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第7章:拍子抜けの戦いばっかりで

新しい日が明けた、木曜日の朝。

今日は俺一人で、俺に迷惑かけられる人物はこの家にどこにもいなかった、いたとしても俺にとってそいつをほっとくのは当たり前のことだ。

なんで俺がそいつをほっとくと聞いている?どうだろうな...

それどころか、考えれば考えるほど、これ以上考えたら朝食をサボることになる、それはいけないこと。

当たり前の朝だ、当たり前のように当然。

これ以上当たり前な考えを学校につくまで控えることにする。


「本を読む時間だ、ページ37の始まり、最初にお前が読めや、律」

流石だなー国語教師、なんでそんなやつが先生になるんだよ、俺より無愛想なやつはこの世にチャンスがあるというの?

あんな口調を参考にすれば、命令文しかできない先生は、あんな奴の恥ずかしさに負けるわ。

律はしっかりと軍隊の新人(ルーキー)みたいに席から立って先生の命令を聞いて指定された本のページを大声でてっきり読み始めたんだ。

「はい、嫌なほどすごい旋律が窓から響いていく、新しい季節を告げる桜の散る…」

「そこまででいい、次はぼーっとしてる久世(くぜ)が、律をフォローしてみろや」

「ぼっとしてない、ただ考え事に夢中だ、失礼な先生だねお前は」

隣でいる(めぐみ)は俺の冗談に笑ってたような気がするんだ、学校で真面目な恵はそんなこと普段しない、気のせいだったかもしれない。

そして先生は俺の方に怒鳴った、口からいくつかの唾を漏らした、綺麗に空中で溶けて消えた。

「言い方!立場をわきまえろやクソガキが」

「分かった、律はどこから読んでたっけ」

「何事!?やはりぼっとしてたんやな!」

「してない、先生の不要な発言のせいで忘れてだけだ」

「お前、授業が終わったら職員室に来いや」

「はーい」

面倒くさくなったなのに平静を装った、どうでもいいが、興味もないが、どうしようもなく頭のすみで律のニヤ顔がふっと浮かんだことにムカつく。


「私さっきに行っててね、ちゃんと先生のところに行くよね?」

行くわけないだろう、普通の俺なら。

今日も普通の俺だから、授業が終わって、結局職員室に行ってなかった、昼休みは俺にとって大切な青春の一部だから、約束を破れば大したことない、先生もきっと約束を忘れてるんだろう。

俺は何故そう思うと自問自答、大人の皆にはたくさんの悩みがあるから、我慢を出来る大人が少ない、貴重な時間を無駄に生徒たちを内密で説教するだなんて暇潰しとしてでも満足できないだろう。

そう考えていると、俺は大人になるまで長い道のりを踏み越えなければとならないから、気色悪そうな大人になるまで平常心で青春を堪能しよう。


そんなくだらないことを思いながら、ダメダメ委員長をこの中庭で探すと決めた、あいつならきっとどこかのベンチに座っているんだ。

しかし見当たらなかった、もしかして今日は欠席か?

俺はぼんやりと一番近いのベンチに座って、頭を抱えた、すぐ恵が職員室で何をやらかしたか伝わなければ、なんて考えてないけど、ただあの委員長に話さない機会がなかったのは残念だなーという棒で気持ちを含めていない言葉が頭に浮かぶ。

どうしようもない、今日は恵を探してあいつに次の行動を聞けばいい、恵なら頼れる、間違いなく。


恵は普通なら視聴覚室にいる、あそこで一人で勉強しているんだろう、他の生徒はいつも外で話に盛り上がるんだけど、恵は孤独のままでいてもいい、深い理由があるかどうかまでは分からないけど、他の女の子たちとよく釣り合わないことは当然ながら知っている。

そしてしばらく後、やっと視聴覚室についてた、そして変なことに気づいた、窓から何となく分かった、そこには恵一人がいるわけじゃない、別の人のシルエットも見当たる。

俺は視聴覚室のドアを開いてた、その風景に驚きを隠せなかった。

恵はいたんだが、恵だけじゃない。

「なぜ律もいる?」

「あらあらさ、待ってたんだってさ、こいつとよーく話してたんでさ、何を話したんだっけさぁ」

恵は下を向いているんだ、目を少し泳げたんだけど、まるで俺を避けられてる目で下を見続けた。

「お前が恵に何を言ったのか分からない、この視聴覚室に来るんじゃない、律」

「ん?落ち着けさ、久世さぁ、いつも冷静なのに今日はどうしたんだ」

「聞くまでもない、何の話をしていたんだろう」

「久世の過去話よ、久世の家族の正体」

俺の家族の話!?なんでこいつがそこまでやっているんだ。

「嘘だろう、嘘だと言ってくれよ」

「嘘に見えるか、被害妄想やばいさ、久世ではなくて幸せでさ、父親も大変だそうでさ」

俺は我慢できなかった、こんなゴミクズの言葉なんて一秒も耐えられない、それが律の意図だとわかっているんだけど、今そんな感情を俺に咲かせているつもりでいる律がいるからもっとムカつく。

「父親は刑務所を楽しんでるさ?お前のためにやってた罪じゃなかったさ?」

「別荘だよ、情報源は?情報の文脈も勉強しろ、勘違いするな馬鹿野郎」

「嘘つくな、とぼけん、今でも檻で腐ってるんだろ!久世のどうしようもない父親がさ!」

あいつの考え方に興味はないが、どうしても、どうしても、頭が狂う、どうしても、どうしても。

狂いの果てまで落ちさせようとする、恵の絶望している顔、空気に洗脳される俺、逃げたい、こんな場でいられない。

この場にいたら、全部が台無しに、この場から逃げたら、全部がダイナシニ。

どっちも結果は同じ、律は俺に圧倒的な勝利を見せようとしている、その時。

「り、律!ぼ、僕を委員長を辞めさせたのに、な、何故まだ委員長のままでいるかなって聞きたかった」

そこにはなんらかの救いが現れた、律の目は驚きから大きく開いた、まるで魚の目だ、いや、それより大きかった。

「おい、凛さ、なんでお前がいるんだよ、俺とこれ以上もう関わらないだろさ!?」

やはり、こいつは羽田凛(はねだりん)だ、2年Bグループのダメダメ委員長。

「い、いや、そんなわけには...]

[うるさい凛!今すぐ出ろ!」

「せ、せめて話を?」

律は委員長の方に向かっていた、俺はつい嫌な気がするんだ。

律は自分の手を強く握って、拳の形にしたんだ、そしたら委員長を狙って、俺はその隙に委員長の前に現れてその律の拳からの衝撃を食らった、太陽神経叢に当たっちまったかもしれない、痛かったせいで痛みからつい俺の口から唸り声が上がった。

「痛っ!」

少しでも痛みを堪えるために舌を噛んだ。

桜井(さくらい)くん!」

「な、なにがあった?ガ、ガチで痛そう」

律ってやつよくもこんな強力な一撃をあの委員長みたいな無防備で弱そうな雑魚に食らわせようとしていたんだ、これをくらったやつなんて可哀想すぎるだろう。

体の操作を痛みに任せた、床に落ちていた、もちろん意識までは失わなかった。

「なんだ、土下座のつもりさ?もっとしろ、久世のクズ」

そして全力で突っ走った、下げた頭を律の股間に突っ走った。

「な、あああああああああ!あああああァァァアアアアアア!」

律は無様で床に転がった、股間を手で必死に押さえていた。

「ざまぁみやがれ!こんな卑怯なことをするのは俺らしくないとは言えないけど、でもよく考えればお前に似合うよ、そんな一年生の時(以前)と同じようなカッコ悪さ。

「い、いいのか、これ、た、退学されないのか?」

「されないよ、俺は意外とこいつより校内でコネが多い方だから」

「なんか、や、やりすぎじゃないか」

「やりすぎじゃない、卑怯な相手に卑怯な手を使っただけ」

「あ、頭を使ってたんだけど」

こいつ、もしかして頭おかしい?

俺は息を吐いた、こんなやつと話すなら言葉を選ばなくて済むか。

「話が早くて助かる、お前まだ自分を紹介してないだろう、せめて自己紹介ぐらいのはどうだ」

「そ、そっちも自己紹介してないんだけど求めたいなら…ってか、痛くないか?ぼ、僕のせいで殴られた腹は」

羽田凛は俺の体をよくスキャンするんだ。

これは流石に長くなりそう。

そして律は数回転がった後でようやく立ち直った、またやる気か、次の攻撃に構えると…

「許さないさ、ぜったいさ、絶対に許さないさァ!」

律は教室をあとする前に陳腐な言葉を発してやっと姿を消えた。

「い、意外と弱かった」

いや、俺が強かっただけ、言わないようにするけど。

「終わり良ければすべて良し、で、恵律はお前に何を言いふらしていた」

「言いふらす?いや、むしろ桜井くんの噂ぐらいを聞いてた」

俺の日本語それとも言い草おかしかったかな。

「う、噂?どんな噂かね?」

「ちょっと黙ってて羽田くん、今の状況は羽田くんが思っている以上に大きな問題なの」

「な、なんで、名前知ってるんだ、自己紹介終わってないのに」

そもそも自己紹介していないだろう。

なんかこいつの態度気に食わなかった、まるで全てが冗談みたいに、真剣な俺たちに場違い感を与える。

「おい、恵の説明が終わったら質問聞いてもいいんだが、今は黙ってろ」

「め、恵?分かったから、後輩だけじゃない、せ、先輩たちも失礼だな」

「お前にとって恵は結城(ゆうき)先輩だから、無礼さもいい加減にしろ」

「ぼ、僕が悪いのかよ!」

巧宮寛です!朝起きた時には、晩まで書けなくなったんだけれど、何となく今日はやる気満々でこの章を書けたことができた!


ここまで読んでくれて相変わらずお礼を言わせてください、ありがとうございました!そしてこれからもよろしくお願いします!

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