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第23話 ペットが1人。ペットが2人。

 さて、朝起きてレイとセレスと待ち合わせする時間だが、2人は大丈夫かな?


 でも、なんか忘れてる気がするんだよな? なんか忘れ物でもしたっけか? まぁ気のせいか。


「あ、シン! 起きたの!? どうしたの!?」

 よし、レイは大丈夫だな。


「俺の作戦勝ちだな」

「その作戦とは」

「俺にある仕掛けをしたんだよ」


「へーどんな?」

「時間が経ったら影と同化させるってもの」

「嘘、そんなこと出来んの?」

「魔法陣使ったけどな」

「あーなるほどね」


 魔法陣とは、自分1人の力じゃ発動出来なかったりする時に使用する、魔法発動の補助をするものだ。戦闘などではそんなの書いてる暇ないから使われないが。


「でもさ、なんで影と同化したら起きれるの?」

「影の中ってさ、全部の感覚が鋭くなるんだよ」

「へーなんで?」


「そういうものだからじゃね? あと息が出来ないんだよ」

「あ、そりゃ起きるね」


「頭良いだろ」

「確かに良いかもだけど一般人は起きるためにそこまでしない。あと下手したら死ぬ」

「……」

 やべ、何も言い返せない。


「すみません。待ちましたか?」

 と、その時セレスがやってきた。よかった。セレスもいつも通りに戻ってる。


「じゃあ行きましょ」

「行くか」

「だね」


 ―――――――――


 登校中に分かったことだがセレスは口調は直っているが俺をシンと呼ぶのは昨日の桜の会と変わっていないようだ。


 そして教室のドアの前に着くと、何やら中で騒いでいる。


「……じ……シ……イ……し……し……じ……!?」

 なんでこうも理解出来る言葉がい行ばっかりなんだ?


 ドアを開け、みんなに挨拶する。俺達が来てSクラス全員揃ったようだ。


「おはよー」

「おはよ!」

「おはようございます」


「「……」」

 そして流れる沈黙の間。


 沈黙の後は決まって……

「おいシン!」

 騒動である。


「うわ、急に掴みかかってくんな! 怖いわ!」

「んなのどうでもいいわ!」

「どうしたんだよザック!」

「お前らプロット様に稽古つけてもらったんか!」


 ……なんかザック喋り方おかしくなってね?

「まぁ、つけてもらったけど」

「お前らだけずるいぞ!」

「じゃあプロットに頼んでみるか?」

「ほ、ほんとに呼び捨て……って! いいのか!?」


 多分これだと昨日レイが話したこととか恋バナのとこ除いて全部男子にも知れ渡ってんだろうな。


「大丈夫じゃね?」

「で、でも、四天王の方とそんな簡単に会えるの?」

「大丈夫じゃね?」

 プロットだし。


 だって多分……


 ―――――――――


「そういえばさ、俺のクラスメートのザック達がプロットに会いたがってんだけど大丈夫か? 俺ら含め……」

「いいぞ」

「て12人なんだけど……」

「いいぞー」


 全部言い終わる前に返事が来た……。


 ―――――――――


 うん。こうなるな。


「なんなら特訓してもらえるように頼んでみるか?」

「それ、ほんとにいいのか!?」

「大丈夫だよな?」

 レイとセレスの方を向いて聞いてみる。


「プロットさんなら大丈夫じゃない?」

 笑って答えるレイ。


「私も、プロットさんなら大丈夫だと」

 セレスも同様。


「じゃあ大丈夫だな」

「「神様仏様シン様レイ様セレス様!」」

 カイルとマギアス以外が同時に土下座をしながら称えてくる。


「お前らやめろ!」

「だってぇ、こんな機会設けてくれるのってすごいことなんだよぉ?」

 だからってこんな大勢に土下座一斉にされるのは……。


「シンがそれやめないとやっぱやめよっかなって言ってるよー」

 途端に全員が立つ。


「わり、ありがと」

「どたまー」


 その時、ガララッ! という音が響く。

「おらーホームルーム始めんぞー。席着けコラー」

 なんか先生口調おかしくね?


「お前ら何話してたんだ?」

 あ、戻った。


「それがよ! シン達が四天王のプロット様に会わせてくれるって!」

「いや、まだ会えるか分かんないけど……」

 プロットなら二つ返事でOKすると思うけど。


「おー良かったなー。んで、ちょうどいいニュースがある」

「ちょうどいい?」


「その四天王に関することだ」

「なになに!?」

 クレア興味津々だな。


「実は明日、メイタール様がご帰還されるそうだ」

「「おぉ!」」

 えっと、メイタール様って確か昨日レイ達の会話に出てきてたよな。


「メイタール様って?」

 こっそりと隣のセレスに聞く。

「メイタール=レイザー。四天王の1人、軍の第1席の人です」

「……っ!」

 第1席。


「ちなみに、四天王の中では、第2、第3、第4席の方々はそれほど力の差はないんですが、第1席のメイタール様だけはその御3方とも隔絶かくぜつされたお力を持っているそうなんです」


「あのプロットともものすごい差?」

「えぇ」

「そんな人が帰ってくるのか」


「それを祝って、明日は急遽祭りが催されるようですよ」

「まじか」


 そんな会話をしていると、後ろのレイから話しかけられる。

「それってかなり混むよね?」

「はい。正直いつもの5倍は」

「うわ……」

 嫌そうな顔をするレイ。そりゃそうなるよな。多分俺もそうなってる。


「明日の夜はは桜の会にしない?」

「俺は賛成」

「私もです」


「てか、桜の会毎晩やるんじゃなかったか?」

「あ、そうだった」


 決めた当人が設定忘れてどうする。


 今更だが、ほんとになんで俺の部屋なのだろうか。謎だ。


 それから授業を受けて、帰宅した。

 正直全部王城で習ったものだったし暇だったな。


 ―――――――――


 桜の会。

「んで、また俺だけ椅子か」

 ロッキングチェアー揺れるから楽しいしいいんだけど、なんか不満なんだよなー。


 しかも昨日と違う点が1つ。レイが誘ってセレスもベッドでくつろいでいる。


 なんで俺のベッドの使用権をレイが司ってんだ?


「明日はメイタール様が帰ってくるんだよねー」

「そだよー」


 なんで桜の会ではセレスこんなに砕けてるんだ?

 ってか2人とも酔っ払ってるって感じだが。


「そういえば四天王の順ってどうなってんの?」


「第1席がメイタール=レイザー様でー、第2席がカイラス=フォン=クライアス様ー、第3席がフェリアス=フレイド様ー、そして第4席が皆さんご存知!」


「「プロット=ケタール」」

「様です!」

 プロット=ケタールの部分がハモる。


 そして互いに笑い合う。


「っていうかシンー?」

「どした?」


「昨日言ってたこと忘れたー?」

「なんか言ったか?」

「明日撫でるって言ったー」

「あーそうだー! 言ってたー!」


「ほんとなんで酔っ払ってる癖にそこ覚えてるんだよ……」


「まだー?」

「まだー?」

「まだー?」

「まだー?」


「分かったから交互に言ってくんな!」

 ったくもう……。


 俺はベッドに行き、2人を撫でる。両手に花状態だな。

「んー」

 レイは満喫しているようだ。


「にゃー」

 セレスは猫化してるな。


「セレス」

「?」

 きょとんとした顔で、蒼い目をこちらに向けてくる。

 うわ、上目遣い……。可愛い……。


「おて」

「にゃ」

 やべ、可愛すぎん?


「うー!」

 レイが不満そうだ。

 あ、レイも上目遣いになってる……。


 レイはいつも一緒にいるから慣れたが、普通にめちゃくちゃ可愛いからな。


 美少女と上目遣いのダブルパンチが2つはえぐいわ。


「わぁーったわぁーった。何して欲しいの?」

「別に何もー」

「私もー」


 ……やっぱ酔ってんな。桜の会って女子を酔わせる効果でもあんのかな?


「でもさー」

「んー?」


「みんな忘れてたなんて面白いよねー」

 あははと笑いながらあの時のことを思い出すレイ。


 ま、そうだよな。俺もあの時まで忘れてたし。


 ―――――――――


「なぁシン」

「ん、どした? ザック」


「お前、覚えてたか?」

「覚えてた? って何を?」


「ほら、学校帰り直行で遊びに行こうって話。あったじゃん」

 ……。

「……あ」


 やべ、そういえばそんな約束したわ。何故かすっぱり忘れて帰っちゃったけど。

 今朝の違和感の正体はそれだったのか。


「ごめん! 忘れてた!」

「いや、忘れてたのはお前だけじゃねぇからいいんだけどな」

「俺だけじゃない?」


「実は僕達も忘れててね」

 アレクがそんな告白をする。


「僕達?」

「行こうって約束してたやつ全員忘れてたんだよ」

 マギアスもか。ってか全員って……。


「……まじ?」

「「まじ」」


「シン、約束忘れてたの?」

「そんな約束してたんですか?」


「あはは……そうみたい……」


 ―――――――――


「でも、それは俺がプロットに会わせてくれたらいい、ってことで収まったろ?」


「明日はメイタール様が帰ってくるしー、いくらプロットさんでも暇かなー?」

 なんでセレスは俺を不安にさせようとしてくるんだ……?


「ま、今日は頼むの忘れたし、明日朝頼んでみるよ」

「ちゃんと起きれるー?」

「魔法の設定を少し変えたらいいだけだ。てかそろそろ帰れー」


「「はーい」」

 俺はこの2人の飼い主か?


「ハウス」

 2人はキョトンとする。


「どしたの?」

「いや……なんでもない」


「そう? じゃねー」

「またあしたー」


 バタンッと音がして、ドアが閉まったのを確認する。


 はぁ、もう寝よう。

 そして穏やかに眠りについた。

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