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白銀のケンタウロス  作者: ののみやゆい・高里(たかざと)まゆ・寺田まゆみ 他PNあります
時の輪 時の向こう・終わりの始まり・・始まりの終わり・・
44/44

帰還・・窓辺にて

帰還・・


パキーーーン大きな鏡か硝子でも砕け散る音・・。


そこは最初の・・本来の場所 わん子のお家だったワンワン!


あ!エイルさん!げ!!!半裸・・・ほとんど裸・・・

そうだ!エイルさんの肉体が元通りに再生した時の状態だワン


それにしても!さっきの音は何?ワン??


その時にドアが・・勢い良く・・壊された・・・破壊されたワン。


メキ!ベキイイイイイ!

「みんな!無事なのか!」 血相変えて家に飛び込んで来たのは・・

失った片腕でトーガで包んだ 本来の・・現在の時間のリアンさんだワン!

「えええと・・ワン?」


「大丈夫か?一体なにがあった?

音沙汰がなくて 心配して様子を見にきたら

この家がのドアは開かないし、次第に白銀色の不思議な繭で包まれて


未知の強力な魔法の力で包まれていて 手も足も出なくて


やっとさっき!光が弱くなって繭が自然に砕けたんだよ」


「ん!え・・エイル☆」 赤くなるリアンさん! 

半裸状態のエイルさんの姿を見て慌てるリアンさん・・・・。


「大丈夫なんですか!」続々と アーシュさんとエイルさんが住む城の人達が

心配して入って来ようとする!


「駄目!まだ危険(?)だから 絶対入るな!」真っ赤になって

城の人々を押しとどめ・・


エイルさんに駆け寄り・・ぱちくり!エイルさんの大きな瞳が見開く


「え!え!兄さま!」 「・・兄さま・・腕・・」

「ん!何エイル・・」

抱きつきリアンさんの胸で泣きじゃくるエイルさん。


「ごめんなさい! 僕が僕が!もっと早く思い出していたら!そしたら!」

理由は分からないまま・・


泣きじゃくるエイルさんにそっと自分のトーガをはずし

半裸状態のエイルさんの身体にかぶせると・・


優しく見つめ エイルさんを抱きしめるリアンさん・・。


「あれ?そう言えばアーシュさんは???ワン」


かちゃり・・静かに隣の部屋の扉が開く・・・

「あ!アーシュさん!無事でしたワン!」


あ!やば!!抱き合う(しかもエイルさん半裸状態☆)

リアンさんとエイルさんを見たら嫉妬のあまり 怒り狂って・・この家はおろか・・森を炎の魔法で燃やしちゃうかもワンワン


・・・と・・あれアーシュさん 静かな悟りでも開いたような穏やかな表情で

二人を見てます・・ワン 

「大丈夫か・・きっとまだ怪我が治ってないか・・頭をうったのかも☆ワン」



静かにアーシュは心の中で思い起していた・・

アーシュは時間の旅で見た未来の自分を思い出していたのだ・・


あの未来の自分は・・エイルに リアンの元に行けと・・言った・・。

瞳を閉じて 深く息を吸う・・。そしてため息・・


いや・・・あの時・・未来のエイルは泣きながら俺を・・

まっすぐに未来の俺を見つめていた。


「おい・・リアン・・」声をかける・・


「ん!なんだい? ・・おいで・・レグルス・・。」


隣の部屋から現れたのは・・・まだ4つ程の小さな女の子のケンタウロス・・。

綺麗な銀色の髪をしている・・。


「その子・・?」 「忘れたのか?お前が戦いで腕を失った時に 

あのほとんどの味方の兵士が

全滅した・・戦い・・

その戦いで お前の傍にいた・・白銀の髪のケンタウロスの女戦士・・・」


「何故?君があの戦いの事を知っている・・。レグルスの事まで」 何故?

射るような・・真剣な眼差しをアーシュさんに向けるワン!


「それに・・少し勘違いしてる・・確かに援軍が来るまで危うい状態だったが

二百人の中で 部隊の戦死者は 数十人 不明者一人


・・・その不明者は・・レグルスだ・・・。」


アーシュさんは・・ニッと笑い・・

「本当に♪忘れてしまったんだな♪ 少し前に預かって来た

この子はレグルスの子だよ」


!!!絶句するリアンさん・・とワン子とエイルさんワン!


更にたたみかけるかのごとく!アーシュさんのとどめの一撃!!!(一言)


「ママの名前をもらっただよね☆レグルス!

さあ!リアン・・ぱぱの所にお行き! レグちゃん☆」


「リアン・・パパ?」「そうだよレグルス・・。」にやあああーんすごく

捻じ曲がったような・・凶悪な・・いやな感じの笑顔を見せるアーシュさん


・・・・・・

状況についてゆけず エイルさんをその手にしつつも

凍りつくリアンさん・・


でええええ!リアンさん 貴方 エイルさんという人がありながら!

いつの間に!あの・あのレグルスさんとーーーーーワンワン!


いや・・確かに 食いしんぼで酒好きで・・豪快な人ではあったが

胸は豊かで 美人でした・・。ワン(そういう問題か?)


うん!うん!と妙な納得するワン子


・・兄さん・・リアンさんにまだしがみついた状態で

小さく呟き凍りつくエイルさん


状況について・ゆけずやはり凍りつくリアンさん・・。


それから・・・その夜の出来事・・。


夜の森の中のワン子の家にて・・ワン☆


エイルさんの身体はまだ再生したばかりだし・・


アーシュさんの身体の怪我も完全には治りきってなくて・・

まだ遠いお城への移動は無理という事になり 


ワン子の家で

保護者?のリアンさんともどもお泊りワン☆という事になりました


アーシュさんと違い、日ごろの行いも 性格もよいリアンさん


レグルスは本当に良い人だった・・。そう一言・・呟いたのは

ひとまず・・誤解?が解けたリアンさん


気持ちよさげに・・リアンさんの膝枕であお向けに可愛いお尻の尻尾をふりふりしながら

・・・すやすやと眠る小さなレグルス・・。


「ちょっとびっくり!したけど・・もうアーシュたら・・」

チラリとアーシュさんを見るエイルさん


ちょっと・・だけ愉快そうな・・そして笑顔を見せるアーシュさん

「そうだな!ココアでも作ってくる・・リアン・・お前は酒か?」


「どちらでもいいけど・・」


「分かった」


「でも・・確かによく似てる・・この子の母親がレグルスなら・・」


顔をしかめるリアンさん 「父親は一体誰だ?」

・・・・・・


「あ!そうだ!もしかしたら・・あの少年かも!」


「え!」 


「実は・・レグルスは戦いの数日前だったか出発前に

黒の国の貴族の少年を連れてきたんだ・・・。」


「え!」(それって・・アーシュさん?)


少年は怪我をしてて・・それまでは隠れ家でこっそり二人で暮らしていたらしいが


怪我が思わしくなくて・・・それで仕方なく王宮の軍医に治療してもらったんだ。


なんでもケンタウロスの掟で満月の晩に決闘したのがきっかけで・・

その少年と・・恋に落ちて・・駆け落ちした・・て言っていた。


彼・・そう言えばアーシュ君に似ていたよ・・。」


・・・・え(汗) 冷や汗をかくワン子とエイルさん・・。


「診察室での あの情熱的なキス・・本当に驚いた・・・。」しみじみと思い出すリアンさん・・・。


あ(汗)・・・再び冷や汗をかくワン子とエイルさん・・・。



あの時間の旅の・・あの診察室での出来事を思い出す二人・・


ゆーーっくりと・・ワン子さんの方にエイルさんは強張った表情のまま向いて


小声でたずねた・・・

「ねえ・・ワン子さん・・。もしかして・・情熱的なキスをしちゃうと・・ケンタウロス族って妊娠しちゃうんじゃ!」

「え!え!そんな・・まさか・・」


「・・・・もしかして・・アーシュさん 

実はあの後 レグルスさんとキス以上の事を!!」

青くなるエイルさん・・「そ・そ・そ・そんな・・!アーシュがそんな事!」

今度はまっ赤である


恐る恐る・・小さなレグルスを見つめる二人・・。


二階の階段を上がる音・・そして扉が開く 

扉を開けたのは その場にいなかったアーシュ・・


「・・クッキー焼いてきた それから全員の分のマシュマロ入りのココアだ

後、ワインを見つけたから持ってきた。」 


リアンにグラスとワインをポンと投げるように渡す・・


「?なんだ?どうした?二人とも変な目で俺を見て? 

顔にクッキーを焼いた時の小麦粉でも付いているのか?」


目を覚まして 「きや!」と嬉しそうにアーシュに抱きつく小さなレグルス


「なんだ なんだ どうしたレグルス」

「ほら クッキーもココアもあるから・・ココア ちゃんとふーふーして

舌を火傷しないように飲むんだぞ」

頭をなぜて・・それはそれは(信じられない程)優しく対応するアーシュ。



なんとはなしに・・不安な表情でアーシュを見つめてしまう二人。


「トランプしないかい?みんな」 とリアンが明るく声をかける



コンコン!下の玄関を叩く音


「!」「やっほ~話を聞いてきたわよ!差し入れの食べ物 うふ」

ナイスバデイな黒髪のお姫様アルテシア姫


「どうぞですワンワン」


「ちょうど みんなでトランプをする所だった」


「ま!参加しますわ」


それから・・トランプに興じてると


小さなレグルスは窓に近くに行き・・夜の窓辺でお星さまを見つめてました・・。


「あ・・流れ星・・あれ・・」窓ガラスに映る女性・・後ろを振り返ると


微笑んで立っていたのは・・白銀の髪ときらびやかな鎧を身につけた女性の

半人半馬・・美しきケンタウロス・・レグルス・・。


大きなレグルスは小さなレグルスを見つめ 

頭を撫ぜて

小さなレグルスに 大きなレグルスはしっ!とウインクしながら

口元に人差し指をあてて他の人には黙ってて・・と合図しました


トランプに興じて 楽しそうに笑い微笑む・・

リアン アーシュ エイル ・・わん子達を微笑みながら見つめてました


そして・・「あれ!」小さなレグルスがもう一度見上げて見ると・・・


その女性の立っていた場所に

カゴに入った林檎やベリーの一種・・などの

幾つかの果実にワイン


スコーンなどのお菓子が沢山・・それに


硝子で出来た丸い小さな綺麗なオルゴールが一つ 

中には硝子製の小さな子馬


まるで贈り物のように置かれてました・・・。




FIN




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