オリジナルスピンオフ作品「羅生門」
私は、本が好きです。芥川龍之介さんが好きです。
というわけで、続きを考えてみたのですが、やはり芥川龍之介さんの凄さは図り知れませんね。初の批判コメントが殺到するかも知れません。
下人の行方は、誰も知らない。
下人は剥ぎとった着物を見た。
あの老婆の垢が汚している、所々小さな穴が空いている、汚い着物。
下人が老婆の着物を剥ぎ取る直前に感じた勇気は、それを見た瞬間消え失せた。同時に、それとは反する感情が身を包み、背筋を震わす。
下人は来た道を戻り、羅生門へ返った。
突然、鴉が鳴いた。その刹那、背中に燃えるような熱い感覚が下人を襲う。
羅生門には、様々な死体が捨てられている。そのなかにあり、一緒に捨てられていた、犯行に使われた包丁。それをあの老婆が瞼から飛び出るほどの目をギラギラさせながら下人の背中に突き刺していた。
じんじんと波打つ痛み。どくどくと流れ出す血液。老婆は、羅生門の上で下人と話している時のように口を小さく開けず、口を大きく開けて何か言っていたが、屈辱と後悔、驚きと懺悔感が交錯している下人の耳に届くはずもなかった。
空には鴉が舞っている。老婆はそれを一瞥し、下人の刀を抜き取り、羅生門に返って来ることはもうなかった。
終わり
如何でしたか。芥川龍之介さんのように、まとまった文章を目指しましたが、なかなか難しいですね。
そもそも、もうまとまってるのに付け加えるからこうなったんじゃないか…。
…目を瞑っておきましょう。