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MAD LOVE  作者: カデツェ
アリス編
7/14

第一章 人形遣いと白黒

おひさしぶりです。


いやー、日常パートってきついわー。

 妖怪ですら足を踏み入れる事が少ない魔法の森、そこに建っている小さな洋館。

「おお、このクッキー美味いな」

「褒めたって何も出ないわよ」

「ちぇっ」

 この館に住んでいる人形遣いのアリス・マーガトロイドは、友人である霧雨魔理沙と、庭でお茶会を楽しんでいた。

「なぁ、紅茶もう一杯淹れてくれないか?」

「たまには自分でやりなさいよ」

「アリスが淹れたのが好きなんだよ」

「な…、し、仕方ないわね、特別よ」

 二人はいつも通りに談笑していたが、魔理沙の他愛のない一言にアリスは赤面し、それを悟られないように、そそくさと館のキッチンに向かった。



「ま、まったく…、よくあんな事平然と言えるわね!」

 お湯を沸かしながら、アリスは独り言を呟いた。

 魔理沙が面と向かって「好き」と言った事に――紅茶が、だが――アリスは悶々としている。

 アリス・マーガトロイドは霧雨魔理沙に対して好意を抱いている。表面上は冷たく接しつつも、本心では、常に一緒に居たいと思っているのだ。

「わ、私に向かって「好き」だなんて…、あーもう!!バカバカバカバカ!!」

 もう一度云うが、飽くまで「紅茶が」である。

「本当に…、っ!おっととと」

 お湯が沸いたところで、アリスは我に返った。



「はい、どうぞ」

「お、サンキュー」

 魔理沙は読んでいた本を閉じ、アリスが持ってきた紅茶を飲み始めた。

「これ、何の本?」

 何を読んでいたのか気になり、アリスは本を手に取って読んで見ようとした。

「だ、駄目だ!!」

 しかし、魔理沙に目にも留まらぬ速さでひったくられてしまった。こんなにも慌てた彼女を見たのは、アリスにとっては初めてだった。そんな反応を返されると、余計に気になってしまうものである。

「ねぇ、一体何なのよ?」

「そそそそんな事より、そういえば今日は頼み事があって来たんだ!」

「頼み事?」

 無理矢理話題を変えられてしまった。アリスは、何故、魔理沙が頑なに本を見せたくないのか非常に気がかりだったが、今はその「頼み事」の方が彼女にとっては重要だ。

「…あんまり面倒な事を言われると困るのだけど?(何!?何!?何でもするよ!!)」

 いつもと同じく、冷たく接しているが、本心はやはり、何でもやるつもりでいる。

「おお!!聞いてくれるか!!」

「…で、何?(あああ!!笑ってる魔理沙可愛いいい)」

「今度フランの誕生日…、ああ、吸血鬼にそんなのがあるかわからないから、私が勝手に決めたんだが、そのプレゼントに、あいつと私の人形を作ってほしいんだ」

「フランの為に…?」

「そうだ」

「…いいけど」

「そうか!!よろしく頼むぜ!!おっと、そういえばちょっとした用事があったんだ。じゃあな、アリス」

「あ…」

 用件を言い終わるとほぼ同時に、魔理沙は箒に乗って飛び立ち、その後ろ姿を、アリスはひどく落胆した様子でしばらく眺めていた…。

アリスのセリフを書くのがいろんな意味できつかったです。

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