そして未来へ・・
次の日の朝・・まだ少し顔色が悪いアーシュさん
「大丈夫ですか?ワン」
うなずくアーシュさん ふかぶかとフードをかぶり・・
迎えに来たレグルスさんと一緒に支払いを済ませ 早々に宿を出発する
街を抜け人目がなくなると「いいから無理せず私の背に乗れ・・」
アーシュ」
レグルスさんの言葉にうなずき その背に乗る
森の奥・・こっちだ・・。
ぱしゃん! 小さな魚が跳ねる・・。
森の奥にある小さな泉・・泉の水は不思議な色をしてたワン
虹のように様々な色で煌き
近くに行き・・すぐ傍の顔を近づけると・・
銀色に輝く鏡のようでしたワン
「私が触れても・・鏡のように硬くて・・手を触れる事も出来ないだが・・」
泉にふれるレグルスさん
「ケンタウロス族に伝わる伝承では・・ケンタウロスの賢者に
神に時間の旅を許された者・・
許された時間の間だけ、この泉の中の扉に入れるそうだ・・。
なぜ・・お前達が時間の旅を
しているか・・不思議だがな・・。」
皮袋のオルゴールが発光して 優しい旋律が鳴り響く・・。
泉は反応して 青い光を放つ・・
「どうやら扉が開いたらしい 行け二人とも!」
ワン子は皮袋を握りしめ
アーシュさんはうなずくとワン子の手を取り
泉の中に足を踏み入れ 二人は青い・・青い光に包まれました・・ワン☆
気がつくと、ここは黒の国のお城でした・・ワン!
・・・・・!
おや!ここは見覚えありますワンワン☆
少し前にワン子はここに薬を届けた事がありますワン
ここは・・アーシュさんやエイルさん(現在 17歳のエイルさん)が住む
黒の国のお城です!ワンワン☆
「あれ!アーシュさん? また、はぐれたみたいです
アーシュさんはいずこ??」
「戻って来たのか? ここは、黒の国の王宮
俺の城・・だ・・。」
庭の茂みに迷いこんでいるアーシュ
庭のレンガの道が見えて
そこに踏み出そうとした
その時だった。
「いや!アーシュ・・。」
声がした
庭の片隅のテラス
エイルのお気に入りの場所に
二人の人物が抱き合って立っていた
一人は綺麗な髪飾りで髪を結い上げ
美しいドレスを纏った金色の髪の女性
それにもう一人は・・鎧を身につけた二十歳前後の男性
男性は肩ほどにのびた黒い髪を金の留め物で一つにたばねて
鎧をまとっている
そして、彼は泣いてる女性
美しい金色の髪をした女性を抱きしめてる。
あれは・・・
エイル・・?
それに・・抱きしめてるのは
俺・・俺なのか・
二十歳前後の男性
それは間違いなく、
おそらくは数年後の未来のアーシュだった・・。




