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第27話 シンVSマギアス。ツートップの戦い

「じゃ、……構え!」


 どちらも刀の共振武器を構える。


「影纏い漆ノ型 迅一閃!」

 今回は珍しく俺から仕掛ける。


「閃光纏い弐ノ型 円光えんこう!」

 俺の影はマギアスの光に殺され、力を失う。

 最悪そうかもと予想はしてたけど……ほんとにそうなるのかよ!


 ってか、閃光纏いは光纏いの上位、極級の纏いだ。


 仕方がないと思い、俺は冰纏いに変更する。


「冰纏い参ノ型 滅冰泉めっひょうせん!」

紅蓮ぐれんまとかた!」

 紅蓮ぐれん!? 紅蓮ぐれんまといっつったら火系の纏いの極級のものだ。


千日紅せんにちこう!」

 炎のエネルギーが凝縮され、刀の振りによってそれが放出されて俺の冰はマギアスの炎によって溶かされた。


 え、何コイツ俺の天敵?

 と思っていると、マギアスがこっちに駆け寄ってきた。


 うわ、こっち来んな!

「ヘリコ・フラーガ!」

 ザックが前に使ったものと同じ、自分を中心に炎が波紋状に広がる魔法だ。


 俺の理想通り、マギアスは後ろに跳んで避けた。


 しかし、どうしたものか……。こうなるとただの剣戟と魔法でやるしかないぞ……。


「エリスロースロトス!」

 紅蓮がマギアスに向かって一直線に伸びていく。


「水神纏い壱ノ型 水神みかみり!」

 うそん! 何で!? まさかこいつ全属性極級纏い使えるの!? うっざ! 勝てんだろ!


 あぁ……今の事実が発覚したらやる気がなくなってきた……。どうしよう……。


 ……あ! あれやればワンチャンあるんじゃね? 前のエクス先生との戦いの時に使った手だ。


 それは影魔法で、自分の影を極限まで薄くすることだ。影魔法でこんなことできるとかプロットに教わるまで全く思わなかったけど。


 早速俺はそれを身体強化で高速移動しながら実践する。これでどこにいるかも全く分からない状態だ。


 属性が有利でも反応出来なければ意味ない話だ!


 参ノ型 ……極撥ごくばち


 背後から不意打ちを仕掛ける。

 マギアスは構えていたが、直撃で吹っ飛ぶ。


紅蓮ぐれんまとい漆の型 紅蓮ぐれんせん!」

 あ、上空に逃げた。

 どうしよう。追おうか、追うまいか。ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、て、ん、の、か、み、さ……


 どちらにしようか選んでいたその時、マギアスが空から降ってきた。


 ……天気予報にはそんなの書いてなかったのに……ちゃんと見ておくべきだったか。


 ちなみにこの世界にはテレビはないが新聞で天気予報などの情報を得ている。


 マギアスが俺の位置に向かって紅蓮ぐれんせんの状態のまま突っ込んでくる。


 俺はもちろん避ける。だがマギアスが地面に攻撃したことにより、ものすごい余波が俺を襲ってきた。


 こいつっ……! 俺が真剣に選んでたのにそれを邪魔しやがって……! 許さん。


 俺は一瞬で距離を詰め、

竜飛鳳舞りゅうひほうぶ!」

 超高速攻撃を仕掛ける。光とか天敵属性を使わせない作戦だ。


 また俺の理想通り、マギアスは防御に精一杯になってくれた。


「冰纏い伍ノ型 ひょうりん虧月きげつ!」

 高速切りが出来る型だ。そのせいで今まで防御で精一杯だったのがマギアスに余裕が出来てしまった。


「水神纏い伍ノ型 しのあめ!」

 上空から俺を無数の水弾が襲う。それによって俺は距離を取ってしまう。

 うわ、どうしよ。俺ずっと押されてるじゃん……。


「篠突く雨!」

 今度はマギアスの正面から水弾が向かってくる。しかもなんか量多くない!?


「……陸ノ型 極夜きょくや

 なんとかそれを防ぐ。


 だがマギアスは予想通りとばかりに

「閃光纏い玖ノ型 復讐ふくしゅう光雨こうう!」

 それは1発1発が先の攻撃のどれの比ではなく、俺は極夜を突破され、直撃を食らってしまった。


 ……身体中痛てぇ。

 なんとか刀を支えに立ち上がるが、更に追い込みを掛けてくる。


「水神纏い玖ノ型 水禍すいか!」

 俺を中心に海の渦の様な動きをする水が軽い災害を起こす。

 他のSクラス生やらなんやらはエクス先生が守っている。


 身体中が切り刻まれる……


「……こうなったら俺もやるしかないか」

 賭けるしかない。


「影纏い玖ノ型!」

「冰纏い玖ノ型!」


 俺とマギアスはどちらも刀を自分の左上に振り上げ、叫びながら落とす。


影鰐かげわに!!」

ハナナカナル降雹こうひょう!!」


 結果的に、俺は影鰐を成功させることが出来た。だが、打ち勝つことはなく、相殺で終わってしまった。

 むしろ、相殺する時の余波で、2人ともダメージを負ってしまっている。


 そのせいで俺はもう既に満身創痍だ。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「はぁ……ふぅ……ふぅ」


 俺は力を振り絞り、無理矢理悪あがきをする。


「冰纏い漆ノ型 冰絶一閃……」

 なんとかいつもと変わらないスピード、そして攻撃力。


「冰纏い壱ノ型 冰剣戟」

 その3発で俺の攻撃を防ぎ、もう2発を俺の身体に打ち込む。


 俺はその2発で限界になり、倒れる。


 ……声が……聞こえる……?


 ―――――――――


 気付くと、俺の意識は謎の空間にあった。

 辺りが真っ白で、それ以外は何も無い。


「……なんだ? ここ」


「ここはお前の意識の中だ」

 その声の方を向くと、銀髪銀眼の若く、顔の整った男性がいた。


「俺の意識?」

 どういうことだ? てか、それよりも……


「あなたは誰ですか?」

「あー敬語はやめてな。タメ口でいいよ」

「えっと、じゃあ、分かった。で、お前は誰だ?」


「俺は──。お前の──だ」

「……え? な、何を言ってるんだ?」

「…………そうか。まだ、聞こえないのか」

 少し悲しそうに言うその男。


「じゃあ、これも分からないか?いいか、お前は──なんだ。その原因は──。────で、──も──なんだ」

「な、なんだよ。全く分からないぞ」

「やっぱりそうか……」

 また悲しそうにするその男。


「あ、そうだ。お前はあのマギアスってやつと戦ってて、負けた。そう思ってるだろ」

 何かを急に思い出したように喋るその男。


「……負けたよ。手も足も出ずに」

「お前は力を全く使いこなせてない。どうだ、俺が少し先導してやろうか」

「どういうことだ?」

「ほんの少しだけ、眠っててくれ」


 その言葉をスイッチに、俺の意識はそこからなくなった。


「……ごめんな、シン。これは償いって訳じゃないけど、これくらいはさせてくれ」


 ―――――――――


 すぐに俺は現実に意識が戻った。……あれ、まだ倒れてない。


 俺は踏ん張り、倒れそうになるのを堪える。


「!? ……驚いたよ。まだ動けるなんて」

「あぁ……」

 その言葉を発した時、俺は自分の身体の異変に気付いた。身体が、全く言うことを聞かない。


 そして、意図してないのに勝手に動く。まるで意識はあるが、身体の主導権を誰かに奪われたみたいに。


 ……まさか、さっきの夢みたいなやつに出てきたあいつか?


「影纏い玖ノ型! 影鰐!」

「!?」

 マギアスが驚くのも無理はない。何せ今俺が出している影鰐は、今までの俺のそれとは、全く比べ物にならないほどの規模だったからだ。


「……玖ノ型! 復讐ふくしゅう光雨こうう!」

 俺の影は天敵の光にも全く影響を受けず、そのままマギアスに向かっていく。


「……仕方ない。俺も本気でやるか」

 その言葉は誰の耳にも届くことはなかったが、マギアスはしっかりとそう言った。


「冰纏い拾ノ型 白魔はくま大勢たいせい!!」

 その瞬間俺の影鰐にも劣らない規模の冰の混じった雪が現れる。


 そしてその2つは相殺し合った。


「……なんだ? あのシン」

 エクセレトスは不思議そうにそう呟く。


「影纏い拾ノ型 夜叉やしゃ虧月きげつ

 その瞬間に俺はマギアスの元へ辿り着き、竜飛鳳舞がなんだったのかと思うほどの超速度で、新月の形をした斬撃で攻撃を繰り返す。


「紅蓮纏い参ノ型 飛輪煌舞ひりんこうぶ!」

 影纏いでいう竜飛鳳舞だ。その技を使って俺の攻撃を避けきる。


「紅蓮纏い玖ノ型 灰燼かいじん阿修羅あしゅら!」

 影鰐程の規模の炎が広がる。すごい熱だ。こんなに距離があるのに普通なら火傷はする程の熱がここまで届いている。


 だが影纏い拾ノ型 夜叉やしゃ虧月きげつは自分を強化する効果もあり、尋常ではない体力、回復力、力、速度、防御力が得られる。魔力が持てば、いくらでも続けられるものだ。極夜と同じで効果がすごい分消費魔力が半端ないはずなのだが、今の俺には魔力が減っているという感覚すらも無い。


 俺は一瞬で灰燼かいじん阿修羅あしゅらの攻撃範囲から外れ、避ける。


「……やはりおかしい。……まさか! シンが入ったってのか!? あの境地に!?」

 何かを思いつき、驚くエクセレトス。


「ほんとに驚いたよ。まさかシンがここまでだなんて」


 俺は返事を返さない。

 戦闘に集中しきっているからだ。


「…………ふふっ。シンは完全完璧に真剣本気なんだよね」

 突然笑いそう呟くと、


「じゃあ俺も、完全完璧に本気でやらないとな」

 凶暴な笑みを浮かべ、そう言った。

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