第1章:幸せの静かなお昼休み、そして学校…
僕のハッピーサイレントランチブレークだった。
いわゆる幸せの静かなお昼休み、それは僕にとってとても大切なお時間。
実際に静かではないが、この時こそが課題のなかで一番お静かな時だな!
僕以外の生徒は静かなままでいるわけにはいかない。
数学の授業に集中できない生徒が喋りまくる。
国語の授業で本を大声で読んでいる生徒も多いからそれを静かだとも言い切れない。
学校の中庭だった。平和だったし、久々だった。風もいいし。
「ピロロロロ…」「ツツピー、ツツピー」
鳥の鳴き声気持ちいいなー、飽きない点もある。
僕は友達少ないんだからその結果としてどこかの隅で昼飯食った。
「イエーイ!食った食った!」
母ちゃんのお弁当さすがに美味かったなー。
それだけじゃない、栄養素もたくさん含まれている。
この大切なお時間がずっと続ければいいんだけど。
ずっと続いたらきっと太るから遠慮しとくわ。
そんなんで急に誰かが僕の前に歩いてきたんだ、そしたらその誰かが隣に座った後で。
僕は考えた、これが危険だということを考えた。
隣を見てゆっくりと立ち上がる僕。
僕の勘は当たった。
罵倒女だった、罵倒女はえっと、あの罵倒女だよ、悪口で慰められる系の女かな?
名前はちゃんとあるんだよ、でもあだ名の方が面白いと思わない?
どうでもいいことだが罵倒女の名前は一ノ瀬遥。
または罵倒女という言葉を深く考えて一般化にしてたらツンデレに至るかもしれない。
僕の頭の中に覗くことができる人なんか存在しないから、ダサいことを頭で精一杯で考えてもテレパシーでそれを見抜けるのはありえないことだ、ちなみにテレパシーと魔法とかファンタジーっぽいやつ存在しないからこれを覚えておいた方が健康に良い。
言いたいこと分かったか? 口にできないことだけど。
「待ってよ!どこへ行くのよ?!」
考えを整理しながら罵倒女が勝手な質問を。
すまん、僕は平凡な女に何か用があるはずないんだから立ち去る。
にしても今はさっきの考えの影響ですごいストレス抱え込んでちゃったから、女の前でかっこ悪くてテンパる前にどっかでぶらついて方がいいかな。
時計を見るとやっぱりそういう暇ないねー。
適当に教室に戻ることをしよう。
罵倒女に罵倒したら逆効果になる場合が多いんだろ、無理をしないでおこう。
無視で行こう。
チャイムがディンディンという音で鳴ってる。
ようやくだ、この時を待ってたんだぞ!
相変わらずねチャイムちゃん!僕はお前より重いのに助け舟にしてくれてありがとよ。
「も、もう時間か、教室にもどろっか」
ハッピーで幸せな顔をする僕。
「もう、だから待ってっつってんだろが!」
残念ながら現実は僕がどういう顔をするのか全く気にしないらしい。
口調の悪い女がしつこく僕の足をなめる覚悟で必死にこの僕を止めるんだ、なんてことを。
いや、恥ずかしながらそれは僕の妄想だけになるのかもしれないぞ?
「何で僕を止めるんだよ、罵倒女」
あっちゃ、罵倒言っちゃった。
「私ね、ダメダメ委員長の問題をすべて解決することなんて暇がないよ!私に全部の義務をぶつけるつもりなのなら現実逃避で満喫するな!」
ぶつける?この僕が?んなわけあるか。
「だからぶつけてないって、か、勝手に妄想すんなよ気持ち悪い女と思われたらどうするんだよ?」
偽善者でごめん、やはり考えと違って僕の口から出されてる発言のクオリティーは低いもんな。
「きもいって?あ、もう!ダメダメ委員長はなんで委員長なんかやってんの?」
「き、きもいって全く言ってないんだけど、いけない言葉を使う女だね」
それより今度は僕がやらなかった義務はただクラスメイト全員で今年の俳句を決めることだ、いわゆるモットーだ。それはたくさん本読んで一つや二つの、いや三つ選んでクラスに紹介することだ。クラスメイトは三つの詩のうち一つに投票し、その後、最も得票数で決定される、大したもんじゃないと思ってそれをやってないだけだ。
やる気の問題かどうか別にどうでもいいんだが。
今度も義務をやってないのは事実、いつもこんなパターンでことを最後までやり遂げない、我ながら恥ずかしいもんだ。
返事は来なかったらしいさっきの発言言い直すか。
「きもいという言葉急に女の口から聞いても困るだけだぞ、まったく可愛くないもんなー」
罵倒女はどこにもいなかった、
「え、消えたのか!?」
手間かかったな、話も聞かずに立ち去るだなんて、ナルシストめが。
考え込みすぎちゃって時間は無意識のうちにだいぶ進んだらしい。
無意識って言えばさすがに自意識過剰。
「し、しまった遅刻したらあぶねぇじゃねぇか!」
頬を叩き校舎に走り去った。
周りを見てたくさんの生徒を見かけたんだ。
「遅刻するのはやっぱ僕だけじゃない!」
これは嬉しい!
人だかりに走り抜けて数々のハードルを立ち向かった、人の上にジャンプもした、屋上から地へと飛び散ってるボトルグラスも避けながら教室へと必死に走った、でもたどり着く前にまた他の女にぶつかった、年下に見える、今度は遅刻系後輩女か、どんなクラスか分からないけど。
「ぼ、ぼ、僕は遅刻者と違って急いでるから!」
遅刻系後輩女はぶつかったせいで地に落ちたんだけど遅刻寸前に助けを求める女を救うこと、そんなの学校側の先生が許すはずなんてない!
そうやって心の中で遅刻系女の許しを求めたんだ。
荒い息でやっと教室にたどり着いた、そこはまるで俺の遅刻を待ってる先生がニヤニヤとこっちに向かってこう言った。
「あらあら、また遅刻か君。理由を聞いてもいいかい?」
理由?けしからん先生め、せめて事情を察してくれよ。
「り、り、理由はね、お、女がいきなりこの僕を…ぼ、僕は教室に向かってるのにいきなり立ち止まってしまったその結果でこれ…とー」
言い訳を考えながら説明するとこで恥ずかしくて日本語不自由になったと思ったら先生が一言でそれをまるで他人事のように…
「もういい、席に就け」
先生は僕のことなんてこの時点でどう思うんだろ、と考えながら先生のその優先すべき命令を悠長に従った。
クラスメイトに睨んでるのに落ち着いた雰囲気で不自然な真似を避けてゆっくりと席に就くことを成功にしたんだ。
「ダメダメ委員長よー?あんまり遅刻すると委員長でなくなったらどうすんだよ?」
隣の罵倒女が無礼にそう許可もなく言う。
適当すぎ、これはさすがに適当すぎるだわ。
相手の言葉を考えてる暇与えようじゃないか、この期に及んでもダメダメ委員長呼び付けだろう僕。
「お前のせいで遅刻したんだよコラ!」
考えがまとまらなかったが、でも怒ってる僕も面白い一面だしな。
「君!遅刻だから緩緩としてる場合かい!」
あ、やべぇ、先生が僕を子供のように叱ってるんだ、ずっと自分が大人だと思い込んでた僕は先生を怒らせるんだなんて…
少しの間で先生にきつく睨まれた後で授業は一刻も早く始まった。
長引いて悪かったyo。
「それで、君らはもう知っているはずの因果分析をもう一度その頭に叩いてやるんだい」
みんなをガッカリさせた先生はブラックボードで色んな数式を書き始まめた。
数学、最悪だねー少しでも寝るとしよっか。
「先生!委員長居眠りしてて聞いてないっぽいんだけど!」
罵倒女め!やりやがったな!
「君!遅刻なのに寝るつもりかい?次の数式は君が書くんだい」
クラスメイト全員嘲笑ってやがった。
先生にとってはただ生徒が騒いでるってことでしょう。
「へえ?俺を委員長にしろよ、一ノ瀬の言う通りあのままじゃダメダメじゃないか?誰もやれる仕事をこなせない委員長だなんて、他クラスに馬鹿されるだけだぞ」
男子生徒Aがそう言った、実際誰なのか分からないしかし名前は確かにイザヤだったっけ。
「い、委員長は誰にだってできるもんじゃない」
誰も僕の話に耳を貸してくれなかった
「ウケる、超ウケるそれ、私にでもやらせてよー」
あ、モテそうな男がどんなことを言っても同意しそうな女子生徒Aか、女だから名前覚えやすい、うん、確かに神崎だった。
などなどと騒いでる生徒(先生の観点)。
「みんな落ち着いてるんだい、委員長くん、問題を解ける時がやっと来たんだい、ブラックボードにおいで」
先生は困りそうな目でダメダメ生徒を無垢のままでお静かな形へと変わることに成功したらしい。
先生か僕のどちらかのために静かになったわけじゃない。多分、僕を馬鹿にする点を探すために、後で笑い飛ばしたいんだろう。
本当にどうしようもないクラスメイトの集まりだが、でも委員長は辞めない。
悔しそうな顔してる僕が相変わらず周りにからかわれてる。
空気を一変最悪方向に変えられる女なんて恐ろしいな。
なんでこうなったんだろ、頭に来るわそんな罵倒しまくる性格。
「罵倒女め、許されるもんか」
誰も聞こえないように小声で言った。
その後長い長い授業はまるで永遠のように長引いて続いたんだ…
僕は実家へと歩くことを決めた。
「やっとあのゲームができるんだよだな!楽しみすぎてここで失神してもいいかな!」
その喜びは僕をダメダメ委員長という蟠りのつもりで名付けた人にまた話しかけられたまでだ。
「待ってよ!ダメダメ委員長さん!」
やばい気がしてきた。
今度は言葉を聞くつもりは一切なかった、耳を防いで走り出した。
「もういい加減に家でゆっくりとゲームやらせてよ神様!」
「ダメダメ委員長よー!待ってて!」
読者のみんなさん!最後まで読んでくれて誠にありがとうございました!何時間もかかったんだけど結局やり遂げたんだぜ!最高の嬉しさを味わってました。ちなみにペンネームは巧宮寛何故だか聞くまでもない。これからもよろしくお願いします。