そして、二人のため息
「エイルが女性化すれば20、30以上年上の・・この国の支配者たち・・側室として
寵姫として連れてゆかれて・・。」
「少し前から、何度も・・それとない打診が来ているそうだ
それとも・・
実は・・遠い北の国・・北の巨人族の王の息子の一人とも、話が来ていたらしい・・。」
「あの姫の気性と格闘技の腕前なら・・
そんなスケベどもは 床で返り撃ちにすると思うが?
命が危ないのは 相手だと思うぞ!!」
考え込んで黙ってしまうリアン・・。
「やれやれ、いっそエルトニア姫を連れて 駆け落ちでもしてみないか?
それとも本来なら
リアン殿・・貴方は・・この国の支配者・第4継承者だろう・・身分の事なら・・」
そう・・言いかけて・・リアンの首や左腕・
・
右手に巻かれた包帯に眼をやる・・。
「そうだったな・・。」
そうだったな…リアン殿…レグルスはため息をつく
本来は優しい温和な性格なだけに・・つらいだろう・・。
そして、異母兄達は容赦なく・・最近では命まで狙われている。
あの怪我、証拠はないが・・刺客に襲われたものだ・・。
もし、リアン殿とエイル殿が結ばれたなら
逆に高い身分なだけに、確かにエイル殿まで危ないな
リアンはブドウ酒をあおるように飲み干す・・。
「最近・・酒の量が増えてるだろう・・?大丈夫か・・。」
「貴方ほどは飲んでませんから・・」とフフフと苦笑して笑うリアン
リアン殿は軍人には向いていないと思ってたが・・意外だったな・・
賢くて・・学者か・・神官か・・地方の行政官にでもなるかと・・思ったが
自分の意思とは関係なく・・・周りに無理やり軍人学校に入られて
命を狙われつつも メキメキと魔法と剣の腕をあげ
本来の性格から 仲間や部下に慕われ・・。
小さな部隊で村の盗賊団を撃退して 国境近くの街を2つも隣国の部隊の攻撃から守った
この前の作戦は痛快だった・・
巨大な落とし穴で 敵の大軍を誘い込み
一気に落とした・・
味方も敵も
なるべく死傷者を出したくない
リアンらしい作戦・・
「しかし、リアン殿・・三ヶ月前のあの作戦は最低だったぞ・・。」
「ん?三ヶ月前・・あれか・・!」とリアン
盗賊団の根城、竜の糞とかゾウの糞・・・うん○などの汚物でいっぱいにして
「あの、気を失いそうな臭い・・・」
「足の踏み場のない汚物に・・
汚物まみれの盗賊どもや同じく汚物まみれの盗まれた財物の洗浄
皆 あの作戦だけは今だに文句を言っておる・・」
「最初・・なんで・盗まれた物に食料に絵画などの美術品やさらわれた女性がいないことを
何度も確認したのか・・後から 納得・・得心した・・。」
「麗しいレデイの私は勿論! あの場所には遠慮させていただいたがな」
笑うリアン・・
また酒を口に含む・・今度はアルコール度の高いウイスキー
しかも水で割らない 度数の強い酒を生で飲む・・」




