表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビを作ったのは、俺だよ  作者: 衣弥普神和
3/4

消えた・・・?

プロローグ4「消えた・・・?」


「よくもカズをぉぉ・・!」


とうやの声が聞こえる。

久しぶりにとうやの怒った声をきいたな。

俺は体を動かさないように注意しながら、目を開ける。

案の定、俺が死んだときとおなじだ。

家が崩れ、土煙が舞っている。


そして、とうやが化け物の少女に殴りかかっている。


「とうや!」


二人がぴたりと止まり、こっちに視線をよこした。


「おまえなんで生きている!!」

「おまえ生きていたのか!?」


二人の声が重なった。雰囲気ににあわず、なんだかおもしろい。

だが、状況は最悪だ。

少女はすでに、こっちへ全速で向かっている。

時間はない。

対策も思いつかない


「信じるぞクソガキー!」

俺は全力で走り出した。

不確定要素がでかすぎるから、できれば、やりたくなかったんだがな。

俺は夢で言われたとおり、左へ二ついった家に向かった。


「ってお前はやっ!」


少女はもう俺のすぐ後ろまで来ている。

あと少しで鎌が届く距離だ。

ってか、鎌を持ちながら追いつくとか、ありえないだろ。


このままだと危ないと判断した俺は、足に力をいれて、急停止した。

少女は完全につられたのか、5メートルくらい過ぎたところで、ようやくとまった。


「往生際が悪いんだよ、さっさと死ね、裏切り者」


こいつの言葉は完全に無視し、俺はどうするべきか考えていた。


目的地まで、あと6メートルほどだろうか。

しかし、目的地のほうに、少女はいる。

突破は、無理だろう。かといって、ほかに手立ては、ない。

どうするか・・。


少女は歩いて、じわじわ距離を詰めている。

なので、俺もじわじわ後ろに下がる。


ふと、肩に何かが、触れた。


「あぁぁ・・・」

  ゾンビだ。


「うおっ・・・!」

俺は、慌ててかがみ、ゾンビの噛みをよける。

少女はこのすきに、走って向かってきた。


やばいな。これは詰みか・・?

・・・いや、ある。このピンチは抜け出せる。

大声で叫んでしまおう。

そうすれば、ゾンビが大量に来る。

こいつも俺を襲いずらくなるだろう。


やるしかない。


「ふぅぅぅ・・・」

息を吸い込む。

「・・・お・・?」


突然、少女の体が、薄くなった。

そう、向こう側が見えるくらい、少女の色が、なくなっていく。

少女は口をパクパクと動かしながら、こっちをにらんでいる。声が、出ていないのか・・?


・・・何が、起こっている?


少女は俺へ走って向かってくる。

・・・泣いているようにみえるのは、気のせいだろうか。


「消えた・・・」


意味が・・分からない。

何故消えたんだ。

まあ、都合がいいことには変わりないからいいのだが。


あのガキは・・一体、なにものなんだ。


「考えるのは、あとで、だな」

ゾンビどもが跳梁跋扈しているなか、外にいるのは危険だ。おまけに今の俺は何も装備を持っていない。

とりあえず、この家にいったん入ろう。

俺はコンクリート塀にのり、そのまま屋根にジャンプ。

そして二階の窓をこぶしで割り、家の中にはいった。


「ついでだし、食料品をもらっていくか・・ん?」


この部屋は一般的な女子が使うような部屋なのだが、ベッドに変なふくらみがある。というか、うん。

  人がいた。


「おい、ベッドに引きこもってないで、出て来いよ」

「ひいっ・・!」


いや何もそんなにこわがんなくてもいい気がするんだが。

5秒後くらいに、自分から出てきた。


少女だった。おそらく、中学1年生くらいだろう。

髪型はポニテで、顔面偏差値は60を超える。先ほどの狂気じみた少女と違い、おどおどしていて、おとなしそうだ。


うん、普通にかわいい。


「お名前は?」

「えっと・・・佐々木・・です」

「下のほうの名前は?」

「ゆき・・」

「そんな怖がらなくてもいいよ」

「いや・・その・・・・」

「なに?」

「なっ、なんでもないです・・」


やばいくらいに怖がれてるな。

まあ、なんでもいいが。


「俺は時江和乃瀬。よろしく」

「あ、はい・・・」

「まず、一つ聞くけどさ。これからどうするつもりだったの?」

「・・・・・・」

これはノープランだな。さて、どうするか。


「もし、よかったら、俺とこない?」

少女は一瞬こっちを見た。その表情には、すこしだが驚きが含まれていた。本当に一瞬だったが、俺は見抜ける。そして、すぐに答えを出さないということは、迷ってるということ。

「このまま、一人でいても、すぐに死んじゃうでしょ?一緒に来なよ」

「・・・・・わかりました。よろしくお願いします」

よし。

「うん、よろしくね」


さっきから、少し、おどおどさが薄くなってるな。

人見知りなだけだったか?


さて、これからどうするか。

うーん、とりあえず、とうやと合流かな。そのあとは、やはり、自給自足ができるようになればいいから、そのために、かな。


「俺には一人仲間がいてね、その仲間と合流する、いまから移・・」

いや、こっちのほうがいいか?水は惜しいが、一階の壁が崩されてしまっているからな。

「今から呼んでくるから、ちょっと待ってて」

「・・・はい」

自己主張がなさすぎる。この時間に家にいたし、もしかして、不登校とかだったのか?


俺は窓を開けて、屋根に乗る。

「うっわ・・」


ゾンビの数がさっきとはけた外れに増えていた。

まあ、結構音を出したし、確かにそりゃ増える。

しかし、今回の理由はそれじゃない。


「あ、カズ、そこにいたのか」


とうやが道路にいたからだ。

「そりゃ増えるわ」


まあ、さすが柏木四天王だ。20はいるゾンビの群れを相手に、一歩も引いていない。すべて俺のナイフで首をかき切っている。


しかし、分はわるい。

ゾンビは次々に出てくるからな。いくらとうやでも、対応できなくなる時が来る。


「よっと」

それをとうやもわかっているのか、コンクリの塀をのぼって俺がいるところまでジャンプしてきた。


「よ、カズ。あの化け物はどこ行ったんだ?」

「知らないよ、むしろ俺が知りたいくらいだ」

「・・・?まあ、よくわからんが、とりま、入るな」

とうやは土足でづかづかと家へはいった。後ろにつづいて、俺も入る。

「あーゆき、こいつが仲間のとうやだ」

「えーっと、ゆきちゃん?うん、おれは坂出とうやだ。とうやって呼んでね。とりまよろしく」

「は、はい。よろしくお願いします」

「かずさんやかずさんや」

「ん?とうやなに?」

とうやはなにやらニタニタしている。実に気持ち悪い。


「君も隅に置けない男だねーこのこの~」

「あ?」

「あ、うん。ごめんなさい・・」

「よろしい」


とうやはこんな状況でも変わらないな。

それが少しだけだが、ありがたい。

俺は壁にもたれかかる。

「で、これからどうするんだ?作戦参謀」

「ゆき、この家の食料は今どれくらいあるかわかる?」

「あ、はい。えっと、わ、わかります。というか、缶詰とかは、もう、分けておいてます」


この状況で、まだ時間があまりたっていないのに、すでにやっているのか。こいつ、もしかしてかなり有能なのか。

「具体的にはどれくらいある?」

「たしか、缶詰は10缶。レトルトは6つ、水がペットボトル6個です」

「そこそこあるね」

「は、はい」

「少し休みたいけど、今のうちに行動しといたほうがいいかもな」

「そうですね、やっぱり、水とかなくなると困りますし・・・」


やはり、ゆきは有能の部類に入るのだろう。話が合う。


「で、なにすんの?」

「・・・・・」

こいつはやはり、無能の部類に入るのだろう。


「よし、ゆきは家の中で、鍋とかに水を入れておいてくれ。終わったら、家にある使えそうなものの確認をよろしく」

有能な奴にはある程度しか指示しないほうがうまくいく。


「俺と、とうやは必要なものの回収に行く。5時間くらいでかえってくるね」

「わかった」

「わかりました」

「あ、リュックか何かある?」

「えっと、私のでよければ、あります・・・」

ゆきが取り出したリュックは、女子が使うとは思えないほど、柄がなかった。灰色一色だ。


「じゃあ、ちょっと借りるな。・・とうや、武器はそれでいいか?」

「ん?意外とこれ使いやすかったから、いいよ」

「じゃ、いくか」

「おう」

「えっと、いってらっしゃい・・」


こうして、俺たちは外へむかった。




















































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ