」
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《帝國学園陸上競技場/ 4年前》
「体操ー!」
全「「「「おっす」」」」
「1,2,3,4-」
全「「「「-5,6,7,8」」」」
1学年約12人の計36人の全国でも有数の強豪校だ。
そんな中でも特に有数の1軍と言われる者たちが練習するこの場所で1人だけ違う場にいた。
監「単刀直入に言う。やめろ。」
素っ気ない声で声の主、帝國学園監督の柴田が頭をぽりぽりとかきながら言う。
三「いやです。俺は走るのが好きです。だから何故やめなければならないのだけ教えてください。」
監「_お前がいると勝つ走りに集中できない以上お前は邪魔だ。」
こうしてこの年の春、退部して帝國学園は更に強くなり全国で神の領域と言われる存在に達した。
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三「まぁ、こう言った感じだ。」
村「そーなんですか。じゃ先輩が居なくなったことで帝國学園は天才が生まれるようになったんですか。」
三「その言い方はちょっとね。でもその通りだよ。」
宮「で、俺はその帝國出身の奴らに勝てるのかよ。」
今まで大人しくしていた駆がここで何十分ぶりに口を開いた。
その顔はかなり険しくまるで餌を与えられていないライオンみたいに今すぐにでも暴れまわりそうだ。
しかしその気配は上手く消している。
三「光からも言われたと思うが、無理だ。」
宮「なんで_」
三「イギリス出身の全国10位の実力を持ってしてもだ。」
宮「なぜ、俺のことを…。」
三「…日本を舐めんなよ、お前が思っている以上にこの国の人間は粘り強くそして努力家だ。」