過去の時間・・城での出来事(過去と未来の戦の輪舞)
ちょうど お城の大人の人達は留守だとかで
僕らはお食事をすることになりましたワン
またまた、今度はお城で それはそれは美味しい食事が出ましたワンワン!
野菜スープに 美味しい焼きたてパン
ローズマリーやバジルなどのハーブ入りの肉を煮込んだもの
白身魚のあぶり焼きも美味い!うまいぞおおワンワン!
もちろん 小鳥さんことエイルさんもご一緒ですワン。
リアンさん 家来さんに耳打ちされて「あ、リアンさん?どこへ?ワン」
「ああ、先程 都から有名な楽師の方が来たそうんだ
せっかくなので 琴の手ほどきを受けてこようと思ってね。」
「じゃ!また明日ね エイル アーシュ殿 ワン子くん」
「はい!リアン兄様」
「・・・・」
「無口すぎる・・こんな無口で大人しかったって? アーシュさんワン」
「確かに黙ってたほうが、口の悪さがばれずに・・すむ・・かも・・と」
心密かに酷いことを思ってしまったワン子であった。
「・・・・」
「ねね、ねえ・・アーシュ お部屋で チエスでもしない?」
「・・・・」
「駄目?」
気弱そうにこっそりお伺いをたてるエイルさん
「良いよ 来いよエイル。」
ぱああ!と笑顔を見せて アーシュさんの後を追いかけるエイルさん
「ねえ!よかったらワン子さんも来ない?」
「はいです!ワンワン♪」
二人の後を追い 後ろからついてゆくワン子
そこに後ろから声をかけられる「ワン子さん・・」
白い光に包まれた17歳前後の少女の姿のエイルさんの精神体が立っていた
「エイルさんワンワン!!」
「お願いがあるの ワン子さん・・。」
「?」
「実は・・・」
エイルさん(子供時代)とアーシュさんのチエスの勝負を
頂いたお菓子をほおばりながら 見守るワン子
ううう!アーシュさん結構強い・・。
「また負けた・・くすん」 エイルさん
ぱたっとテーブルに倒れこむ
「がんばって、修行だな」と一言 アーシュさん
「ううう!」エイルさん
次回にチャレンジだ!ワンワン「そろそろ、子供は寝る時間・・部屋に帰れよエイル」
「うん・・でも 僕のお部屋 遠くて・・
アーシュのお部屋からだと30分以上かかるだけど」
そうだ・・ここ大きなお城だもん すごく広いだよね・・・ワン。
すごく大きなホテルと一緒だもんねワン。
ここは 大きさからいえば
ホテルの建物が3つ4つ入ってしまうもんワンワン
沢山の他の高い位の貴族の人達とか住んでるし
街の警備をする人達離れの建物には軍隊の兵士さん達も住んでるみたいワン
街の政治をする建物も城の中の右手にあったワン!
「駄目・・」冷たく一言
「エイルお前 寝相悪いから、一昨日
ベッドから落とされてこっちは風邪引くところだった・・。」やぶ睨みのアーシュさん
ポイ ポイ!と部屋から出される
エイルさんとわん子であった・・。
「やれやれ ねえ ワン子さん 一緒にお風呂に入って 一緒に寝ようね♪」と エイルさん
バタン!とドアが開き・・
再び やぶ睨みのアーシュさんが何か言いたげに
ワン子を睨みつけてますワンワン!
「はい!です お風呂は僕一人で入ります!
寝る時には 床かソフアで わん子一人で寝ますワンワン!」(汗)
「もおお・・なんだアーシュさんてばやきもち焼きさんなんだ」
バタン!そのワン子の言葉に安心したのか 扉を閉めるアーシュさん
お部屋に戻ると
部屋の前でリアンさんが立っていた・・。
「エイル・・。」
「どうしたの?リアン兄さま」
「あ、ああ ちょっと・・ね。白の国の王宮から知らせがあって・・」
「どうしたの?」「たいした事じゃない」
言葉とは裏腹・・・目が動揺の色を隠せません・・
リアンさん ワン!
がちゃん!うあああ!
遠くから悲鳴やどよめき!
物が壊れる大きな音
「何! どうしたの!」
見回りの兵士の一人が走ってきて
リアンさま!エイルさま!部屋に入ってください!「黒の国の兵士が・・!」
ハッして 慌てて言葉を濁す。
「・・いえ・・あの! 盗賊のようです どうか部屋へ 」
「分かった。」
エイルさんやワン子を先に部屋に入れると
見張りの兵士にそっと尋ねる
「先ほど、王宮からの知らせを聞いた・・。」
「白の国は 北の巨人族の軍隊の動きを知りながら・・
それを黒の国へは知らせず
その為に 巨人族の軍が黒の国の都や王宮を焼き払ったと
黒の国を治めてる王族は ほぼ全滅・・・。黒の国は滅んだ。」
「黒の国の兵士は それを黒の国の王子
彼・・アーシュランに知らせに来たのだろう?」
「彼は、このままでは 巨人族に引き渡されるか・・処刑される」
うなずく 見張りの白の国の兵士
「・・エイルは 部屋から出さないようにするから」
ほんの数日前の出来事をリアンは思い出していた・・。
「もし、俺が処刑される事になったら・・エイルには黙っていてくれるか?」
「!」
「リアン殿 貴方は知ってるはずだ
運が悪ければ明日にでも俺は処刑されるかも知れない・・」
無表情で淡々と話すアーシュ「なんとか、知らせずに・・・」
「・・・・・・」リアンは沈黙して 聞いている
「それから俺は 事情があって、黒の国へ戻ったとでも
別の場所に行ったとでも言ってくれないか?」
「エイル・・を・・・悲しませたくない・・。」
「ただ 幼い頃にあった思い出話で覚えててくれれば・・ それで・・いいから」
「随分と悲しい事ばかり言うだね。本当にそれでいいのかい?」
リアンは 優しく見つめながら問いかける
「貴方にとっても それがいい
もし俺が万が一 生き延びたら、貴方とは 多分 敵同士だろう・・。」
淡々と話す アーシュラン冷たい目をして、無表情のまま見つめてる。
「また、チエスの相手をたのめる? この前の勝負 とても君は強いから楽しかったよ」
微笑むリアンにほんの少し表情が和らぐ
アーシュ・・
そんな彼の表情を思い出しながら、リアンは部屋に入り
扉の鍵をそっと閉めた・・。




