可愛いフェアリー亭(過去と未来の戦の輪舞)
ワン子さんはレグルスさんに
こってり・・と絞られ・・。
(どうやら、昔の・・
数十年前の魚料理を
食べ損ねた恨みらしいワン・・(汗))
牢屋に入れられたワン
ああ,涙・・・ワン
暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら・・
あ,あれ!
小鳥さん・・こと
エイルさんがやって来ましたワン。
小鳥さんがゆっくりと
淡い白い光を放ち 人型を取る
「え、エイルさん!ワン」
そこには透ける身体の
精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアこと
エイルが立っていた・・・。
「有難うワン子さん・・・・。」嬉しそうなエイルさん
「でも、ごめんね 牢屋に入れられてしまったね・・」表情を曇らせる
「だ・・大丈夫ですワン!きっときっと!なんとかなりますワン☆」
明るく宣言する!ワン子
(でも・・多分・確証はない☆)
顔をかたむけ
静かに優しく微笑むエイルさん・・。
白い光は大きくなって
小鳥さんは白い宝玉に変身・・・変化した。
いつの間にか エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに・・
皮袋がポンとワン子の横にあった・・。
皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,
ゆっくりと開き・・
白い宝玉は呼ばれるように
ふわり・・と浮かんで
オルゴールの中に納まった わん子はオルゴールを皮袋にしまう・・ワン。
カチリ!扉を開ける音!
「わん子出るんだ!」とレグルスさん
どうしたんですか・ワンワン?」
「少しまずい事になった
思ったより状況が良くなくてな・・ワン子 お前が黒の国の間者
スパイと
思われてる・・。」
「え!ワン!」 「 お前・・リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」
「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)
「後からエルトニア姫が きっと自分の指示で ワン子に頼んだと言うとは
思う・・・
まあ そうしたら、絞られる程度で済むのだが・・」
「それが間に合わないと・・まじで酷い拷問を受けるぞ!ワン子。」
「ひえええ!!ワンワン」
「いいか!ワン子 これから移動する・・・お前は私が合図・・指示したら
角を右に曲がり 庭に出ろ! 大きな木の後ろの壁に穴が開いててな・・。
そこから・・外に出られる・・」。
「そうなんですかワン!」
「 実はな・・ここだけの話し 時折抜け出しては
街の「可愛いフェアリー」という酒場に飲みに行っててな・・そこの
ブルーワインがもう!絶品で・・いや!それはどうでも良い!」
「酒場の二階は 宿屋になって・・状況が落ち着くまで・・しばらく身を隠していたらどうだ?
この国から逃げ出すにしても、夜の森は少し危険だな・・。」
「いいか・・行くぞ・・」
見張りの兵士達が レグルスさんに挨拶してます・・
ワン子は縛られて
別の牢屋に移動中です・・。
見張りの兵士が少なくなった・・
皆、アーシュさんを捜してるらしいワン!
人目がなくなった・・誰もいなくったワン!
「ワン子・・・行け・」小さな声で呟くレグルス・・。 「あの角だ・・」
紐をゆるめ・・・
皮袋と幾ばくかの路銀、お金の入った小さな袋を手渡し
ポンと背中を押す
「振り返るな・・行け!」
その言葉を合図に ワン子は走り去る
そおっつと、穴を抜けて
夜の野原
見下ろしみると、少し先に
街の光が見える・・・。
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン!
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン!
二階に上がろうと階段に上がってゆくと
「!・・・ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける・・。
「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!
ねえ大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」
「何を言ってる?? さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」
「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」
?? 顔をしかめるアーシュさん
「・・すれ違った あの俺にそっくりな・・
過去の俺か?」
宿の部屋でくつろぎながら・・ハーブのお茶を飲んでますワン
「ふーん・・そうなのか?ワン子・・。」「はいですワンワン・・。」
確かによくよく見てみると・・
少しだけ今のアーシュさんの方が大きい
過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらい
それに・・
どこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて
表情が豊かです・・ワンワン。
・・っまあ・・明日にでも人身御供・・
つうか処刑されそう・・という状況なら
あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン・・。
結構ハードな子供時代だったアーシュさん
・・でも本人 薬のせいで記憶喪失になって
覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。
「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!
ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」
「早めに逃げ出さないと やばいかな」とアーシュさん
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く
「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!!」と小さなエイルさん
ポカポカと・・・
はあ、ため息をつきながら 後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスの
レグルスさん
「まったく・・
しまったもんだ。ついつい 差し出された美味い菓子と美酒に
ワン子の居所を口を滑らせてしまった・・はああ」
・・ため息
「おや? 逃げもしないで こんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」
怪訝な顔をしてレグルスは言う
目を丸くして!口も聞けないエイルさん
「えええっつと・・。どうしたもんかな?」とアーシュさん
エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである
「・・その、もう泣くな・・エイル」
「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)
「・・・・ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」
・・ああアーシュさん
相手がエイルさんだと
めちゃ優しい優しい・・・
「アーシュなんか変? ん? アーシュがそんなに優しく笑った顔
見たのは初めて・・
いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をしてて
少し背が高い・・。それにそんな表情豊か・・だった?」
不思議そうに見つめるエイルさん
「ええ・・っつと」
ハッ!として大きく目を見開き 思わず瞳をそらして 天井を見てしまうアーシュさん
あああ・・焦ってます・・ワン。
ぴくん!として眉をあげるレグルス
アーシュさん おもむろに口を開き「・・いいから、もう心配しなくていいから・・」
エイルさんを抱きしめる・・・。そして・・小さく眠りの呪文・・。
「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」
ことり・・と眠ってしまうエイルさん。
ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて 毛布をかける。
ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉
また、呪文?また?
つまり・・もう一人の俺も・・
十年前の俺も・・
同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ・・。
「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!レグルスさん
「十数年前 私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなった
アーシュだな!!」
昼間の・・
そして、先程までの アーシュ殿とか・・
憐憫やら同情に満ちた優しい扱い・・
それに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?
数十年もたつというのに・・そんなに魚料理の事で恨んでるんですか?ワン




