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第26話 学園対抗戦とは

 庭を散歩しながら俺達12人、1人1人と話し終えた後、皆が緊張しすぎて疲れたから休みたいということで、ソファや椅子やらテーブルやらがある休憩スペースみたいな所に来て休む。


「はぁ、緊張したー……」

 クレアがソファに倒れ込みながらそう吐く。


 それに続けて全員緊張の糸が切れたようにソファや椅子に座る。


「ふぅ。すごかったな。流石メイタール様っていう威厳みたいなの感じたぜ。……そういえば、シンはメイタール様と何を話したんだ? 俺は得意な戦術やら魔法やら話したぜ」


「俺は……」

 俺はメイタール様の過去のことを聞いたよ。そう言ってしまいそうになり、途中で発言を止める。


「俺は?」

「俺は……ザックと同じようなものだよ。緊張した苦し紛れに質問したのが得意な魔法は何ですかだったから」

「そうなのかー。俺もそんな感じだよ」


「レイは? 何話した?」

「私もシンと同じだよ」

 俺と同じ? じゃあレイも戦闘について? ……あ、いや。違う。


 今レイはシン達と同じじゃなくて、シンと、同じって言った。つまりは、そういうことだろう。


「メイタール様の得意な魔法ってやつ、驚いたよなー」

「あ、あぁ。そ、そうだね」

 やべぇ、あんなこと言ったから変に発言出来ねぇ。


「人は大体得意なジャンルってのがあるのに全部同じくらいとはなー」

「へぇ、そうなのか」

「ん? そうなのか?」

「あ、いや、違うよ。なんでもない」

「そうか? そーいやアレクは何話したんだー?」


「僕はサンクテュエール王国についてかな。きれいな国ですよね、とか、青焔花の楽園すごいですよね、とか」

「そんなもんだよなー」


 それからみんなでメイタール様のことやなんでもない雑談をした後、プロットの指示で解散し、桜の会の時間となる。


 ―――――――――


「なぁレイ」

「なぁにー?」


「メイタール様に、俺と同じ内容のことを聞いたのか?」

「……うん。そうだよ。メイタール様の過去のこと」


「そうそう、その時俺、妙なこと言われたんだよな」

「妙なことー?」

 セレス、ほんとなんでこの時間はこうなるの?


「なんか、俺に前にあったことがあるかのような懐かしさを感じるって」

「あ、そういえば私もそれ言われた」

「なんでなんだろうな? あと、メイタール様と言えばずっと気になってたんだけどメイタール様ってどれだけ長い間生きてるの? しかもあの容姿だし」

「あー確かに」


「私もそれは知らないよー」

「そっかー」


「そういえば、あとちょっとでクラス替えテストだよー。シン達もちゃんと予習しといたらー?」


「あーそっか。もうここに慣れ始めたからクラス変わって欲しくないなー」

「だよねー」


「あと、次の5月辺りには学園対抗戦があるんだよー」

「学園対抗戦って?」

「まず国単位で学園全部参加の予選してー1校だけ本戦に出場できるのー」

「ほうほう。それで?」


「6ヶ国から1校ずつの計6校で本戦をするのー」

「なるほどねー。その内容は? 何するの?」


「たたかうの!」

「いや……だからその内容だよ?」

「えっとねー」

 そういえばこいつら酔ってるのすっかり忘れてた……。


「内容は毎年ランダムだから別に決まってないんだけど、最後に出場メンバー全員で戦うの! ステージは毎年運営が用意するんだって」

「へぇ、なんかすごそうだな」


「でしょ。ちなみにその出場できるメンバーは各校5人で、その学園の中で予選やって決めるんだよ」

「勝ち抜いたらいけるって感じか」

 1発目でマギアスとかだったらやだな。


「いや、違うよ」

「え、違うの?」

「うん。その戦闘内容を審査員が見て、それで決めるの。勝ち進んだら魅せる場面が多くなるだけだよ」


「まぁ、どちらにせよ勝ち進んだ方がお得ってことだね」

「何がお得かはちょっと分かんないけど、そうだね」


「あ、そうだ!」

 何かを思いついたような、思い出したような様子のセレス。


「何?」

「そういえば今年は歴2000年ぴったりだから何かがすごくなるってお父様が言ってた!」

 そいえば最近国王に会ってないな。いや、それが普通なんだけど。


「すごくなる、か。あ、もしかしてメイタール様が関わってくるとかありえるんじゃない?」

 ちょうど帰ってきたし。


「ありえるけど、そしたらすごいよね」

「一応メイタール様は現在世界最強なんだよ」

 ほんとにすごいな! メイタール様の言ってた2人について知りたくなってきたよ。


「まぁ隠れている強者がいないとも限らないけどねー」

「意外と近くにいたりして」

「そんな……そうだったら既にメイタール様や四天王の方々が気付いてるよー」

 ケラケラと笑うように反対するセレス。


 ―――――――――


 そのまま特に形容するほどの事態も起きず、3月上旬になった頃、ついにクラス替えテストが行われることになった。


「よっしゃー! やるぞー!」

「そんなこと言っても、ザック座学大丈夫なの? 入学試験の時もなんとか実技で点とってギリギリSクラスになったんだから」

「べ、別に全く出来ねぇわけじゃねぇからいいんだよ! ちょっと苦手なだけだ!」


「ちょっと、ねぇ」

「な、なんだよその目は」

「別にー?」

「なんだよー!」


「うぅ……緊張する……」

「大丈夫よぉ。普段通りやればまたSクラスなれるってぇ」

「大丈夫かなぁ……」

「私は魔法ぶっ放せれば満足」

「相変わらず魔法大好きねぇ……」


「カイルさん達は緊張しませんか?」

「俺はしないかな。人前に出ることとか多くて一般人よりはそういう耐性はあるつもりだから」

「あぁ、カイルさん、4大貴族の1つ、レクシア家のご子息ですもんね」

「貴族呼ばわりはやめてね」


「分かってます。マギアスさんはどうですか?」

「俺も緊張はしないよ」

「緊張は?」

「うん。それよりも気になることがあってね」

「気になること?」

 マギアスの目線の先には、俺達がいた。


「あぁ……緊張する……」

「シン、こういうの苦手だもんね」

「人前に立って何かをすること自体無理だよ……」

「でも、入学試験の時はいけたじゃん」

「あれは見てる人が全くいなかっただろ……」

「あぁ、確かに」


「じゃあ、学園対抗戦の時とか大丈夫ですかね?」

「集中してたら気にならないんだけど、それまでが問題なんだよな……」

「そうなんですか」


「そうなんですよ。ってか、まだ対抗戦メンバーになったわけじゃないよ?」

「シンの実力なら恐らくほぼ確定かと」

「そうだね。首席のマギアスといい勝負かもって、カーラが言ってたし」


「そういえばそのメンバー選出っていつ行われるんだ?」

「クラス替えテストの1週間後辺りにやるって聞いてますけど」

「はやっ!」

「もう学園対抗戦まであまり時間もありませんからね」


 その時、ちょうどエクス先生に指示が出された。

「よし、そろそろ始めるぞー。さっきも言ったが、Sクラスは最初に実技、その後座学、最後に長所だ。まず実技やるが、今回は入学試験の時の教師以外にも対戦相手が追加出来るようになったんだ。その相手が現Sクラス生徒全員だ」

「全員!?」


「あ、ちょっと語弊があったか。Sクラスの生徒から相手を選べるんだよ。もちろん、相手がそれに応じた場合だけどな。その相手もそれが試験になるから、1回戦ったらもうやらなくていい。別にやってもいいがな」


 なるほど。ペア組んでそれで戦うって訳ね。俺はエクス先生でいいかなー。

「ね、シン」

 と、その時マギアスに声をかけられた。


「ん? 何?」

「この試験さ、俺達2人でやらない?」

 マギアスとか……。正直、やってみたい。だってこの国トップのこの学園の首席ってことは、この国の同世代で1番ってことだ。気にならないわけがない。


「……うん。いいよ。やろ」

「よしっ。ありがと、シン。先生! 俺達2人でやります」

「お、そうか。お前らは多分この国の同世代でのツートップだからな。みんなにやる気出させてくれよ」

 景気づけかい……。


 まぁ、本気でやろう。最初から相手に自分の手の内知られた状態で戦うのはプロットを除いて初めてだからな……。自分の実力がどこまで通用するか、んでマギアスがどれほど強いのか、確かめるいい機会だ。

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