湖上での戦い(地底湖の闘い3)
次から次に少年ケンタウロス軍団をなぎ倒し
ご機嫌なアーシュさん
「ふふーん♪」
本当に楽しそうに ケンタウロス達を湖に たたき込む
バシャーン!何度もその水音が響き渡る。
と・突然 アーシュさんの動きが止まった!
いつの間にかアーシュの背中につきつけられた短い槍の刃
「全く・・元気な 困った暴れん坊だな お前」
白銀色の長い髪が洞窟に差し込む光にきらめく
青とも紫がかかった瞳がキラキラと生き生きと輝いてる。
「おまけに この私・・歳上の美女目上に対しての礼儀も知らんだろう!
お前!なんだ!その目つき!やぶ睨みしおって反抗的な!目だ!」
アーシュさんの左手に握りた槍の刃は後ろ手に しっかりと
こちらも女性ケンタウロス
レグルスさんの胸元に つきつけられてた。
「目つきの悪いのは生まれつき・・悪かったな」
ぶっきらぼうに言い放つアーシュ
ニヤリッと笑うレグルス
「お前・・何故 自分自身の羽を使わない?
敵である 黒の王族と悟られぬ為にか?私の目は ふし穴じやないぞ 」
顔色を変えるアーシュ
「ふふん・ポーカフェースは苦手か・・けっこう・可愛いな」とレグルス
「うるさい デカ馬女!」ひきつり 一言叫ぶ アーシュ
「お口の悪いお子様だね♪」
あ・良く聞こえないけどアーシュさん・・なんか焦ってる?ワン
その時だった・・湖の水が 揺らめき
そして・・
水はブクブクと泡立つ・・大きく揺れ・・そして・・
「レグルスさま!」湖に落とされた ケンタウロスの少年達が
怯え悲鳴を上げた
ハッ!として足元の湖を見る レグルス
波立つ湖から現れたのは
牙を持つ肉食魚 巨大魚グルル!
「炎!」 アーシュが叫ぶ 魔法の言葉
魚の目の前にうねる大きなヘビのような炎が踊る!
別の巨大魚グルルが現れる 少年達の悲鳴が洞窟の湖に響き渡った!
レグルスの槍が巨大魚グルルを貫く!
アーシュも咄嗟に
新たに現れた敵に
対抗する為に
彼女を補助するかのごとく
攻撃の魔法の呪文を唱える
わん子はゆらゆら・・風船もどきモードで
天女の衣で宙に浮いてたのだが
湖から別の怪しい2つの目がわん子を見つめていた。
ワン子を狙い 一気に水の中から飛び上がったのは
肉食巨大魚グルル!
「きやああああ!ワン!」
バシャーン
勢いよく水音が弾き飛び散る
ハッとするアーシュ
ザックリ!と 鈍い音
巨大魚グルルをレグルスの槍が貫いた!
ばしゃーん! 「ぐおおん」グルルは湖の中へ・・。
「ふぅ・・」軽く息をつく
銀色の髪のケンタウロスのレグルス
「皆!無事か!」
「はい!レグルス様!」
大丈夫です。 ちらりとアーシュの方を 見る。
「魔法の補助を有難う お前・・名前は?」
「アーシュラン・・」
と目つきの悪い黒髪の少年は答える。
私はレグルス
西のケンタウロスの部族の
三の長だ(つまり・三番目に偉い人だワン)
「お前・黒の王族か?
さっきの魔法の幾つかは子供が扱うには 並じゃないぞ」
「先程の炎の魔法」
「炎の魔法が得意な使い手は
星見の魔法使い方達の話では
炎を司る星は次の世代だと
聞いてたと思うだが
・・」
「炎の魔法使いの世代が 出る時には
戦が多いからね。」
「・・私達は黒の一族とは
敵にあたる白の国側の者だからな
本来なら 怪しげな黒の国の者
しかも、強力な炎の魔法の使い手など
白の守護者達に引き渡す義務がなきにしもあらず・・」
軽くニコニコ
笑いながら話すレグルス
本気でない事は
その口調から読み取れた
「じゃあ 三の長であるレグルス殿・・
怪しげな俺やそこのワン子をどうするつもりだ」
無表情のまま・・問いかけをするアーシュ
「そうだな!子供らを傷つけず・
しかも・巨大肉食魚から子供達を助けてくれた恩義もある
とりあえず見なかった事にして
一緒にメシでも食べるか!
幸い
今回はグルルも大量の魚も取れて大漁!大漁!」
「いいのか? あのワン子はともかく
怪しげな黒の国の者を ほっとくのか?」と
本人である…アーシュ
「構わない♪構わない♪」
「ところで黒の国では
他国との交流が盛んで
珍しい料理方法もあるとか!
お前知ってるか?」
そこでワン子が一言!
「アーシュさんは料理の天才ですぅワン!」
「おおっ!なんて素晴らしいだ!」
「・・・わかった。調味料と道具は用意してくれるな。」
「了解した♪」
「レグルスさま!」下の湖から
元気の良い嬉しそうな声!
網を手に振り回す
網の中には タイ程の大きな赤い巨大な金魚もどき!
ぴちぴちぴち!
網の中で暴れてもがいてる
「アカアカです!」
それは巨大金魚?アカアカに変身した
お姫様のエイルであった・・。




