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第5章:ダメダメ委員長の辞め方

総意というのは、あまりにも酷いもんだ、みんなの思考からとその環境に生み出される必要不可欠な善悪。

政府の仕組みみたいなもんだ、善を除けば。


西洋にはいわゆるキャンセルカルチャーがあるんだ、ひとつや二つ悪いことをやらかしたら、経歴がどうあれ、終りを迎えることだけが待っているんだ、抗えない、総意に。

総意(うんめい)を変えられる?無茶言うなよ。

変えたいなら、嫌われ者になれ、情けなくて悪者に絡められ、定められた運命(思考)にさえ抗え。

償うことはいずれできなくなる、どんな手を使っても、かならず最後まで勝利を掴むのは強者、弱肉強食の世界へようこそ。


僕は勝利が大嫌い、勝利又勝利、又々勝利、その続きは勝利の連続、僕が言いたいのは勝利は辛いものだ。

勝利を重ねたら最後には何が待っているんだ。もう、敗北をいい加減に認めろ、楽な人生のために、最悪の場合になっても死は絶対に訪れない、僕が保証する、だって戦争じゃないんだ、お前らそれを知ってるのになぜそこまで勝利に拘る?

今日は僕がその努力の成果(怠惰 結果)、完全な敗北を潔く受け入れる。


律と共に一年生の教室を出た後、チャイムが鳴った。

「んじゃ、ぼ、僕はこれで授業受けなきゃねー」

「待ってろ、凛さ」

「な、なんだ、また何か用か?」

「凛さ、放課後で空いた教室ができた、大事なことを伝えたいさー」

「し、下の名前で呼ぶのはやめてくれない?」

「あだ名のつもりさぁ」

「あだ名じゃないんだけど!?あ、あだ名なら委員長でいい」

「委員長?もうすぐじゃなくなるさ」

「ど、どういう意味?もう授業まで時間がない、冗談よせよ」

「残念さ、放課後で話そうな、じゃな凛さ」

なんだこいつ、僕を一年生の前に馬鹿にする後でいきなりこんな態度かよ、せめて反省しろよ。



放課後



長い月曜日だったなー、家に帰ろうとスッキリしようと。

教室を出た後すぐ律を見かけた、女子と話しながら僕を待っていたらしい。

「さ、こいつと待ち合わせができたから、お前さっきに帰って」

「へー、一緒に帰ろうよー」

「また今度、後輩の凛と大事な話があるんだから、先に帰っててさ」

「え、リン?誰それ、私より大事?げ、この二年生Bグループと?どんな事情だよ」

「早く帰れ」

少女は困った表情で僕を目でスキャンした後、律に視線を戻った。

「もう、わかったよ、相変わらずクールだね、また明日」

律はその女子と分かれて、彼女に手を振って、やっと僕の方を見てた。

「じゃあ、行こうか、凛さ」

「ど、どこへ?そもそも僕は帰りたいんだ。お、お前より大事な用ができたから」

「約束してたんだろ?放課後で少し話し合いたいのさ、凛のクラスにも関わる問題だからさ」

「は、話し合い?そんな約束したっけ、まぁ、きょ、今日だけ付き合おう」

「な、なら委員長として仕方ない当然な仕事やね、う、受け取ってやるんだ」


律は僕を空いてた教室にご案内してくれたんだ。

律は真剣そうに不思議な書類をテーブルにばらまかして僕と適当にちゃんと目合わせをしてたんだ。

「この書類に目を通してくれ、はっきりしてない点とかあったら示してくれ、感想はいらないからさ」

テーブルに置いてたいくつものの書類に目を泳げせる、全部の書類を見通したあと、疑わしい点を律にポイントアウトしてみたんだが、馬鹿馬鹿しい。

「そ、そうか、えっと、ここの点そして、こ、ここ」

イカれてる、ユーモアセンスのない律がこんなことを仕組んでたかよ、ハメられた。

「不安がない?どうぞごゆっくりここにサインしてもらおうさ」

「なんで?お、おかしな話だろう、こ、これは」

「そうか、お前もそこそこが変だと思うんだろ、当然だと思うさ、だってあそこに書いてるのはお前の委員長役の引退ってこと」

そりゃ分かる、だから何の冗談だよてめえ。

「そ、そんな書類をサインするだとでも思ってるのか?」

「思ってない、全然思ってないさ?イザヤに迷惑かけたくないのならさ、早くサインしないと...」

放課後でこんな冗談やめてくださいよ、せめて授業中僕の邪魔をしてその時にでもしろ、僕は座った席から立った大声で何かを言い始めた。

「な、何が言いたいんだ、ぼ、僕はこんなくだらない書類なんてサインしない」

帰りたいんだ、無駄な抵抗だとしても、何かの(わら)をもすがる必要があると決めた。

「なぜそこまで言い切れる?委員長の仕事をこなさないお前に拒否できる権利があると思ってるのさ?他のやる気満々の凛のクラスメートにやらせるのが当たり前だろ?それが委員長から降りるだとしても、イザヤみたいな大物に譲ればいいんだってさ」

だから譲るって、そんなわけがないだろう。

「ぼ、僕が委員長をやめる訳ない、か、帰るよ」

だがしかし、そんな簡単にはいかないらしい、律が僕を止めた。

「お前は帰らない、凛、これをサインする前にさ」

おい、いくらなんでもこれをサインすれば…

「サインしないって、さ、さっさと帰らせてよ」

「そう固くするなよ、せめて事情を語ってもいいんでさ、俺も必要があるならお前のためにでもなるだからさ」

「お、お前といると反吐が出る、じ、時間の無駄だよ」

律はその答えで満足しなかった、勢いよく机を叩いてそして座った席から立った。

「ピキピキすんな、時間の無駄だって?時間の無駄ってこれをサインしないことなんてさ、俺の時間はお前の過ごしてるゴミクズの人生より貴重だと自覚すればいいだけさ、ん?サインしなければ痛い目に遭うだけでさ、イザヤみたいにさぁ」

「そ、そんな脅しが効くとでも思ってるのか?」

無意味な自慢気な言葉を放っちまった。

「お前を退学にでもできるよ、お前と違って学校内にコネがあるんだから、だから舐めんなよ凛」

「つ、つまり僕をはまって、す、好き放題するつもりか、悪趣味だね、り、律」

僕は当たり前なことを言った、こんなの否定することできないだろう。

「こ、この書類をサインするんだけど、ま、まず条件付きで」

「どんな条件さ?立場弁えて言ってるんだろ、その言葉」

「わ、分かってるから当たり前に言ってるんだよ、り、律、ちょっとした条件付きで、何が悪いんだよ?ほら、ぼ、僕を委員長から下ろすなら、せめて条件付きでお願いできないか?」

僕の丁寧な言葉がなんとかなったことに内心で嬉しさを覚えたが。

「もういいからさ、はっきり言え、俺をこれ以上待たせるな」


「い、委員長を影からやらせろ」


教室は静かなもんになった、律がピクッと大声で返した。

「はぁ?!何めちゃくちゃな事言いやがってるさ、できるわけがないだろ、やらせないさ」

「まぁ、まぁ、そう焦るなよ、律」

律はもう我慢できなったんだ。

「分かったから、さっさとサインしろ!」

「な、ならこの書類でその条件を書いてやる、サインしするんだ、こ、これでいいよな?」

「ああ、それでじゃあな、凛さ」

律はもう一度振り返った、条件を読んで意識したんだろう。

「おい、凛、これマジかよ?おい、なにこれ」

「い、意味の通りよ、早く先生にでも渡せればいい」

律は教室を出ようとしたが、その前になにかの理由で僕が呼び止めた。

「ちょっと待ってよ、り、律」

「帰るさ、この後に女子とデートする約束なんてさ」

「聞きたいことがある、な、なんでイザヤが委員長にならなければとならない?」

「こんな条件を書いて、よくそんなことが言える立場よ、凛さ、さぁ後は先生次第だな」

律は少し考えた後そう答えた。

こんなやつと絡みたくない、委員長やめるってやはり名案だった。

「も、もう一つの質問!な、なんで律が一年生と組んでる?」

「そんなこと言いたっけ?言ってないよな、凛ってさ、認知症?偏執病?それともただのアホさ?」

律は素早く室教室を出た、これから平和だなー、誰にも責められやしないこの僕。


だと思ったのに…

「委員長先輩!マイハニー!」

いきなり後ろからとある女性に抱きしめられた、こんな不意打ちとはな、平和な学校生活がどこに!

冷静考えれば、この穏やかな僕を宥める声、確かにこいつは、えっと、一年生Aグループのやつか、美少女後輩。

「ち、ちなみにさ、お前、名前は?」

「ん?下の名前は幸子(さちこ)

「んで、名字は?」

「言わないから下の名前で呼んでね」

「し、親しくすんな、しかも僕はもう委員長じゃないから、こ、これからもお前に手伝わせることもない」

「へ?そうなの?なんで」

「さ、さっき引退報告してたんだよ」

「でも、確かに律と一緒にあの教室にいたんだよ?」

「さ、さっきのさっきで」

「でもそのさっきは授業だったんだよ?」

「じ、授業でみんなの前に報告してたんだよ」

「でも私ずっと見てたんだよ、そんなことはなかった」

え?見てたのか?ずっと監視してたのか?

「嘘だけど」

やっぱ嘘だよね、変な嘘だった、もっと面白い嘘をついてろよ幸子。


僕は幸子と一緒に帰路に就く、考えることまでもないからさっさと帰りたいんだ。

「私の家こっちだから、また明日な凛」

ってかなんでまた明日、見たくないよ、一年生どもめ。

幸子と分かれて、なんだか嫌な予感がしたんだ、誰かいたんだ、変人だ。

変人に見られそうだから、速度を上げるとしよう、その変人が変な格好してるんだ、エクセントリックのやつといえば間違いない、せめて服装はそうに見える。

ネームドキャラには見えない、ただのアレ(モブ)じゃん。

もちろん僕はアレ(モブ)と同じように、適当に振る舞えばいいと思うんだけど、この変人は少しそれと違う気もするが、何せよ、こいつは僕に話しかけたいらしい。

僕は一切そんな行動取りやしない、その、えっと、主人公らしいアレ(モブ)といえばいい?いや、考え過ぎ、やめとくわ。

そして僕の方向に歩いてきた、僕に声をかけそうになったその瞬間、もっと速度を上げた、スルーしてみたんだ。

しかし、変人はスルー許されるところとその隙を見せず、ふっと僕の前に現れた、この人、僕のスルースキルより強力なスキルを持っているのか?

「いやぁ、学生デスネー青春デスネー!学生時代にはこの俺様が時間を無駄にしてばかりでございますノデー、この古時計買いたくなりませんカー」

「うん、か、買いたくないから無駄に足引っ張るな」

「タンマ、タンマ!この古時計はね、市場で売られない上品デース!」

「売られないものには興味ない!お前、あ、足手まといだぞ!そ、その手で僕を触るな、離せよ!」

「骨董品なのデー、学生なら是非買いたくなりませんカー?」

「だ、だから嫌だと言ったから、か、買いませーん、ど、どけ変人」

しつこい骨董品屋さんを追い払うと思った、その瞬間、急に現れたのは覚えのある人物だ。

その人物は懐から銃を、いや、何かの防犯装備を手に取ってそしたら…

「とりあえずさ、撃つとしようさ」

この口調とその「さ」、一人しかいない。

骨董品屋さんは容赦なく撃たれた、テーザー銃だったらしい、どこからその武器を手に入ってたか言うまでもなく、単純に分からないから、あの律の秘密かもしれない。

「くっ…これが…せいしゅんか…ぐぁ...」

骨董品屋さんは不気味な言葉と恐らくティーザー銃の電源でショッキングな踊りを見せた後、動きを停止した。

僕はこんな援護射撃全く望んでなかった、いや、望んでなかったより期待してなかった、何か理由があったんだろう。

でも僕は立ち尽くしたまま何も言えなかった。

ぱたりと地に落ちた可哀想な骨董品屋さん、律はドヤ顔で犯行現場を後にした。

「り、律は一体何者なんだ」

家へと走ってそしてやっと辿り着いた、唯一の平和の場所、僕の家だ。

みんなはシリアスな展開に対してどう考えてるんでしょうか。


こんにちは!巧宮寛です!この刺戟的なストーリーをエンジョイするといいんでしょうか!

皆に良いお話を届けたいんだから、読者の皆様ここまで読んでくれて誠にありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします。

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