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救いがたい世界

作者: Pa
掲載日:2012/05/10

薄汚いものを書きたかったので不快に思われる方多いと思います。それでも良い方だけ進んで下さい。

都内某テレビ局にて、報道番組に子供を招く事になった。子供の意見を聞いてみようという、目新しくもない内容に製作者側でさえ期待していない、その場しのぎの番組だったが、この番組のおかげで人類の存続に関わる問題になろうとは誰も思わなかったろう。


内容は討論番組で「運命」について語るという哲学的な売り込みだが、実際は時事ネタにこじつけ程度で話される、簡単に言えばネタ切れなのだ。


予定通り3歳から5歳までの子供達を配置につかせ、おもちゃやお菓子なんかを渡しておく。低年齢層が大人の会話に関わるのは笑いがとれて、下手な芸人よりも撮れ高がいいのが理由だ。泣いても視聴率が取れるし、寝てもOK。

まさにお子様と言ったところか。


本番が始まり大人達の討論が始まると案の定、問題が起きた。

と言っても、何でもないことなのだが子供の1人が泣き出したのだ。


すかさず、リポーター風にスタッフが声をかける。


「どうしたのかな?」


子供は泣きながらも何か答えようとしている、チャンス到来だ。

指示を出さずとも子供の顔がズームアップされていく。


「怒ってるみたいで怖かったのかな?」


どうか、トンチンカンな事言ってくれよ。


「…だってうるさい。」

「う〜ん、うるさかったか。でもね、話し合いをしてみんなが毎日楽しくいられるように頑張ってるんだよ?」

「ここで話し合って何が変わるの?」


意外とマセていた5歳児からはマイクを回収し、今のシーンはカットして放送することにした。


「全く5歳のガキに正論言われちゃたまんないよ。あくまでもここは討論する場で、何かを変える場じゃないんだ。

政治は政府に任せときゃいいだろう。

お偉方が雁首そろえても、無理なもんは無理なんだよボク?って言ってやりたいよ。」

「せっかく視聴率アップのチャンスだったのに、これじゃあな。まあガキ呼んじまった時点でこうなるって覚悟しとかないとな。」

「そうだな〜。」


それら全てを雲の上から見ていた神様は溜め息を1つ吐くと、俺達の頭に直接話しかけてきたんだ。なんか聡そうとしてたみたいだが、こちらの知ったことでは無い。

すぐに特番を組んで、「何とかミステリー」とかを放送しなきゃならないのだから。


程なくして、地球に隕石が落下し人類は滅亡する事が分かった。

まだ何か言ってくる神様を後目に、俺達は緊急特番を組む。隕石衝突まで後何分とか表示するモニターを見ながら、俺達は視聴率の事だけしか頭になかった。

スタジオの隅からガキの泣き声が響いてうるさいので、締め殺した。どうせ死ぬんだ。今死ぬか何分後かに死ぬかの違いだろ。

このガキの死に顔もカメラに写せばもっと視聴率はあがるかもな。もっともっともっともっともっと。

「では皆さん!隕石衝突までのカントダウンをしましょう!5!」

「4!」

「3!」

「お時間がやって来ました!それでは皆さんさような…。」



凄まじい爆音と共に次々と降り注ぐ隕石の衝撃波がスタジオを吹き飛ばした。

この様子をテレビに流せればもっと視聴率がとれるのにカメラは回されていないようだ。

俺は動かなくなったカメラマンからカメラを奪い取り最後の時まで突風で飛ばされるお子様を撮り続けた。

読んでいただきありがとうございます。


テレビのイメージってこんな感じです。実際はここまで酷くないでしょうが、こうなりつつあるんじゃないかなとは思います。

そうじゃなくても討論番組の意味は全く分かりません。

コメディっぽいのをイメージしながら書きました。


では、またいつかどこかで。

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