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Book Dive  作者: カオス
6/28

出逢い3

{神崎side}



「いらっしゃい!! 今日はどういった用件だい?」



 多種多様な武器が置かれている少し古びた店内に、店主の元気な声が響いた。



俺達は集会所を出た後ウッドに連れられ、武器・防具店に来ていた。勿論目的は俺達の装備を整えるためにだ。



「店主! 族長命令でこいつらに武器を与えることになった。――さぁ、好きなものを選べ。費用などは気にするな」



「おおぉぉぉ! 武器がいっぱいだぞ神崎! どれにしようかなぁ~……」

 


 雨宮は息巻いているが俺は困惑していた。なぜなら武器など使用したことはないからだ。



黙って傍観しているとウッドが不思議そうにしながらこう言った。



「まさか武器を扱ったことがないって言うんじゃないだろうな…?」



「そのまさかだ」



「――そんな奴がこの世界にいるのか!? この村ではお前らよりはるかに小さい餓鬼でも武器を持っているって言うのに。――っち。めんどくせぇ。俺が手伝ってやるから興味のあるやつを持ってい!」



 ウッドにそう言われ、俺と雨宮は其々武器の物色を始める。



俺は正直なんでもよかったので、一番初めに目に入った武器をウッドの元へ持って行く。



「なんだ? も う決まったのか? よし、見せてみろ…………なるほど。ロングソードか。お前の体格では少し扱いづらいかもしれんが、いいんじゃないか?」



「そうか。ならこれでお願いする」



 ――この茶色の鞘に納めらた武器はロングソードと言うのか。たしかに他の剣より刀身が長いな。刃物なんて包丁や果物ナイフしか握ったことのないからか、とても長く感じられる。刀身の太さも三、四センチメートルはあるだろうか。



「けっこう重たいな……」



「扱いづらいかもしれないと言っただろう? だが、使っているうちに慣れていくだろう」



 俺がロングソードの握り心地や感触を確かめていると、雨宮も決まったらしく布に包まれた細長い棒のような武器を持って来た。



「お前も決まったのか? どれ、見せてみろ……」



雨宮が武器を覆っていた布を剥ぎ取ると、日本人なら誰もが見たことのある武器――刀が姿を現した。



真っ黒の鞘に収められ、独特の形をした武器。刃は片方にしかついておらず、その刀身は怪しい輝きを秘めている。



「これは……刀か? 俺も見るのは初めてだな――」



 ウッドは珍しい物なのか、嘗め回すように刀を見た。



「面白い武器だが……素人のお前だと使い勝手が悪いんじゃないか? まぁ、どうしてもこの武器がいいのなら止めはしないが?」



「私の意見は変わらない! これで大丈夫だ!!」



「わかった。お前が何を選ぼうが俺には関係ねぇからな。だが、扱いには充分に注意しろよ?」



 ウッドは雨宮が頷くの確認すると店主の元へ行き、腰にぶら下げていた巾着袋から硬貨のようなものを取り出した。



店主はそれをペコペコしながら受け取る。その光景を傍観していると雨宮が話しかけてきた。



「きみはどんな武器にしたんだい?」



「ん? 俺か? 俺はこれだよ」



 右手に持っていたロングソードを見せると、雨宮は真っ黒で綺麗な目をキラキラさせながら声を上げた。



「おぉ! いかにも武器ってかんじだな! こんなもの現実世界では見れな

いぞ!? なんでこの武器にしたんだい?」



「別に理由はない。お前こそなんでその刀にこだわるんだよ? 大和魂ってやつなのか?」



「うーん……なんでだろう?」



「俺が知ってるわけねぇだろ」



 俺が呆れた顔をすると雨宮は笑みを浮かべ、落ち着いた声で言った。



「実はな私は剣道をやっていたんだ。だから真剣も何度かは使った事があるんだよ」



 雨宮の意外な特技に俺は面食らったが納得する。



「お前ら、そろそろ行くぞ!」



 ウッドは既にに会計を終わらせており俺達は外に出る。



雨宮は自分達の案内役についてウッド尋ねると、彼は頭をかきながら唸り声を上げた。



「実はな……湖に化け物がいることがわかってから、村の連中は誰も近寄ろうとしねぇんだよ。まったくふざけたことだがハンターも同様にな。お前らも見ただろう? 集会所にいた飲んだくれ達を」



「もしかして、あの連中は怖さを紛らわすために酒に溺れていたのか?」



 雨宮は冗談のつもりで言ったが、ウッドの情けない顔を見れば冗談ではないことは明白だった。



彼女はその表情に困惑し、ウッドも申し訳なさそうに俺達を見る。



俺はそんな二人の気持ちを代弁するかのように喋る。



「そんな化け物を俺達みたいな子供に討伐させようってのか?」



「――――――――すまねぇな。俺もこんなことには反対なんだが、族長には逆らえねぇんだ」



 途端に謝罪を述べるウッドに雨宮は明るい声で「別に自分達は気にしていない」と言い放つ。



彼は俺達の表情を見ると、目を見開く。そして、ぼそっと感謝の意を述べた。



「それで誰が一緒に行ってくれるんだ?」



 俺が再度同じ質問を振ると、ウッドは腕を組み頭を悩ませる。



「うーん。――そういえば湖の化け物に興味を持っていたやつがいたな」



 その人物について詳しく説明を求めると、どうやらその人物と はつい最近に他の村から来たハンターらしく、些細なことからウッドはその人物と仲良くなり、集会所で酒を飲んでいる時に化け物のことを話したらしい。



すると、そのハンターは異様その話にな程食いつき、その場所の行き方まで詳しく教えてくれと懇願したそうだ。



「今そいつは何処に?」



「わからない。湖の話をした後ぱったりと消息が途絶えたんでね。たしか、髪の色が金色でヘラヘラとした奇妙な奴だったな」



「金髪か……。結局そいつも案内ができないじゃないか」



「まぁ、そう落ち込む……」



 刹那、おぞましい叫び声が全身を震わせた。



何事かとウッドの顔を見ると、口を大きく開き目を見開いた表情で固まってしまっていた。



雨宮が焦った声を絞り出す。



「なんだ! 何の声だ!?」



「――――奴だ。湖の化け物の叫び声だ!」



「なんだって!? 湖はそんな近くにあるのか……?」



「……くそっ! そんなわけねぇだろっ!!」



 ウッドは足を震わせ、厳しい表情で唇を噛む。雨宮は困惑した様子で辺りを見回した。



「俺は族長のもとに行く! お前らも死にたくなかったらさっさと逃げろ!!」



 そう言うとウッドは全速力で走って行ってしまう。



俺はその姿を呆然と見詰め、脳内では今の状況を必死に整理する。雨宮が言葉を漏らす。



「何が起きているんだ……?」



「おそらく、なんらかの原因で湖の主がこの村に近づいて来ているのだろう。俺達も逃げた方がいいんじゃないか?」



「――いや。逃げるわけにはいかない。これが支配者の本が原因だという可能性もある。ならば私達が逃げるわけにはいかないだろう? まぁ、きみまで強制はしないが……?」



「今更何言ってんだよ? 無理やり巻き込んだくせに」



「ふふふ。それもそうか。それじゃ、きみも来てくれるんだな?」



 俺は、雨宮の輝きを秘めた目をしっかりと見詰め頷く。彼女はそれを確認すると笑顔を浮かべ、スキルブックを出した。



そして、先程作成した地図で湖の場所を確認する。



「湖は北に真っ直ぐ行った場所にあるようだ。よし! 場所は覚えた! さぁ、行くぞ!」



 雨宮は刀をスキルブックの上にかざし、『武器よ己の姿を変換し、我が操りし技能書に収集されよ!』 と中二病全開の台詞を放つ。



すると刀は緑の光となって本の中に吸収されていった。



俺も同様にスキルブックを出し、見よう見まねでロングソードはBDエネルギーに変換させ、スキルブックに吸収する。



「神崎! お前~。なんで言葉に出して言わないんだよ! 私がせっかく考えた台詞なのに!」



「誰が言うか。――てかお前が考えたのかよっ」



 とつっこむと雨宮は悔しそうに唸った。



「本当は意地でもきみにあのかっこいい台詞を言わせたいが……今は湖の化け物がギリギリ優先だ。行くぞ!」



 そう言うと雨宮は村の出入口へ向かって走り出す。



俺は心の中で「どんだけあの台詞言わせたいんだよ」 と思いながらも雨宮の背中を追った。



 化け物の叫び声が聞こえる度に村人は耳を塞ぎ、地面に蹲っていた。



中には大きな台車にたくさんの物を詰め、持ち出そ

うとする人までいる始末だ。



村人の中には湖の化け物を見たことがない者もいるはずなのに、異様に恐怖するのは普段から多種多様

のモンスター達に襲われているからなのだろうか?



俺達は村人達を気にしながらも出入り口へと行き着く。そして、狂気が渦巻く森へと侵入して行く。



雨宮はもう完全に地図を把握しているのか足を止めることはなく、走り続ける。



すると大きく開けた場所に出た。俺達は眼前に広がった光景に狼狽した。



 目の前には、毒々しい紫色の体をした巨大なタコのような化け物が何本もの足をクネクネさせていた。



タコの大きな二つの目玉は充血し、正気を失っていながらもある一点を見据えていた。



 視線の先には、この世界では見ることのない服装を着た二人の男女。



歳は俺達と同じくらいだろうか。少女は腰を抜かしたのか地面にしりもちをつき、もう一人の青年はその少女を守るのように目の前に立ち、化け物を睨みつけている。



「雨宮。あれって……?」



「あぁ。服装からしてこの世界の者ではないな。あれは現実世界の者だ。おそらくダイバー……」



 今の段階ではあの男女が敵か見方かわからないため、俺達は下手に動くことができずに様子を窺う。



巨大な紫ダコは気色の悪い奇声を上げると、クネクネと動かしていた足を男女に向けてなぎ払った。



俺は雨宮のダイバー固有能力を目の当たりにして

いるため、あ の男女もそう簡単には死なないだろうと高をくくっていた。



しかし――――――――



「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 


 女性の悲鳴が森の中に響き渡る。咄嗟に視線を戻すと巨大なタコの足が青年に直撃したところであった。



青年は地面を何度も転がりながら此方に吹っ飛ばされてくる。咄嗟に雨宮は駆け寄る。



「おい! 大丈夫か!? しっかりしろ!」



「ぐぁ……。俺のことは……いいからっ。すずをっ……! すずを助けてくれ…………」



 青年は最後の力を振り絞って言葉を放ち意識を失った。



すずとはおそらくあの少女のことなのだろう。雨宮は彼を地面に寝かせると激昂した。



「あのタコ野郎……! ゆるさない!! 神崎! この青年のことは任せたぞ!」



雨宮はスキルブックを出現させる。巨大タコは再度奇声を上げ、気色の悪い足を今度はしりもちをつく少女になぎ払おうとする。



雨宮は咄嗟にマジックワールドのドラゴン戦で見せた能力を発動した。



 すると、かなり高濃度な風雷が雨宮の周りに纏わり付き始め、化け物の足がすずという少女の全身を捉える瞬間。



隣にいた雨宮は何時の間にか消失しており、彼女の目の前に移動していた。



 巨大な足は振りぬかれ、バットを振った時の数十倍の風きり音が静寂に包まれた森に轟く。



しかし足は空をきり、正気を失ったタコは両

眼をキョロキョロとさせた。



俺も雨宮の姿を見失ってしまった。



「ふぅ……。どうにか間に合ったな」



 突如、背後から雨宮の声が聞こえ後ろを振り向く。


すると、彼女はすずと呼ばれていた少女を抱え平然とした様子で立っていた。



「お前いつの間に……!」



「はっはっはっ。どうだ! 私の能力は? こんなこともできるんだぞ??」



「本当にふざけた能力だな――」



 雨宮は俺の返答にニコニコすると、抱えていた少女を青年の横に寝かせる。



「このすずという少女も気絶していしまったようだ……。まぁ、しかたないか」


雨宮は母親のような穏やかな表情で気絶する二人を見た後、一変して低いトーンで言葉を漏らす。



「あの化け物は許すわけにはいかない……」



「何故そこまで怒っている? こいつらはただの他人だろ?」



 俺の発言に雨宮は驚愕し、そして悲しみを得た目をしながら口を開く。



「しんざき……! そうか――。きみはそこまで支配されていたのか……」



 ――支配? 雨宮は何を言っているんだ? 他人を助けないのがそんなにも可笑しい事なのか? 俺は何故雨宮のように、この青年達を助けたいと思えないんだ?



 その答えを考えようとすればするほど俺の心は冷めていく。



少しの間俺達は対極の目で見詰め合っていたが、雨宮は俺から視線を外し、スキルブックから刀を出現させる。



「私はあいつをどうにかする。きみはその子達を見ていてくれ」



 咄嗟に雨宮を引きとめようとしたが、既に彼女はもの凄い速さで巨大タコに向かって走りだしていた。



纏わりついている雷風が帯のようになびき、普通の人間が出せるスピードでない速さで駆け抜ける。



巨大タコは奇声を発しながら彼女に向けて攻撃を

開始した。



「ギュオオオオオオオォォォォ」



 巨大タコの足が地面を抉る中、雨宮は迫り狂う八本の足を華麗に避け続けて目の前まで行き着く。



敵は即座に毒々しい紫の足を振り下ろしたが、その足が直撃するよりも先に雨宮は刀を構え、巨大タコの顔がある上空へと移動していた。



「はあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



 雨宮の持つ刀には高濃度の雷風が渦巻き、一メートルもない刀身が、纏わり付いた雷風により巨大な剣のように変化していた。



それは二十メートルはあるであろう巨大タコを両断できる程の大きさ。彼女は雄叫びを上げながら振り下ろす。




 一瞬の出来事であった。雨宮は刀を振り抜くと、落下中一回転し地面に着地する。



巨大タコは悲痛な叫び声を上げ、多量な血しぶきと

共に徐々に左右に裂けていった。



彼女は勝利を確信しているのか、背後を振り返ろうともせずに此方に戻ってくる。俺達の元へと辿り着く頃には巨大タコは絶命していた。



 雨宮は何事もなかったように刀をスキルブックの中に吸収させる。



純白の際どい服には一滴の血すらついておらず、息すらも乱していなかった。



「お前……やっぱりとんでもないやつだな」



「そんなことはないさ。全て私の能力のおかげだ。――そん なことより二人の容態はどうだ?」



「まだ気絶している。俺は医学の知識がないから詳しいことはわからないが……」



「それもそうか。化け物の討伐も終わったし村に一旦……」



 刹那――――雨宮の純白の服がまるで赤いインクを垂らしたように真っ赤に染まった。



「ぐあぁっ………………」


 

咄嗟に雨宮の背後を見ると、モグラのようなモンスターが地中へと戻る瞬間であった。



彼女の右わき腹は鋭利な爪痕残っている事から

、先ほどのモンスターの仕業なのは明確だ。



原因の敵の姿は既に視認できず、代わりに気色の悪い笑い声が耳の中に入ってくる。



「ぎゃはははははは。もろにくらいやがったぜ! だっせぇなぁ~。流石ランクGのカスなだけあるぜ!!」

 


 声のした方に視線を向けると、金色の髪をツンツンと立たせて、病気のように青白い顔した青年が此方を見ていた。



隣には体の半分を地面に埋め、両手に鋭い鉤爪を持つモンスターが顔を出している。



鉤爪からは真っ赤な血が滴り落ちていた。



「くっ……。お前は何者だ……!」



 雨宮はわき腹を抑え、狂気じみた顔をする男を睨みつけて声を張り上げる。



男は狂ったようにひとしきり笑うと口を開いた。



「くっくっく。俺様が誰かって? ――いいだろう教えてやるよ。俺様の名はガンマ! この世界で最も強く! 最もいかれた組織であるギリス政府に所属する者だああぁぁぁ!! 覚えとけカスども!! ぎゃはははは」



 ――ギリス政府? 最もいかれた組織だと? それに気になること はまだある。さっき奴は俺達の事をランクGのカスって言ってたな? 



――まてよ。そう言えばそんな事が書かれていたような・・・



『5,ブックダイバーにもランクの概念が存在し、最低ランクがG、最高ランクがSの8ランク存在する。ランクは多くの本を制覇する事であげることができる』



 ――そうだ。この世界にはランクという概念が存在するんだったな。全く気にしていなかったが、ランクが強さの基準なのだろう。


そしてランクGは最低ランク。それ故奴を俺達を見下した。それなら奴のランクは……?



雨宮はギリス政府とやらのことを知っているらしく、険しい表情をしながら言葉を漏らす。



「まさかこんなところで奴らに会ってしまうとは……」



「なんだと? いったいギリス政府とはなんだ?」



「きみも薄情な奴だな。愛しの私が傷ついていると言うのに……。心配ぐらいしたらどうだ?」



「――――すまん。大丈夫か?」



「ふふ……。素直でよろしい。傷は深くはない。あの爪で引っ掻かれただけだからな」



 そう言うと雨宮は楽な態勢に変えた後、話を再開した。



「この世界には大きく分けて三つの勢力に分かれている。残虐な悪事を行う組織である『ギリス政府』。そのギリス政府に対立する平和の組織の『エスポワール』。そして、どちらにも属さないダイバー達の三つの組織に」



「なら、あいつはそのギリス政府のダイバーだと言うのか?」



「そうだ。奴のコードネームを聞いて確信した」



「コードネーム?」



「きみも聞いただろう? 俺様の名はガンマ。と奴が言ったのを。ギリス政府の連中にはそれぞれコードネームが与えられるらしい。しかも、奴はギリス政府の中でも幹部クラスだ」



「なぜ幹部クラスだとわかるんだ?」



 ――奴のコードネ ーム何処かで聞いたことがあるような気がするな。



「ギリス政府は巨大な組織だ。多くの人間が所属している。幹部の数は24人。幹部達にはギリシア文字にちなんだコードネームが与えられる」



「なるほど。聞いたことがあると思ったらギリシア文字のことだったか」



「――っち。ギリス政府の下っ端ならまだしも幹部とは運が悪すぎる……。幹部クラスは私達のような低ランカーには厳しいぞ……?」



「そんなにやばい奴なのか? 俺達の会話を待ってくれてるのに?」



「きみにはあれが良い奴に見えるのか?」



 ガンマの方へ視線を向けると、彼はショートソード出現させ、刀身を触りながら雨宮を舐めまわすように見詰めていた。



さらにはブツブツとと独り言を呟いているのが聞こえる。



「――どこから切り裂いてやろう? まずは足を斬って、次は両腕を……。ぐふふ。それともあの巨大な胸を削ぎ落としてやろうか? くっくっく………………」


 ガンマは目を血走らせ恐ろしい言葉を続ける。雨宮はそれを聞いて心底嫌そうな顔をすると、彼はさらに興奮した表情でこう言った。



「いい顔だぁ……。――だめだ……もう…………もう我慢できねぇ! いくぜえええええぇぇぇ!!」



 ガンマを叫び声を上げると、此方に向かって物凄い速さで襲い掛かってくる。



狙いは勿論雨宮。俺にはいっさいの興味を持っていないらしい。



距離を詰めたガンマのショートソードが容赦なく雨宮の右わき腹を狙う。



彼女も咄嗟に刀を出現させ、なんとか初手を防ぐ。



――カキン。と金属と金属が衝突し合う独特の音が鳴り響く。



「ひゃっはっはっははは!! おらおらおらああぁぁ!」



 雨宮は必死に攻撃を防ぐが、相手は俺達と違い戦い慣れしており、さらには力も雨宮よりあるため徐々に圧されていった。



「――っく!!!」



 ガンマの首への攻撃を防いだ際、先程モンスターにやられた傷が開き、雨宮は呻き声を漏らした。そして一瞬の隙が生まれる。



その隙をガンマは見逃さすわけもなく、血が滴るわき腹に強烈な蹴りが直撃した。



「あああぁぁぁぁぁ」



 雨宮は悲痛な叫び声を上げながら地面を転がる。



ガンマ が追い討ちを仕掛けようとするが、彼女は吹っ飛ばされる寸前に能力を発動していたため、ガンマの周りに渦巻くように雷風が襲い掛かった。



その隙に、彼女はなんとか態勢を立て直そうとする。しかし、立ち上がることができない。



そのため渦巻く雷風をさらに強め、ガンマの動きを封じる。



 俺はそんな光景を呆然と見詰めていることしかできなかった。



血を流しながらも必死に戦う雨宮。その姿を見ても俺の心は何かに抑えつけられているかのように動かない。



 雨宮がさらにBDエネルギーを使用し、能力を強めようとした直後。



彼女の背後の地面が動きを見せたのが俺の視界に入った。



そのことを伝えようとした時は既に遅く、モグラのようなモンスターの鋭い鉤爪が、彼女の背中を切り裂く。



綺麗な白い肌が血に染まり、突然の激痛により能力の維持が不可能になったことでガンマを襲っていた雷風が消え去る。



「このくそあまがぁぁぁ!! よくも! 俺様を傷つけやがったなあぁぁ!」



 ガンマの方を窺うと、雷風によりところどころ服は焼け焦げ、体には多くの傷がみられた。



彼は怒り狂いながら雨宮に近づく。彼女は苦しそうな顔をしながらもガンマを睨む。



そんな彼女をあざ笑いながらガンマは辛辣な言葉を述べた。



「何が起きたかわからないって面してるな? ギャハハ。そそる顔だねぇ~。いいだろう。俺様の素晴らしい能力を教えてやろうじゃないか!」



ガンマは高らかに笑うと、雨宮の綺麗な黒髪を強く引っ張る。



そして耳元で、今まで以上の大声で自身の能力について自慢げに語りだした。




「俺様の素晴らしい能力は精神干渉マインド インターフェアレンス!! お前らのような知能の低いカスの精神に侵入することができる! わかったこのくそあまがぁ!?」



 そう叫ぶと、雨宮の顔を乱暴に地面に叩きつけた。



彼女は苦痛に顔を歪め、俺は相変わらず助けようという気持ちが芽生えることもなく、冷静に状況を分析していた。



 ――精神干渉。なるほど。あのモンスターは奴に操られているというわけか……。

 


「ギャハハハ。いいぞ、いいぞぉ ! 良い顔だぁ! もっと苦しめ! そして悲痛な顔を俺様に見せてみろ! ふはははは! そうだ。お前に俺様の能力を肌で感じさせてやろう!」



 ガンマは満面の笑みを浮かべながら自身の手をかざす。

 


「さぁ、お前の奥底に潜む恐怖をさらけ出せ! そして俺様をもっと興奮させてくれ! 能力発動――精神干渉!!」



「――――きゃあああああああああああああああぁあぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」



ガンマが能力を使用した途端、雨宮は甲高い叫び声を上げた。



頭を抱え、もがき苦しみながら何度も何度も地面を転がる。



ガンマはそんな彼女を見て気色の悪い笑みを浮かべ、ショートソードを構えた。



「なんて良い顔だあぁ! 全身を刺激するだろう? それが恐怖! そしてお前の弱さだ! さぁ、もっと苦しめえぇぇ」



 ガンマはショートソードを雨宮の綺麗な肌に当て、何度も滑らせる。



長時間苦しめるためなのか深い傷はなく、絶妙な力加減で斬っている。



俺はその光景から何故か目を離すことが出来なかった。


 飛び散る真っ赤な鮮血。その一滴、一滴が視界に入る度に心が熱くなる。



そして、ガンマは地面を転がる雨宮を嘗め回すように見た後、ショートソードを彼女の喉もとに当てた。



「ぐっふははははは。もうだめだ……。だめだよぉ~。殺りたい――。殺りたい……。殺りたい! 殺りたいぃぃぃぃぃぃ!!」



 ガンマは荒れ狂い、喉元に突き刺すように剣先を引いた。すると、俺の冷えきっていた心臓がドクンと、激しく脈を打った。



体の奥底から激しく燃え滾る感情。身体中が燃えるように熱く火照る。そして、先ほどまで何かに押さえつけられて いた気持ちが脳を刺激する。



もう一度雨宮から鮮血が散ったのを見たことで、俺の感情は火山の如く噴火した。



しかし、その感情以上に心に溢れていた気持ちがあ

った。



 それは――――『雨宮を助けたい』という強い気持ち。



 刹那。知らずのうちにスキルブックが手元に出現し、溢れんばかりの白い光が本から溢れ出る。



俺の口からは無意識に言葉が漏れた。



「内に秘められし己の強さを糧に我に万物を凌駕する力を与えよ。能力発動――封印されし意思の強さ(パワー オブ ソウル)」



 ドクン。ドクン。と心臓がさらに激しく鼓動し、全身に力が漲ってくるようだ。



そして瞬刻の間に俺は距離を詰め、ガンマの頬に拳をめり込ましていた。



「殺させはしないっ!」



「うぐっ……!!」



 ガンマは三、四メートルほど吹っ飛び、困惑した表情で此方を見る。



そして、拳に痛みを感じながらも思考をしている俺の姿を確認すると、怒りに歪めた顔で叫んだ。



「てめえええぇぇ! この糞ガキがあぁ!」



 俺はガンマの声にはいっさい耳を傾けずに、地面で荒い息をしながら横たわる雨宮に声をかける。



「雨宮……。大丈夫か?」



 雨宮は先ほどよりはいくらか落ち着いた表情で言葉を漏らした。


「はぁ、はぁ……。し…………しんざきっ。――すまん。助かった……」



 ――ガンマを殴ったことで精神干渉が解除されたようだな。



「気にするな。後は俺に任せて、お前はゆっくり休んでいろ。わかったな?」



「ふふ……。きみに助けられるとは。わかった。後はまか――――」



 雨宮は最後まで言い終わらないうちに気絶してしまう。



俺は安心しきった表情の彼女を抱え、青年達の横に寝かした。



そして未だに汚い言葉を吐き続けるガンマに視線を合わせる。



「よくも俺の邪魔をしてくれたな? くそガキ……! ゆるさねぇ。ゆるさねぇぞかすがあああああああぁ!!!」



 ガンマは、雨宮との戦闘で見せた時よりもはるかに速いスピードで、此方に襲い掛かってくる。



先ほどまでの俺なら捉えきれる速さではなかっただろう。



しかし、今の俺は能力により身体能力、思考能力、五感の全てが大幅に上昇しているため、ガンマを見失うことはなかった。



 ガンマは眼前まで接近すると、ショートソードを右首筋に振るった。俺は冷静に刀身を見据え、首を後ろに仰け反らせ避けた。



その姿はま るで何度も戦闘を繰り返して来たかのような立ち振る舞い。ガンマはさらに刀身を加速させ、水平に振るう。



その攻撃は後方に飛ぶことで回避した。


 繰り広げられる連続攻撃。幾度なく迫る攻撃を俺は自分でも目を見開くくらい簡単に避ける。



ガンマは怒り狂い、雨宮の血が垂れる剣先を俺の心臓目掛けて突いた。



「おそいっ!!」



 俺は体を横にそらし避ける。ガンマは避けられるとは思っていなかったのか態勢を崩した。



俺は即座に勢いをつけた拳を腹にめり込ませ

た。



「ぐはっ……!」




ガンマの全身はくの字に曲り、口から血が流れ出る。



さらに動きが止まったガンマに後ろ蹴りを繰り出して吹っ飛ばした。



 ――予想以上に体のあらゆる機能が上昇しているみたいだ。奴の動きも遅く見えたし、筋力も大幅に増加している。これが俺の能力なのか。



 俺は自身の戦いぶりに驚き、追い討ちを掛ける事を忘れてしまった。



その隙にガンマは距離を取り、殺意の篭った目をギラギラとさせていた。



「くはっ……。はぁ、はぁ。――このザコがぁ!! 俺様がこんな奴にっ……! も、もうこんなチャンスはないぞくそガキ! まずはお前を殺す! そしてあの女のように苦しめ! 能力発動――精神干渉!!」



 突如、ガンマの体から異質な気のようなものが溢れ出し、こちらに向かって高速で迫る。



能力が上昇した俺でも捉えることができない程の速さ。異質な気は吸い込まれるように俺の体の中へと侵入した。



それを確認するとガンマは狂ったように笑う。



「あひゃひゃひゃひゃ。これでお前も終わりだあぁ!! お前の恐怖を俺に見せ………………っ!」



 ガンマは笑みを浮かべていた顔真っ青に染め、焦りの混じった瞳をさせた。



「なんだと……何故 何も起こらない!! くそっ。くそぉ! なんで侵入できないんだあああああぁ!!」



 どうやら先程の異質の気のようなものは、奴の能力だったらしい。



しかし、何故か俺は雨宮のように侵入されなかったようだ。



ガンマの顔からは今までの余裕が消え去り、狂ったようにブツブツと言葉を漏らし始めた。



そして、再度奴の体からは異質な気が放出され俺へ迫る。しかし、俺にはなんの変化も見られなかった。



「俺様の能力が通じないだと……! なぜだ――。なぜだっ――。 答えろっ!」



「そんなのしらねぇよ」



 俺がそう答えると、ガンマは顔を怒りに歪め唇を噛んだ。



口からは血が滴り落ちているが気にする余裕がないようだ。

 


 ――何故俺には奴の能力が効かない? まぁ、どんな理由にせよラッキーだったな。



 俺はスキルブックを出現させ、中に収集していたロングソードを取り出す。



「お前の能力ことなんて俺には興味ない。――さっさと剣を構えろ!」



 剣を構えガンマを見据える。彼は俺に対して恐怖しながらも狂ったように叫ぶと、彼異質な気を四方八方に飛ばした。



すると、その直後、深い森の奥から何匹もの猛獣の唸り声が聞こえてきた。



「ぎゃはははは! 例えお前に俺様の能力が効かなくとも、この世界には腐るほど知能の低いカスどもがいる! 俺の戦力は無限大だ!!」



 次第に森の中からは多種多様のモンスター達が姿を現し、俺を取り囲んだ。その数6体。



どのモンスターも正気を失った目をしており、敵意を剥き出しにしている。



 ――流石にこの数はやばいな。しかし、俺に逃げ道はない。それにしても人のためにここまで行動しているとは、まったくもって驚きだ。



 脳内には雨宮を助けたいと思う気持ちがさらに強くなって駆け巡る。



そう思う度に、ロングソードを握る手に力が篭った。一度、息を吐くと言葉を漏らす。



「いくぞ!!」



 背後から感じた気配。俺は咄嗟に回転斬りを行う。それによって飛び散るモグラの化け物の頭と血しぶき。



能力により五感も大幅に上昇しているため、今の俺は微かな獣の気配も即座 に感じることができるらしい。



血が飛び散る中、俺は次のモンスターに襲い掛かる。真っ黒な体毛を纏った四、五メートルはあるであろうネコのような化け物だ。



「ギャアァァァ」



 ネコの化け物は俺に向かって鋭い牙を露にしながら飛び掛ってきた。



飛んだことによって化け物の下にできた隙間に、俺はスライディングをして滑り込む。



そして、ロングソードを真っ黒な体毛に覆われた腹に、力一杯突き刺した。



 スライディングの勢いもあり、化け物の体をいとも簡単に真っ二つに切り裂いていく。



途中ゴリゴリと骨を切った音が耳を刺激したが、

別段気にするわけでもなかった。



そして化け物は体液を撒き散らしながら絶命する。



「あと4体!!」



 手に持つロングソードをさらにきつく握り締める。



左右から迫る白い糸のような攻撃を上に飛び回避する。



攻撃方向を見ると左右に一体ずつ巨大な芋虫が、口から糸を吐き出しているのが視界に写る。



咄嗟にロングソードを左にいる芋虫の化け物に投擲する。



ロングソードは空を切りながら飛んで行き、芋虫の頭へと突き刺さった。



もう一体の芋虫の化け物は、地面に着地した俺に向かって白い糸をなぎ払ってくるが、既にその場を離れていたため地面を抉るだけであった。



「これであとにたいっ!」



 そう言いながらもう1体の芋虫の眼前に近づいた俺は拳に力を込め、化け物の頭部を殴りつける。



拳は頭部を貫き、紫色の気色の悪い体液が俺の体に降りかかった。



 次のモンスターへと視線を移そうとした直後、まるたのように大きいこん棒が直撃し俺は後方に吹っ飛ばされる。



今の俺には充分に避けられる速さだったが、武器の回収のためわざと攻撃を喰らったのだ。



「よし! 計画通り!!」



 吹っ飛ばされる勢いで投擲したロングソードを引き抜き、5メートルはあるであろう巨人に向かって駆ける。



見るからに頭の悪そうな巨人は、やけくそにこん棒を振り回した。



左から迫るこん棒に俺はタイミングよ く飛び上に乗る。



巨人は俺を見失い両眼をキョロキョロさせている。



「ノロマめ」



 俺は巨人の首もと目掛けてロングソードを力一杯水平に振るった。



能力がさらに増していたのか、ネコの化け物を斬った時とは違い、豆腐を斬るかのようにスッパリと巨人の首を両断することに成功する。

 


「次でラストだ!!」



 こん棒の上から地面に飛び下り、敵に剣先を向ける。最後は、マジックワールドで見た時の真っ赤なドラゴンを、小さくしたような感じのモンスター。



 ――あれは見たことがある。たしか名前は――――ワイバーン。



 ワイバーンは大きな翼を広げ威嚇し、俺はその姿を見据えながらジリジリと歩み寄っていく。



先程までの戦いが嘘のように、場が静寂に包まれていた。




刹那、ワイバーンのギザギザの鋭い牙が並ぶ口から、炎が噴射された。



その炎を避け、懐に入ろうと試みる。しかし、今回ばかりは簡単にはいかないようで、ワイバーンの爪が襲い掛かる。



なんとかロングソードで防ぐが、予想以上の力に圧され地面を転がる。



さらに高速で迫る長い尻尾。俺は態勢を崩しながらも上空へと回避する。



しかし、その行動が間違いだったと理解するのに時間はかからなかった。



待ってましたと言わんばかりにワイバーンは口を大きく開け、膨大な炎を溜めていたのである。



「やばいっ!!」



 ――空中にいるため身動きがとれない! くそっ! 何かないのか!? なにかっ!! 



 現在の状況をどうにかしようと頭をフル回転させるが、解決策が生まれることはなかった。



死を目前にしてなのか、怒りに高ぶっていた心はまた何かに支配されるように冷め切っていく。



そして、迫り来る紅蓮の炎。俺がいとも間単に迫る死を受け入れた瞬間――



高濃度の雷風が燃え盛る炎に直撃した。さらに俺の凍り付こうとしていた心を高ぶらせる声が響く。



「簡単にあきらめるなっ! 神崎!!」



 俺は声の主の言葉に鼓舞され、地面に着地する と即座にがら空きとなったワイバーンの腹にロングソードを振るった。



「グギャアアアアァァァアッァ」



 静寂の森に断末魔の叫び声が響く。雨宮の必死の行動に助けたいと言う気持ちが回復し、異様な輝きを放った俺のロングソードは、ワイバーンをいとも簡単に真っ二つに引き裂いたのであった。



ワイバーンが絶命するのを確認するよりも先に、雨宮の方へ視線を飛ばす。



「あめみやっ!」



 すぐに雨宮のもとへ駆け寄る。どうやら彼女は先程の能力が負荷となったらしく、再度気絶してしまっていた。



俺が彼女の安否を確認していると、背後で異質な気を感じ咄嗟に振り向く。するとガンマが能力を使用する寸前であった。



「させるかっ!!」



 俺はガンマへと足を走らせる。ガンマは俺のスピードに対応しきれていないようで、俺の姿を完全に見失っている。



その隙を狙い、ガンマの首を掻っ切ろうとロングソードを振り上げた。



 刹那。モンスターを殺しても何も感じなかった俺の心が、初めて己の行う行動に恐怖を覚えた。



しかし、加速した刀身はもう止めることはできず、ロングソードはガンマの首をいとも簡単に両断した。



 噴水のように溢れた血は、真っ青な空を赤く染めた。ボトンと地面に転がる人間の首。



その顔には苦痛の表情はなく、代わりに不気味な

笑顔が貼り付けられていた。



「――――くそっ。むなくそわりぃな……」



 真っ赤な血を全身に浴びながらも、俺の頭にはガンマが最後に漏らした言葉が反響する。



『これでお前も俺と同じ殺人鬼だ』



 初めての殺人。普通の人間なら発狂しこう思うだろう。



「他の人と同じく普通に学校に通っていた高校生が何故こんな事をしなければいけないのか」と。



たしかに俺のような通常とは異なった人間でも恐怖を感じた。



今回のことで俺という者がなんなのかわからなくな

ってしまった。



 ――先程感じた恐怖も既に消えかかっている。俺には何かしらの感情が欠落しているのか? 



それともダイバー固有能力により気持ちが高ぶっていただけなのか? どちらにせよ、俺は人を殺した……



 俺は思考を無理やり打ち切り、空を 仰ぎ見て言葉を漏らす。



「腹の立つほど綺麗な青空だな……」



 上空には俺の心を癒すかのように、青々と澄み切った空が広がっていた。







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