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4話 なんかこいつら会話シリアスしかしてねぇな…(by作者)

ストックが切れたので毎日投稿は多分これで終了です。今日には5話まで書けてる予定だったんですけど…。全ては僕の遅筆が原因です大変申し訳ありませんでした()

不定期に戻りますが少なくとも大学生活が始まるまでは前みたくくそ長い間隔空けることはないのでご安心ください(あれ…?これって大学生活始まったらくそ空くかもってことでは…?)(まあそこは新生活は忙しそうなのでご容赦を…)


『えいゆうモンジンのぼうけん』は約200年前に実在した英雄モンジンの生涯を描いた

幼児用の絵本で、世界的に有名な作品だ。


モンジンは常に孤高であることを好んでいたけれど、『病的なほどに高潔な精神』と

『不屈の魂魄』を併せ持ち、当時世界を牛耳っていた魔王を改心させ、

険悪な関係だった魔人族と他種族の溝を埋めたというとってもカッコイイヒーローだ。


クライマックス。魔王との最終決戦で、融和の道を説くモンジンに、魔王はその覚悟を問う。

その時、モンジンはこう言った。


「俺は、ただ、絶望を裂く一振りの剣であればいい」


その言葉に、覚悟に、ボクは憧れた。

その世界への献身を、とても尊いものだと感じた。

だから、今、この言葉を叫ぶのは、伊達や酔狂ではない。

むしろ、これ以上ないほどの覚悟の証明。


だから、


「届きましたよ、救世主(メシア)。貴方の覚悟も、思いも、すべて。

より一層の忠誠を、貴方様に」


「…親として、ドーの成長を喜ぶべきか、子にこのような覚悟を背負わせている不甲斐なさを嘆くべきか。…悩ましいな」


「この道は、ボク自身が望んで選んだ道だよ。誰かに選ばされた道じゃない」


たまたま、ボクが勇者で、

たまたま、英雄モンジンに憧れて。

憧れて、そうなりたいと願っただけだ。

覚悟を背負わされたんじゃない。


『勇者』という肩書きが背負うものは確かにあって、

生まれつき世界の期待を背負って。

確かに、きついさ。

重荷に耐えきれず、泣いた夜だってある。

なんで、なんで、と泣き腫らして。

それでも、守りたいものがあったから。


「まあ、まだ力も何もかも全然足りてないと思うけどね。これから積み重ねていかないと」


「…本当に成長したなぁ」


場が、心地よい静寂に包まれる。


「…帰ろうか」



────────────────────────────────────────────


帰ると案の定、母さんとアトラから「お風呂で体を洗ってきなさい」と言われ、

3人仲良くお風呂へ。父さんは「なんで俺まで…」という顔をしてたけど。

確かに父さんは別に運動したわけでもないしね。臭ったのかな?


脱衣所で服を脱いでいると、ふと父さんが口を開いた。


「あぁ、そういえば。クリオラ」


「どうした?」


「いや、お前に手紙があったんだけどな。ついつい場の雰囲気にのまれて言うの忘れてたわ」


「ほう?誰からだ?」


「お前の親父から。至急来いってよ」


クリオラのお父さんかぁ。あまりクリオラの家族については聞いたことないけど。どんな人なんだろ。


「…用件は何も書かれていなかったのか?」


「あぁ、ほらよ」


そう言って、父さんはちょうど脱ぎかけの服からやけに豪華な装飾の手紙を取り出してクリオラに手渡した。


「…本当に『至急来い』としか書いてないんだが」


「それだけ極秘事項ってことじゃないか?」


「…はぁ。救世主(メシア)よ。申し訳ありません。

用件が分からないのですが、どれだけ時間がかかっても半年後には戻ってきますので。

短ければ1ヶ月ほどで帰れるかと」


「うん。でもそんな急がなくてもいいよ。大事なことなんでしょ?」


「ありがとうございます。…となると、実戦鍛錬の相手をどうするかというのが問題ですが…。

アーク。やってくれるか?」


「まぁ、俺は構わんが…。俺的にはアトラがいいと思う」


「アトラぁ!?」


やべ、びっくりしすぎて変な声出ちゃった。


「理由は?」


「邪神の巫女の噂は聞いたことあるよな?」


「あぁ。実質的に現在の邪神教のトップらしいな。あくまでも噂だが、かなり強いとか」


邪神の巫女。ボクも聞いたことはある。

20年ほど前から急に存在が噂されるようになった。

クリオラが言うように、実質的な邪神教のトップらしい。

間違いなく20年前から急に世界の混沌化が進んだ要因の一つだ。


「その通りだ。そして、『巫女』と呼ばれているように、当然女性だろう」


「…あぁ。なるほど」


「ん?どういうこと?」


「ドー。将来、間違いなくお前は『邪神の巫女』と戦うだろうし、

それ以前にも女性の敵と戦うこともあるだろう。

そして、男の中には

『たとえ敵だとしても女性に剣を向けるだなんて!』

みたいなことを言う奴もいてな。

多分ドーは少なからずそのタイプだろう。

戦わないといけないと思っていても、必ずどこかで躊躇いが生じる」


…確かに。

ボクが触れてきた女性は母さんやアトラ、メイドのみんな。

みんな、ボクの守りたい人たちで、女性は守る対象だと先入観を持った状態で『邪神の巫女』と戦ったとき、はたして、容赦なく斬ることができるだろうか。

少なくとも、躊躇いが絶対生じないと断言することはできなかった。


「だから、アトラと戦ってそこら辺を矯正した方がいい。

勘違いすんなよ?それを捨てろって言ってるんじゃない。

敵には容赦するなってことだ。

あと、分かっているだろうが、さっきも英雄モンジンの言葉を使っていたが、

融和の道を選ぶのはあの時代の魔王とならともかく、邪神教とじゃ100%無理だ。

なにせ世界の存続がかかっている。

魔王に支配されるかされないかじゃない。

世界が終わるか終わらないかだ」


「…うん。分かってるよ」




「ちなみにアトラって存在値300以上だからな」


「うっそぉ!!??」


えええええぇぇぇぇぇ!!???

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