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アルタワグナー戦記  作者: H氏
シーズン1 皇女慟哭編
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第七機甲精霊師団

サリィオリイフィンは、『ジャンベルネ』のコアのハッチを開け片足を付きだしその片足に手を乗せて、「皇女殿下、ホンコン以来だねぇ!」、と古き愛する友を懐かしむ声でリィーファン皇女に語り掛ける、「サリィ姉さん!」、リィーファンも皇族の身分を越えてサリィオリフィンを姉と呼ぶ、もちろんリィーファンはサリィオリイフィンが何故ここに現れたかを知っている。


そこへ五キロ前方にいた『黒竜』、『白凰』が戻って来た!


バシュウウンンン!!ズシィィンンン!!


サリィオリイフィンは二機の巨人機こそが自分達の目的と言わんばかりに、「来たね!」と言い、サリィオリイフィンは一端目を閉じて意を決意するように目を見開き「皇女殿下積もる話しもあるがドルガーターが看てる!簡単明瞭に言わせてもらうよ!!」、サリィオリイフィンは身を乗り出して続ける「我等が皇国第七機甲精霊師団にきた勅命は二つ!」、彼女は片手を上げて人差し指を出し、「一つはガリィフォン兄皇殿下よりその黒い巨人機に乗っている、共和国の鬼神を殺す事!」


それを聞いたアズマは関心する、「へぇ!ゴローちゃん、皇国から凄い二つ名をもらってるんですねぇ」と他人事そんなアズマをスミカは呆れて、「ありゃ、勘違いだ共和国の鬼神!それは、アズマお前の事だ!!」、アズマは驚き「えっ!!」アズマは始めて皇国が自分を呼ぶ二つ名を知り本当なのかとリィーファン皇女を見るリィーファン皇女もそうですと言わんばかりに両手を前に組みコクコクと頷くアズマは思う鬼神って何その中二病的な呼び方ダサくないか、


サリィオリイフィンは更に中指を立てて、「二つめはオリィフォン次皇殿下よりリィーファン皇女をオリィフォン次皇殿下のもとへ連れて来ること。」


リィーファン皇女は何故私がオリィ兄さんの所に行かねばならないのか不思議に思い、「私がオリィフォン次兄皇の元へですか?」、更にリィーファン皇女はマーシとレインの事が心配でサリィオリフィンに尋ねる、「私が次兄皇の所へ行ったとしてマーシとレインはどうなるのですか?」サリィオリイフィンは首を横に振りながら、「兄皇殿下に殺されるんじゃないかな、兄皇殿下はそうゆう人だ!それに、次兄皇は両殿下には興味がない、たぶん守ろうとはしないはず。」、とサリィオリフィンは真実を答える。


リィーファンは両手を握りしめて、確たる意思を持つ瞳で、「ならば私は次兄皇のもとへは行けません!私がマーシとレインの二人を守ります!」、サリィオリイフィンは微笑んで、「それは正しい判断だそうなると私達と殺り合うしかないねぇ、」


リィーファンは苦しそうに、「サリィ姉様、見逃しては頂けませんか!!」サリィオリイフィンは、再び目を閉じて、「それは、愚の骨頂だ!」目を大きく見開いて大きな声で「皇女!!あんたも皇室の一族、勅命の意味知ってんだろ!部下には、親、子供、家族がいるんだよ!!彼等は、どうなる!!!」彼女は静かに力強く、「私だけの問題じゃあ無いんだよ!皇女殿下!それとも、あんたが皇国を背負って立つかい!!」


リィーファンは更に辛そうに、「私はは、・・・これ以上争いたくはない!それがたとえ非道な兄だとしても!!」、そのリィーファン皇女の苦汁の表情を見たサリィオリイフィンは優しく微笑んで、「ホンコン以降、皇女は戦う事を恐れているそうゆう噂は本当だったね!だから皇王に嫌われた、ホンコン、彼処は皇国も共和国も、阿鼻叫喚の地獄だったからね!二万の人族を妖精族が虐殺し一万の妖精族が一人の人族に舜殺された!!戦いが嫌なるのも当然だねぇ。」


サリィオリフィンの指摘にリィーファンは反論せず皇女はただ俯き震えるのみ、今十二年前の出来事が目の前に浮かび上がるそれは共に戦争を知らなかった少年少女だった頃の悲劇、長い間人族に苦しめられていた精霊族、共和国の巨人機が自分達の精霊機より弱いと知って気が高ぶった皇国ホンコン遠征尖兵隊一万は暴走するその怒涛の進撃はホンコン人族二万の虐殺に繋がりホンコンに地獄が生まれたそれを知った皇国本隊四万の総大将リィーファンは愕然とする!だが周りは戦争だから当然だと気にはしない次に自分達に来る悲劇を知らず、


そして彼等は人族が崇拝する神が降臨した事を知るあれは鬼の神だとその神に尖兵隊は百の巨人を乗り潰し万の精霊機をそのコアをその兵を殺された時彼等は人族の鬼の神の怒りを知る、精霊族は震え上がった次は自分達かとその時リィーファンは立ち上がり全ての罪は我にあるならば我が命を持って神とやらを静めようとそして彼女は三日三晩神と戦い傷つき死を覚悟する、


だが神は自分を見て哭いていた美しい少年の神は哭きながら叫んでいた何故あんな酷い事をしたと彼女は知る己の無知をそして罪の深さを、我の過ちを、生涯を賭けて償わなければならない罪である事を、


震える皇女を見てアズマはこの時始めて皇女もまたあの戦争の被害者である事を知る、


その瞬間、小さな風は突風となりサリィオリイフィンは乱れる髪を手で押さえながら、「話が長すぎたようだね、さぁ始めようか死合いを!!」


今ここに、皇国第七機甲精霊師団と共和国1010小隊の命を賭けた戦いが始まった!


サリィオリイフィンの『ジャンベルネ』が後ろに下がりそれに合わせて『赤黄のダルガルフォン』の猿人型精霊機が前に出る精霊機の右手には精霊斧を持ち、そしてダルガルフォンはサリィオリイフィンに言うそれは覚悟の言葉、「お嬢! 先に行きますぜ!!」、続くは『黄青のゼンゲルフォン』の猿人型精霊機!その精霊機の右手には精霊槍、彼は、「・・・・・・」彼はあくまでも寡黙だ。


ダルガルフォンは『黒竜』に灼熱の精霊斧を打ち下ろす!!『黒竜』は大剣クサナギで受ける!!


ドガァアァアァアァンンンンン!!!


大地が震撼し大火の火花が飛び散る!!受けた『黒竜』は一メータ沈む!!ゴローは叫ぶ「重い!!!」


『黒竜』は連続の斜め水平剣を放ちその全ての連撃がことごとく猿人型精霊機の太い左腕に弾き返される!!


ガァコン!ガガァンン!!ガキィイィンン!!!


ゴローは更に叫ぶ!「硬い!!!」


その戦いを見たサリィオリイフィンは「おかしいねぇ、とても鬼神の攻撃に見えない人違い?それともドルガーターの情報が間違っていた?」と呟く、「まぁ、どっちみち皆殺しにはかわりない!!!」


ダルガルフォンの精霊斧が豪火を纏い高速に『黒竜』を打つ!打つ!!打つ!!!『黒竜』はかわす!避ける!!弾く!!!


ゴローは焦っていた!相手は皇女の知り合い出来るなら殺さず降伏させたいそのためにはコアを避けて精霊機だけを破壊したい、巨人機を使った闘いが戦いとは生死を賭けた命のやり取りである事を理解する事が希薄となり、あたかも自信が巨大な力を得ただから自分には不可能は無い、その思い上がりが自然と攻撃の手を自然と弛める事になっていた。


ダルガルフォンの精霊斧から発する豪火の熱が吹き上がる風と絡み合いついにダルガルフォンの精霊機と『黒竜』を巻き込む巨大な竜巻が発生する!!!


ゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォ!!!


「ゴロー様!!!」コトエも焦る!!只でさえ支援の難しい格闘戦をする『黒竜』に竜巻で視界が遮られる、その焦りが油断を生む!!ゼンゲルフォンの精霊機が手にする精霊槍が『白凰』に向かい伸びる!伸びる!!伸びる!!!


ガキィイィンン!!!ガガァンン!!!


『白凰』の持つ弓形レーザ砲『シラバ』が弾き飛ばされ高く、高く舞い上がる!!!すかさず、ゼンゲルフォンの精霊機は両手で大地を叩く!!!


ズダァァアァンンンンン!


『・・・・・』彼はあくまでも寡黙だ。


沸き上がる氷土が『白凰』の下半身を包み込み『白凰』動けず!!!コトエは音声入力で叫ぶ!「防御フィールド、数三!!!」薄い光の円筒状の膜が三『白凰』を中心に沸き上がる!!!


ガァコン!ガァコン!!ガァコン!!!


ゼンゲルフォンの精霊槍がフィールドを叩くも効果無し、ゼンゲルフォンは精霊槍を背に背負い大山崩す巨腕の一撃をフィールドに叩き込む!!!


ドガァアァアァアァアァンンンンンンン!


繰り返す事十数度周囲に響き渡る打撃音の嵐!!!


ドガァアァアァアァアァンンンンンンン!


ドガァアァアァアァアァンンンンンンン!


ドガァアァアァアァアァンンンンンンン!


遂にフィールドは、限界を越え、


バリィイイイイイイイインンンンン!


一のフィールドが破壊される!!


最大のピンチを向かえた『黒竜』、『白凰』!!


吹き上がる竜巻はいまだ止まず、


荒れる大地はサリィオリイフィンの、リィーファンの心をただ映すのみ。



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