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白銀のケンタウロス  作者: ののみやゆい・高里(たかざと)まゆ・寺田まゆみ 他PNあります
時の輪 時の向こう・終わりの始まり・・始まりの終わり・・
28/44

過去と未来・・二人のアーシュ

「いいか エルトニア・・

リアンの所に行くんだ 判ったな・・。」

優しい声でゆっくりと話しかけるアーシュ


「兄さまの元に・・?白の国・・

僕の国へ帰れと・・


 ねえ!迎えに

ちゃんと迎えに来てくれるの?」

黙ったまま・・エイルを見つめるアーシュ


「今はまだわからない・・

でも、約束するから・・。」

エイルの涙をその指先でぬぐうと

顔を近づけ 口づけを交わす・・。

「アーシュ・・

アーシュラン」

「約束するよ」エイルに向かって 微笑むアーシュ


「必ず・・待ってるから・・待ってるから・・」

何度も振り返り 庭の奥に消えていくエイル


「王・・

サラマンデイア様」 

声をかけるのは 長い黒髪を上に丸く結い上げた

女騎士・・

美しいメリハリのある身体をかっちりとした

銀色の鎧に包み込んだリュース公女

アルテシア姫


「結局、貴方も 先々代の王同様に・・私のおばあさまのように・・・

白の国の姫君を・・エルトニア姫を手放すのね・・。

・・・可哀想なエイル

そして・・貴方・・。」

悲しげにつぶやくアルテシア姫


「私のおばあさまは

エイル同様、白の国からの人質で

先々代の黒の王と恋に落ちてたけど


でも、結局

白の国にも戻れずに、黒の貴族のリュース家に嫁いで・・」


「悲しいわ・・。」


「行きましょうか・・王・・。

リュース家は今も昔も 王家ともにあるわ」


「ああ・・」うなずく アーシュラン



!ハッ!と気が付いて・・


「すまないアルテシア

リュース準将軍殿・・少し先で待っててくれないか?」


アルテシア姫が先にいった事を確認して


未来のアーシュは茂みに向かって声をかける・・。


「そこにいるのは、知ってる・・。

何せ、俺にとっては過去の出来事だからな・・。」


くす・・と笑う


「昔の俺

アーシュ・・!」


「!!!」驚き茂みから出てくる

時間の旅の途中の子供の姿のアーシュ・・


「どうして、エイルを白の国へ帰そうとしているんだ?」


「・・戦いがはじまるんだよ。 無事に生きて戻れるか判らない」淡々と話しかける



「地に伏せて・・血だまりの中で 命を絶たれるの戦士の定め・・。」



「戦いは止められないのか? 」少年のアーシュは問いかける


首をすくめる未来の大人の姿のアーシュ アーシュラン


「知ってるだろう・・。


戦いの種は・・俺が生まれる以前から蒔かれたもの


幾重にも罠のように

クモの巣のように、はりめぐっている・・。」


「わかっていても、刈り取る事が可能なら・・よかったのにな」


「もし、運命を変えられるなら・・」



「その時間・・その時を大切に・・な・・


愛しい人・・大切な友や仲間・・。笑いあえる時間を大切に


それが恵み・・というものかも知れないな・・。」


「じゃあ!な」 

未来のアーシュは先に行ったアルテシア姫の後を追い歩きだす・・。


振り返り


「ああ・・そうだ!ワン子と捜しているエイルの身体


宝珠は向こうの先の庭にある・・」指を指す未来のアーシュ


未来の自分・・彼を見送ると、

唇をかみ締め・・。


指差した方に走り出す


少年のアーシュ


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