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熊神神社


【熊神神社】


地元の小学校の側にある小高い山の上に高い杉で囲まれた神社がある

石段はそう多くはないが登るのに3分程度は掛かる。


普段、神主は常駐していないので盆正月以外は殆ど人が訪れることはない。

地方の一神社だけに参拝者も地元の人間か出身者が主(おも)だ。


龍神様が祭神として祭られている。


子供の頃は放課後、クラスのみんなでかくれんぼしたりして遊んだ馴染みある場所だ。


夏の終わり、平日の午後、私は一人神社への階段を登った。


狛犬の前を通った時、やや強い風が背中に吹きつける


「大人になってからは毎年初詣に一度しか来ていなかったな」


賽銭箱に賽銭を入れ鈴を鳴らし二礼二拍手一拝そして境内に上がる。


私はマスクを外した。。

普段口元は無精ひげを剃ることも無く過ごしているが


この日は参拝するんでちゃんと剃ってきた

しかし傍目にはその辺のやつれたオヤジとなんら変わらなくみえるだろう。


祭神の祀られてある扉の前で正座した。


手を合わせ目を瞑ると現在の自分の不甲斐なさがありありと浮かび上がる。


「神様、私はもう、疲れました。」


惨めな言葉が漏れる。


「自分なりに精いっぱい生きてきたつもりです」

「でも私で我が家も終わります」


壁にある祖父の描いた絵が目に留まる。

「ごめんなさい、おじいちゃん」

「後は自分の感情のままに生き・・・終わらせます」


正座したまま背を丸くし手を合わせたまま

前に崩れた格好となった。

誰もいないからと油断して本心が口から洩れていた。


同時に此処まで追いこまれた元凶に対するどうしようもない怒りが渦巻く。


その数は多すぎて特定すらできない。イライラが募る


ドシ―――ンッ!!


その時、祭神の祀られてる扉の奥から何かが落とされたような音が境内に響き渡る。


(えっ!ひょっとして神主さんか誰か来てた!?)


ギョッとして固まった。


「き、、、気まずい!」


そのまま動けずに5分ほど周囲を伺った。


足音も人の気配も感じられない。。。気のせいか???


その時、「♪♫♬♪♫♬♪♫♬♪♫♬♪♫♬♪♫♬」


ビックっとしたまま固まった。


5時の時報が防災無線から鳴り響く


「あ、あぁもう5時か、、ここまで響くんだな。。。」


そう呟き立ち上がり祭壇に一礼をしてそそくさ神社を後にした。




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