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17 動きだす

参内してからしばらく経った日のこと、菖蒲の元に太政大臣家からの文が届いた。

一の姫の瑠璃からで、季節折々の挨拶に文を交わす程度の付き合いをしている。

今年15歳となった瑠璃様はますます美しくなり恋文が毎日届いているという、縁談も引く手あまただ。

文には、長らく顔を見せない菖蒲を心配しつつも大納言家の催しには絶対に参加するようにとのお誘いだった。

相変わらず高飛車なのか、

「これは命令でしてよ」

と書いてあり、格下の家柄からは断れない。

先に届いていた大納言家の撫子からの文にも花見兼歌の会を開くからと招待されている。

いつもの会ではなく、趣向を変えてみたからたまには顔を見せなさいと書き添えてある。

断るつもりでいたのに、母にも会には出入りするよう言われているので行くしかないようだ。

「小栗、大納言家のお呼ばれには行くことにするから準備をお願いね」

衣装と車の用意を頼むと、白藍の薄紙に返事をしたためる。

花見はともかく歌の会では和歌を披露することになる、恥をかかないよう前もっていくつか()んでおき祖母に添削(てんさく)してもらわなくては。

久しぶりに会えるだろう姫達のことも懐かしく思いながら、少しだけ楽しくなる菖蒲だった。

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