第2章:その静かなお昼休みが騒がしい!?
一ノ瀬はるかは妹の宿題の手伝いを終わったあとですぐにでもベッドの上でアイドルみりんちゃんのライブ動画に夢中だった。
勉強に興味なさそうな妹の宿題を手伝った後、気がついたら夜になった。
妹の宿題はほぼ全部私がやったの、姉ちゃんに失礼だと思わない?
妹がそれを自覚していないのもイラつく。
「みりんちゃん!すきぃ!」
馬鹿馬鹿しくにそう言った私はやっと自分に暇ができたのは嬉しい。
衝動のあんまりに柔らかくて唇をスマホの画面に当たった、しかしその前に止めた。
私は画面に生きてる女の子にちゅーとするきもい男たちと違ってね、忘れるなよ。
「やっぱりアイドルはダメな点なんてないっしょね!」
妹が聞こえるようにそうと叫んだ私。
うん、そう、妹と一緒に住んでる、陳腐だけど両親は旅行で忙しい、残念ながら妹はアイドルに比べてダメな点が多いので私に苦労ばっかりさせてる。
別に現実なら陳腐なんてないんでしょう、現実を許そう。
つい委員長みたいな思考になった。
「あいつの考え方も思考も知るか!」
最近あいつにスルーされてるばっかりムカつく、そういえばチャットいっぱい送ってたのに返事一切来なかった。
あいつ、ゲームしながら私を馬鹿にしてるかゲームしながらスマホを見ないのか、どっちなのよ。
私にも一つや二つのオタク趣味はあるんだけど、ゲームばっかりすると怠い、せめて怠らないようにしてよ。
妹は自分の都合のいいタイミングで遅れた返事をくれた。
「聞こえないよ!姉ちゃん!」
要らない返事だった、くだらない。
くそ、委員長と同じように与えられた仕事をやらない子。
そんな仕事が何であろうと、自分のやりたいことを優先する子なの。
私は慣れてる、人のあらゆる問題を手伝うのを、慣れてる。
そしてそれを解決するのは見ての通り私でしかない。
私が怒って何も変わらない、私は何を言っても何も変わらない。
用事をやらない途端にやらないと決まってる、あいつらはそういうタイプだから。
私はそれを病気だと思った時あったんだけど、楽観的に考えれば本当はあいつらのやる気は別のとこにあるんでしょう?
そうとしか見えない、多分、私はあいつらと違ってこの社会に相応しい生き物かも。
神に好かれてる、社会に愛されて、きっと、みんなの役に立つことで生まれてきたんだ。
努力を重ねてそしたらその努力を続けて、それが私の生き甲斐なの。
少し寝ぼけた後で緩やかに快適な睡眠に落ちていく、そして無意識の底へと。
私はみりんちゃんと同じようになれるのかな…
翌日
「あ、もうちくしょう!もったいねぇな」
委員長の部屋だった。
水ボトルが勝手に手にぶつかった、それとも逆か、今はそんなのどうでもいいんだろう、もう遅いから。
毎日朝から実家でめんどくさぎることが勝手に重なってきやがった、神様は僕を嫌ってるという疑いが浮かんでいる。
「なんてことだぁ!」
その疑いはすぐにでも晴れた。
僕は起こった後すぐ昨日サイドテーブルで放っといたよく締めなかったこぼれてる水ボトルが床に落ちたことに気づいた。
頭の中で複雑なことだけど、本当は掃除もめんどいから後にした。
「今は学校だからしかたがない、先生がこんな理由で遅刻も許さないはずだ、母ちゃんに任せよう」
そう自分に呟く、みんなが聞こえないようにハイクオリティセリフを出した。
ハードボイルドだな僕は、僕の口から聞こえないけどな、そんなセリフ。
母ちゃんが僕の部屋で掃除することもない、僕はインデペンデントなんだ、自分で掃除しまくる。
学校の後でな。
まぁ水だもんな、そのお陰で問題にならない、大したもんじゃないことにしとこう。
水ボトルのせいで無駄に考えすぎた後で時計を見ることにしたんだ。
やっべ、今から出ないと必然的に遅刻。
昨日の汚れた制服を早く身に付けてパンを手に握った後でやっと外に出た。
バックパックを掴んで適当に腰につけるとパンを口にはまったままで走り飛ばした、もっと加速するぞ、授業は僕を待っててくれないからな!
校舎は相変わらずのままだった平凡でグレイ。
廊下にたどり着くと丁寧に速度を下げた、ここは委員長らしく振舞うとしよう。
ゆっくりと教室に入って、遅刻ギリギリだから途中で話し相手もいなかったし、今日も楽な登校。
席をついた後で先生はふらっと立礼を始めた。
「起立、礼、着席」
「んじゃ授業だい、今度は、えっと、なんだったんだい、あ、ほら、因数分解パート2だい」
また数学か、ドン引き。
青春だからどんどんと行こう、後は副委員長に委員長らしく物事を任せよう。
「相変わらず無視だね」
誰に言ってるんだろ隣の女はひねくれてるなー、こっちに向かってるのに別の人に話しかけるんだなんて。
我ながら大したもんだこの隣の罵倒女。
いきなり数人のクラスメートにやばい目で睨まれた。
「てめえふざけてるんだろが、副委員長に全部任せてもいいか?苦労ばっかさせてんじゃねぇか」
まるで僕の思考は透明のように前席のイザヤがそう言った。
「そ、そりゃ僕だっても苦労するわ、か、勝手に僕に指定された用事を僕よりも早く終えるだなんてー」
クラスメートの話に耳を貸すより一旦無視しよう、落ち着いてるふりをするのが委員長の責務だからな。
「おい、話聞いてんだろ?イザヤは本気で言ってるのにぃ」
うるさい神崎、勝手に話にならない話し進むな。
「いい加減にしろや委員長、副委員長が副委員長やめたら先生がそれで理由を聞いたら絶対てめえの名前が出るんだろうが」
委員長と言っても僕はただの学級委員長だよ?
「ど、同情してくれてありがとよ」
しまった、つい口が勝手に開いた。
「同情全くしてない、ほかのクラスに馬鹿されたらどうすんだよ?ちくしょう」
あら、意外とツンデレっぽくね?
「べ、別に他クラスに馬鹿されても知っちゃこっちゃないんだけど」
「もう馬鹿にされてるよー、このクラスはヒエラルキーの中で一番下なんだけどよ?副委員長もそれを分かってちゃんと仕事してるから」
「クラス争い?き、聞いたことないなー」
「争いなんて一言も言ってない!」
確かにクラスが争ってるのは面白い発想なんだけど、実際には先生たちがそれを許すはずない。
「有り得ない話だ、イ、イザヤもいい加減に妄想をやめたら?」
イザヤは怒って立ち上がる。
「妄想?てめえがこのクラスの助けにもならない存在なんて、お前をぶん殴っても気が済まねぇ」
「暴力はいけないイザヤ、委員長も言葉争いを控えて、お願いなんだけど授業の邪魔やめてくれないかい?」
先生の目がピクピクした。
この状況を冷静に見てる先生いたんだ。
でもやはり先生たちはエクセントリックだな。
先生をじっくり見た後、素直に座りなおすイザヤ。
怖いこの人、先生を見下すつもりなのか?
「昼休み中庭にこいや委員長、来なかったら放課後」
と脅す怖い少年、怖いわ、今度はマジでイザヤに怒られてる。
お昼休み
お昼休みの時間ようやく来たんだ。
イザヤの挑発に立ち向かうかどうか、迷ってる僕の選択肢あまりなかった。
トイレで弁当食うこと思いついたんだけどやはり無理がある、トイレ全部詰まってるじゃん、列も意外と長かった。
万が一イザヤが挑発を守ったら、溶け込むように中庭で普段と違う隅でお弁当を食うか。
バッグパックに手をやったら、バーンという音を聞こえた。
不良の誰かがベンチに足を運んでたらしい。
テンション度上がろうとするイザヤが僕の座ってるベンチに立ち寄った、この広くない可哀想な中庭隠れる場所まったくなかったせいで、今度は委員長の役割として中庭を広くする提案しようぜ、我ながら言い考えだ。
それより、まずこの状況を生き延びることに集中しよう。
イザヤは僕を見下すような立ち振る舞いで僕の注目を求めたんだ。
優しくその期待に応えた僕。
スルッと目を合わせて僕は遠い目で見返したけど、イザヤは鋭い目で僕の何かを試してみたかったらしいのですぐ目をそらした。
目を泳がらせたら、パニック状態に落ちたと思われるんだろ。
この茶番劇はいったいなんだろ?
「んだてめえ、顔をここで出すつもりで来たんだろ」
「き、来たんだけど、でもそれだけのために来てないよ」
僕はバックパックから弁当箱を取った。
不意打ちでイザヤは僕の弁当箱を蹴った。
え?
「べ、弁当がお前になにをしたんだよ」
怒りを感じる前には驚愕してしまった。
だが怒りの余裕は結局与えられなかった。
まるでイザヤの犬のように僕は下を見てまたは悲しんでるように弁当箱とその蓋を拾おうとしている。
内容は全くなかったらしい、弁当箱包んでなかったか?おかしいなー、母ちゃんお弁当の支度忘れたのかな。
弁当箱をそっ閉じした、空腹つらいよお母ちゃん…
でも僕の弁当箱を急に蹴るだなんて、やってくれてやがったなイザヤめ!
周りは困ってるように僕たちをじろじろ見てるんだけどそれを気にしてる暇はなかった、それどころから僕の空腹どうするんだよ…
全てはイザヤの思い通りに行けない、行けないことなんだ、委員長としてのやる気が出た。
僕はお弁当箱をバックパックに戻した後で、その時。
走ることにした。
「んじゃなー イ、イザヤちゃーん!」
「ん?おいてめえ!」
「足が速い犬でわるかったんだよ!」
僕は足が速い、運動神経もそこそこだ、スポーツは苦手なんだけど。
大切なのは自信だ。
「なめんなてめえ!逃げると思うなよ!」
イザヤはゴミ箱からいくつかのゴミを拾われたあとで追いつきながらこっちに泥を投げた。
「待ってよちくしょう、コラ!俺を何だと思ってんだ!」
「僕こそなんだと思ってるんだよ!か、勝手にゴミ投げんなよ!」
屋上から複数のボトルグラスがいきなり地へと落ちたんだ
何これ!前に見たことあるんだ、このボトルグラス!
「ひぃ!」
数センチ外してたらきっと僕に当たったぞ!屋上のやばいやつらにどうにかしろよ!
でもそのおかげでイザヤを数分後完全に見失った。
「はぁ...はぁ...き、きついなこれ」
教室へと走ってたんだ、そこで救われるのかもしれない、運に任せるしかなかった。
チャイムまで何分だろ、イザヤまた来たら怖いなー。
心臓の鼓動が速かった、胸を飛び出しそうなほどに。
「ボトルグラスに当たっちまったら幸せだなー」
廊下までたどり着いたそこで誰かを見かけたんだ。
「委員長、奇遇ね」
「えへへ、ば、罵倒女か?ここで何してるんだろ?」
こんにちは、巧宮寛です!ここまで読んでくれて誠にありがとうございました!嬉しいです!今度はすっごく頑張ったそしたらこの第2章がその結果で。この話を心に刻まれたらそれだけで幸せ。読者のみんなさまにいつもお世話になっておりますから改めてお礼を申し上げます。よろしくお願いいたします。いやぁ今度はどんな展開になるんでしょうか!